ローマ法王、南北和平に意欲 進むアジア共産圏への接近
法王フランシスコは18日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談で訪朝に前向きな発言をし、文氏の「融和外交」を後押しした。
法王は2013年の即位後、ベトナムや中国などアジアの共産主義政権に接近しており、朝鮮半島の和平にも関与する意思を示したものだ。
法王の訪朝については、北朝鮮の宗教迫害が続くため、「現段階での訪朝は難しい」(バチカン担当のイタリア誌記者)との見方が強い。
だが、法王は即位直後から南北和平への関心が強かった。14年、初のアジア訪問に韓国を選び、ソウルで朝鮮半島の「平和のためのミサ」を実施した。
北朝鮮の核問題でも積極的に発言してきた。昨年春、危機の高まりを受けて記者会見で「外交で解決すべきだ。仲介役が必要だ」と主張し、
今年4月、板門店での南北首脳会談にあわせて「対話と和解を進める機会となる。世界平和のために同胞愛を取り戻した」とたたえた。
バチカンは「無神論」を掲げる共産主義を拒絶してきたが、東西冷戦後、接近の動きが進む。法王フランシスコは特に熱心で、9月には、国交断絶中の中国と司教任命権をめぐる暫定合意を締結。
16年にはベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席(当時)と初会談した。法王は先月、日本を来年訪問したいという希望を表明している。(パリ 三井美奈)
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