7/10(日) 7:00配信 AERA dot.
https://news.yahoo.co.jp/articles/bda0cb7616527b92101db8148db565968128ffc3
50年に及ぶ格闘人生を終え、ようやく手にした「何もしない毎日」に喜んでいたのも束の間、2019年の小脳梗塞に続き、今度はうっ血性心不全の大病を乗り越えてカムバックした天龍源一郎さん。人生の節目の70歳を超えたいま、天龍さんが伝えたいことは? 今回は「外国人レスラー」をテーマに、つれづれに明るく飄々と語ってもらいました。
* * *
外国人レスラーについてよく聞かれるのが“誰が一番強かったか”だけど、これは答えるのが難しいんだよ。俺からするとピントがズレている質問だね。全日本プロレスを例にとると、外国人レスラーはジャイアント馬場さんに呼ばれて参戦しているわけだ。馬場さんからオファーがあって、ギャラをもらっているから、試合で馬場さんのことをコテンパンにできるかというと、それはできない。
逆に俺と戦うときは、いくらでもボコボコにしていい。攻撃のシビアさが全然違うんだ。スタン・ハンセンもブルーザー・ブロディもみんなそうだったよ。外国人レスラーはみんな賢くてマネーファーストだからね。次に呼んでもらえたら1万ドルがもらえるのに、ボスである馬場さんをボコボコにする馬鹿はいないだろう。どうしても相手や状況によって戦い方やスタイルが変わるものだから、誰が強いとは言明できないんだ。
強さを比較するのは難しいが人間性についてはいくらでも挙げられる(笑)。俺が見てきた中で気難しい、やっかいなレスラーの二大巨頭はブロディとミル・マスカラスだ。マスカラスはホテルのランクが低かったり、部屋が狭かったりするとすぐに会社(全日本プロレス)に文句を言っていた。サイン会も思ったより人が多いと「このギャラでは割に合わない」と応じなかったり。
ビジネスライクと言えばそれまでだけど、プロ意識がなせることだろう、細かいことにも徹底していたよ。それは日本だけではなくアメリカでも同様だ。ニューヨークでは大きいレスラーが人気でメインの試合も大きいレスラーが務めるが、マスカラスは小さいからだでも「メインじゃないと出ない」と譲らなかった。大きい選手を押しのけて、自分のポリシーを守っていたね。
ブロディはマスカラスと違って自分の形から外れたことを要求されたり、やらされたりするとカチンとして頑として受けない。そういう面ではマスカラスよりも偏屈だったね。「約束が違うじゃないか。こうすると言ったよな? なに? 約束していない? じゃあ嘘をついたのか! そんな人間は信用できない!」という調子で、一度こうなったらもうダメ、全然話にならない。ブロディには馬場さんも手を焼いていたけど、一度新日本プロレスに厚遇で迎えられたのに全日本に戻ってきたこともあった。普通は待遇がよかったら、多少のことは我慢するけど、ブロディはそれができなかったんだろうね。これには馬場さんもホッとしたというか、しめしめと思ったんじゃないかな。
気難しさという面ではマスカラスとブロディの2人が強烈すぎて、ほかの選手は小物に見えちゃうよ(笑)。そんな、2人をうまく扱っていた馬場さんはやっぱりすごいね。きっと、葉巻で煙に巻いていたんだろう……。(以下ソースで)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bda0cb7616527b92101db8148db565968128ffc3
50年に及ぶ格闘人生を終え、ようやく手にした「何もしない毎日」に喜んでいたのも束の間、2019年の小脳梗塞に続き、今度はうっ血性心不全の大病を乗り越えてカムバックした天龍源一郎さん。人生の節目の70歳を超えたいま、天龍さんが伝えたいことは? 今回は「外国人レスラー」をテーマに、つれづれに明るく飄々と語ってもらいました。
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外国人レスラーについてよく聞かれるのが“誰が一番強かったか”だけど、これは答えるのが難しいんだよ。俺からするとピントがズレている質問だね。全日本プロレスを例にとると、外国人レスラーはジャイアント馬場さんに呼ばれて参戦しているわけだ。馬場さんからオファーがあって、ギャラをもらっているから、試合で馬場さんのことをコテンパンにできるかというと、それはできない。
逆に俺と戦うときは、いくらでもボコボコにしていい。攻撃のシビアさが全然違うんだ。スタン・ハンセンもブルーザー・ブロディもみんなそうだったよ。外国人レスラーはみんな賢くてマネーファーストだからね。次に呼んでもらえたら1万ドルがもらえるのに、ボスである馬場さんをボコボコにする馬鹿はいないだろう。どうしても相手や状況によって戦い方やスタイルが変わるものだから、誰が強いとは言明できないんだ。
強さを比較するのは難しいが人間性についてはいくらでも挙げられる(笑)。俺が見てきた中で気難しい、やっかいなレスラーの二大巨頭はブロディとミル・マスカラスだ。マスカラスはホテルのランクが低かったり、部屋が狭かったりするとすぐに会社(全日本プロレス)に文句を言っていた。サイン会も思ったより人が多いと「このギャラでは割に合わない」と応じなかったり。
ビジネスライクと言えばそれまでだけど、プロ意識がなせることだろう、細かいことにも徹底していたよ。それは日本だけではなくアメリカでも同様だ。ニューヨークでは大きいレスラーが人気でメインの試合も大きいレスラーが務めるが、マスカラスは小さいからだでも「メインじゃないと出ない」と譲らなかった。大きい選手を押しのけて、自分のポリシーを守っていたね。
ブロディはマスカラスと違って自分の形から外れたことを要求されたり、やらされたりするとカチンとして頑として受けない。そういう面ではマスカラスよりも偏屈だったね。「約束が違うじゃないか。こうすると言ったよな? なに? 約束していない? じゃあ嘘をついたのか! そんな人間は信用できない!」という調子で、一度こうなったらもうダメ、全然話にならない。ブロディには馬場さんも手を焼いていたけど、一度新日本プロレスに厚遇で迎えられたのに全日本に戻ってきたこともあった。普通は待遇がよかったら、多少のことは我慢するけど、ブロディはそれができなかったんだろうね。これには馬場さんもホッとしたというか、しめしめと思ったんじゃないかな。
気難しさという面ではマスカラスとブロディの2人が強烈すぎて、ほかの選手は小物に見えちゃうよ(笑)。そんな、2人をうまく扱っていた馬場さんはやっぱりすごいね。きっと、葉巻で煙に巻いていたんだろう……。(以下ソースで)