2022.04.26
3月26日に小林よしのり氏の「ゴーマニズム宣言SPECIALコロナ論5」が発売された。小林氏は自らのブログで、
「『コロナ論5』は実質、『コロナ論』シリーズの最終巻になる。もういいかげんコロナ禍は終わりだろう。あと残っているのはワクチンの被害者がどのくらい増えて、訴訟問題が頻発してくるか」
と断言した。つまり、小林氏はコロナに対する見解の主張を終わりにしたということだ。
ここまで2年以上、コロナを「新コロ」「コロナくん」と矮小化し、医学的な根拠もなく反ワクチンを唱えてきた。マスコミや医師、製薬会社を悪玉扱いして自らの正当性を主張してきた。コロナやワクチンについて陰謀論にも似たような主張が今でも続いている背景に、彼の著書があることは疑いようがない。
小林氏とは無関係だが、反ワクチンの団体はノーマスクで接種会場に押しかけて開場を妨害したり、ワクチン接種をしているクリニックへ無断侵入をしたりするなど過激な行動をしている。先日、中学2年生を妊娠・出産させたと報じられた平塚正幸氏が党首の反コロナ・反ワクチンの政治団体も同様の行為をして、党員が逮捕されている
彼らはワクチンの効果をいくら説明しても聞く耳を持たず、自分が信じている医師や学者、言論人の言うことしか聞かない。こうした過激な行動を続ける団体は他にもあるようだ。中には一部の行き過ぎた行動に、団体を抜けようとするメンバーも出てきているらしいが、ここまで極端な暴挙をすれば社会にとって害悪な存在である。
小林氏の集まりは過激な行動はしていないが、主張はそうした団体とほぼ同じだ。犯罪者予備軍も生んでいる反コロナ・反ワクチンの言い分とは何なのか?彼らの主張の背景にある小林氏の「コロナ論」のおかしな点を指摘していきたい。
小林氏の「コロナ論」は1巻から5巻まで発売されているが、基本的に彼の主張は同じである。どうしてこうした言動に走ってしまったのかを分析し、その主張の幹をぶった斬る。
小林氏のコロナに対する主張は「反コロナ」「反自粛」「反マスク」「反ワクチン」の4つだ。
「反コロナ」についてはご存じの方も多いだろう。小林氏は「コロナは風邪」と断言し、インフルエンザよりも死者が少ないのだから放っておけばいいと1巻から主張している。その例に出したのが、2009年に起きた新型インフルエンザであった。小林氏は新型インフルエンザの騒ぎと感染者数、新型コロナウイルスの騒ぎと感染者数を比較して予言をしていた。
しかし小林氏の言うように、コロナは風邪でもなければ新型インフルエンザと同じ道を辿らなかった。理由ははっきりしている。新型インフルエンザは季節性インフルエンザと異なり抗原性が大きく異なるものの、抗インフルエンザウイルス薬(タミフル・リレンザ)で治療が可能であったという点だ。感染力が高くて警戒が必要な感染症なのだが、ワクチンも既にあり、治療法も確立しているので早く収束ができたのである。
新型コロナウイルスはメッセンジャーワクチンで重症化や感染の予防ができるものの、治療法は未だに確立していない。治療薬は、2022年4月現在レムシビル、デキサメタゾン、バリシチニブなどが承認されているが、流通量が安定せず値段も高額なのが難点といえる。抗インフルエンザウイルス薬並みに供給が安定させられたら値段ももっと下がってくるだろう。
2020年当時は治療法が確立していなかったのだからコロナが新型インフルエンザと同じ道を辿るというのは明らかにおかしな話であるといえる。
https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/1427866/
3月26日に小林よしのり氏の「ゴーマニズム宣言SPECIALコロナ論5」が発売された。小林氏は自らのブログで、
「『コロナ論5』は実質、『コロナ論』シリーズの最終巻になる。もういいかげんコロナ禍は終わりだろう。あと残っているのはワクチンの被害者がどのくらい増えて、訴訟問題が頻発してくるか」
と断言した。つまり、小林氏はコロナに対する見解の主張を終わりにしたということだ。
ここまで2年以上、コロナを「新コロ」「コロナくん」と矮小化し、医学的な根拠もなく反ワクチンを唱えてきた。マスコミや医師、製薬会社を悪玉扱いして自らの正当性を主張してきた。コロナやワクチンについて陰謀論にも似たような主張が今でも続いている背景に、彼の著書があることは疑いようがない。
小林氏とは無関係だが、反ワクチンの団体はノーマスクで接種会場に押しかけて開場を妨害したり、ワクチン接種をしているクリニックへ無断侵入をしたりするなど過激な行動をしている。先日、中学2年生を妊娠・出産させたと報じられた平塚正幸氏が党首の反コロナ・反ワクチンの政治団体も同様の行為をして、党員が逮捕されている
彼らはワクチンの効果をいくら説明しても聞く耳を持たず、自分が信じている医師や学者、言論人の言うことしか聞かない。こうした過激な行動を続ける団体は他にもあるようだ。中には一部の行き過ぎた行動に、団体を抜けようとするメンバーも出てきているらしいが、ここまで極端な暴挙をすれば社会にとって害悪な存在である。
小林氏の集まりは過激な行動はしていないが、主張はそうした団体とほぼ同じだ。犯罪者予備軍も生んでいる反コロナ・反ワクチンの言い分とは何なのか?彼らの主張の背景にある小林氏の「コロナ論」のおかしな点を指摘していきたい。
小林氏の「コロナ論」は1巻から5巻まで発売されているが、基本的に彼の主張は同じである。どうしてこうした言動に走ってしまったのかを分析し、その主張の幹をぶった斬る。
小林氏のコロナに対する主張は「反コロナ」「反自粛」「反マスク」「反ワクチン」の4つだ。
「反コロナ」についてはご存じの方も多いだろう。小林氏は「コロナは風邪」と断言し、インフルエンザよりも死者が少ないのだから放っておけばいいと1巻から主張している。その例に出したのが、2009年に起きた新型インフルエンザであった。小林氏は新型インフルエンザの騒ぎと感染者数、新型コロナウイルスの騒ぎと感染者数を比較して予言をしていた。
しかし小林氏の言うように、コロナは風邪でもなければ新型インフルエンザと同じ道を辿らなかった。理由ははっきりしている。新型インフルエンザは季節性インフルエンザと異なり抗原性が大きく異なるものの、抗インフルエンザウイルス薬(タミフル・リレンザ)で治療が可能であったという点だ。感染力が高くて警戒が必要な感染症なのだが、ワクチンも既にあり、治療法も確立しているので早く収束ができたのである。
新型コロナウイルスはメッセンジャーワクチンで重症化や感染の予防ができるものの、治療法は未だに確立していない。治療薬は、2022年4月現在レムシビル、デキサメタゾン、バリシチニブなどが承認されているが、流通量が安定せず値段も高額なのが難点といえる。抗インフルエンザウイルス薬並みに供給が安定させられたら値段ももっと下がってくるだろう。
2020年当時は治療法が確立していなかったのだからコロナが新型インフルエンザと同じ道を辿るというのは明らかにおかしな話であるといえる。
https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/1427866/