■圧倒的な強さを見せたのは、順天堂大だった。
昨年の本戦で、ハイスピードの展開に出遅れて対応できなかった反省を踏まえ、今年はハイペースに対応できる脚作りをしてきた。積極的に攻めるグループと少し守りながら走るグループに分けてレースを展開した結果、61分台が2名も出るなど素晴らしい走りを見せ、2位の中央大に2分39秒差をつけた。
■中央大も余裕の予選会突破になった。
暑さに苦しみ、10位通過になった昨年の反省を活かして、あえて暑い中でポイント練習を重ねてきた。その結果、走力がついて全員が設定タイム通りに走ることができた。藤原正和監督は「森(凪也・3年)、吉居(大和・1年)は前の逃げのグループにし、62分台を目指すグループは上級生が締めてくれた。あと、池田(勘汰・4年)主将がうしろのグループを引っ張ってくれて、いい形で新戦力が機能し、収穫があった予選会だった」と、満足そうな表情を見せた。61分47秒の吉居をはじめ、62分台が7名と充実のメンバーで箱根駅伝まで2カ月半、さらに力をつけて総合3位内を目指す。
神奈川大、国士舘大、日体大、法政大、拓殖大も力を発揮して、箱根に戻ってきた。
■箱根復活組は城西大、山梨学院大、7年ぶりに予選を突破した専修大だ。
城西大は昨年もエントリーメンバーのレベルが非常に高く、予選突破の有力校に挙げられていたが15位と、まさかの予選落ち。今年は、その悔しさをバネに例年よりも距離を踏み、調子をしっかりと試合に合わせられる能力を高めてきた。「菊地(駿弥・4年)、菅原(伊織・4年)、砂岡(拓磨・3年)は自分のペースで、あとは確実に予選通過するために固まっていくように指示しました」という櫛部静二監督の狙い通り、菊地、砂岡は61分台、菅原も62分6秒で走り、全体を引っ張った。スタートから徐々に総合順位を上げ、3位での予選突破となった。
山梨学院大は、19年2月に上田誠仁が総監督になり、飯島理彰駅伝監督の新体制になって、2回目の予選会。昨年もメンバー的には十分に予選突破を果たせるだけの戦力があったが、17位に沈み、33年連続出場が途絶えた。今年は序盤から中位をキープし、7位で予選を突破。「今年は絶対に(箱根に)戻るぞという強い気持ちで、きつい練習にも耐えてくれた。それが予選突破に繋がったのかなと思います」と飯島監督は語ったが、以前のように留学生に頼るのではなく、全学生が力を高め、箱根復活を果たしている。
専修大は、コロナ禍の影響で試合がないなか、学内TT(タイムトライアル)と試合形式での練習メニューで実戦感覚を養い、力を上げてきた。夏合宿では昨年の予選会で暑さが影響して敗れたことを考え、暑い中、アップダウンの厳しいところで鍛えた。それが今回の結果に表れ、長谷川淳監督は「これまでやってきたことを選手が証明してくれた」と喜びを見せた。
■中央学院大がまさかの落選……
昨年、26年ぶりに予選会を突破し、歓喜に沸いた筑波大は11位に終わり、悔し涙を流した。6位の猿橋拓己(4年)、9位の西研人(4年)が61分台で走り、大健闘したが、後続が続かず、10位の専修大とわずか18秒差で敗れた。「歴史を作るために」と連続出場にこだわったが、残念ながら目標を達成することができなかった。
中央学院大はまさかの12位で、落選は衝撃的だった。箱根本戦のメンバー6名に加え、10000m28分台が3名。実力通りに走れば、最低中位で予選突破が可能な戦力だ。この雨と高速のレース展開が選手の走りに影響したとは思えず、選手の調子も決して悪くはないが、62分台が1人に終わり、他チームが早すぎた結果、順位を上げられなかった。
麗澤大は、昨年まで2年続けての次点に泣いたが、今回も予選突破を果たせなかった。山川達也監督は「一昨年は思い通りの走りができたが昨年は欲が出た」と反省し、3回目の今年は練習メニューを個別化して強化を進め、26秒差で逃した昨年の悔しさを晴らすべくチームを作り上げてきた。だが、10位の専修大に2分8秒の差をつけられ、力が及ばず、3度目の正直はならなかった。
箱根駅伝初出場を目指した駿河台大は、出場選手全員がハーフの自己ベストを更新する健闘を見せた。だが、ハイスピードのレースになって上位校に打ち勝つことができず、15位と昨年(12位)よりも順位を落として予選を終えた。
■来年に期待したいのは「東京農業大学」
東京農大は、17位に終わったが今後を感じさせるレースを見せた。1年生5名が予選会に出場。高槻芳照が62分35秒、並木寧音が62分48秒で走り、他3名の1年生も64分台、65分台にまとめた。来年に繋がる走りができており、強くなる気配が感じられる。
長文の為一部抜粋
ナンバーweb 2020.10.21
https://number.bunshun.jp/articles/-/845483?page=4
昨年の本戦で、ハイスピードの展開に出遅れて対応できなかった反省を踏まえ、今年はハイペースに対応できる脚作りをしてきた。積極的に攻めるグループと少し守りながら走るグループに分けてレースを展開した結果、61分台が2名も出るなど素晴らしい走りを見せ、2位の中央大に2分39秒差をつけた。
■中央大も余裕の予選会突破になった。
暑さに苦しみ、10位通過になった昨年の反省を活かして、あえて暑い中でポイント練習を重ねてきた。その結果、走力がついて全員が設定タイム通りに走ることができた。藤原正和監督は「森(凪也・3年)、吉居(大和・1年)は前の逃げのグループにし、62分台を目指すグループは上級生が締めてくれた。あと、池田(勘汰・4年)主将がうしろのグループを引っ張ってくれて、いい形で新戦力が機能し、収穫があった予選会だった」と、満足そうな表情を見せた。61分47秒の吉居をはじめ、62分台が7名と充実のメンバーで箱根駅伝まで2カ月半、さらに力をつけて総合3位内を目指す。
神奈川大、国士舘大、日体大、法政大、拓殖大も力を発揮して、箱根に戻ってきた。
■箱根復活組は城西大、山梨学院大、7年ぶりに予選を突破した専修大だ。
城西大は昨年もエントリーメンバーのレベルが非常に高く、予選突破の有力校に挙げられていたが15位と、まさかの予選落ち。今年は、その悔しさをバネに例年よりも距離を踏み、調子をしっかりと試合に合わせられる能力を高めてきた。「菊地(駿弥・4年)、菅原(伊織・4年)、砂岡(拓磨・3年)は自分のペースで、あとは確実に予選通過するために固まっていくように指示しました」という櫛部静二監督の狙い通り、菊地、砂岡は61分台、菅原も62分6秒で走り、全体を引っ張った。スタートから徐々に総合順位を上げ、3位での予選突破となった。
山梨学院大は、19年2月に上田誠仁が総監督になり、飯島理彰駅伝監督の新体制になって、2回目の予選会。昨年もメンバー的には十分に予選突破を果たせるだけの戦力があったが、17位に沈み、33年連続出場が途絶えた。今年は序盤から中位をキープし、7位で予選を突破。「今年は絶対に(箱根に)戻るぞという強い気持ちで、きつい練習にも耐えてくれた。それが予選突破に繋がったのかなと思います」と飯島監督は語ったが、以前のように留学生に頼るのではなく、全学生が力を高め、箱根復活を果たしている。
専修大は、コロナ禍の影響で試合がないなか、学内TT(タイムトライアル)と試合形式での練習メニューで実戦感覚を養い、力を上げてきた。夏合宿では昨年の予選会で暑さが影響して敗れたことを考え、暑い中、アップダウンの厳しいところで鍛えた。それが今回の結果に表れ、長谷川淳監督は「これまでやってきたことを選手が証明してくれた」と喜びを見せた。
■中央学院大がまさかの落選……
昨年、26年ぶりに予選会を突破し、歓喜に沸いた筑波大は11位に終わり、悔し涙を流した。6位の猿橋拓己(4年)、9位の西研人(4年)が61分台で走り、大健闘したが、後続が続かず、10位の専修大とわずか18秒差で敗れた。「歴史を作るために」と連続出場にこだわったが、残念ながら目標を達成することができなかった。
中央学院大はまさかの12位で、落選は衝撃的だった。箱根本戦のメンバー6名に加え、10000m28分台が3名。実力通りに走れば、最低中位で予選突破が可能な戦力だ。この雨と高速のレース展開が選手の走りに影響したとは思えず、選手の調子も決して悪くはないが、62分台が1人に終わり、他チームが早すぎた結果、順位を上げられなかった。
麗澤大は、昨年まで2年続けての次点に泣いたが、今回も予選突破を果たせなかった。山川達也監督は「一昨年は思い通りの走りができたが昨年は欲が出た」と反省し、3回目の今年は練習メニューを個別化して強化を進め、26秒差で逃した昨年の悔しさを晴らすべくチームを作り上げてきた。だが、10位の専修大に2分8秒の差をつけられ、力が及ばず、3度目の正直はならなかった。
箱根駅伝初出場を目指した駿河台大は、出場選手全員がハーフの自己ベストを更新する健闘を見せた。だが、ハイスピードのレースになって上位校に打ち勝つことができず、15位と昨年(12位)よりも順位を落として予選を終えた。
■来年に期待したいのは「東京農業大学」
東京農大は、17位に終わったが今後を感じさせるレースを見せた。1年生5名が予選会に出場。高槻芳照が62分35秒、並木寧音が62分48秒で走り、他3名の1年生も64分台、65分台にまとめた。来年に繋がる走りができており、強くなる気配が感じられる。
長文の為一部抜粋
ナンバーweb 2020.10.21
https://number.bunshun.jp/articles/-/845483?page=4