岡山県サッカー協会の山下立次会長(ファジアーノ岡山元監督)が「Jリーグと地域社会」をテーマにしたコラムを寄稿しました。
◇
ファジアーノ岡山は、J2リーグ第36節を終了して、12勝13分け11敗、勝ち点49の11位の成績です。残り試合が6試合になり、J1昇格プレーオフ圏内の6位以内の順位の確保(勝ち点差8点)は厳しい状況になりました。しかし、チームには最後の最後まであきらめないで、サポーターやファン、地元岡山のために戦ってほしいものです。このような積み重ねが「ファジアーノ岡山のブランド力」の向上につながり、Jリーグ全体の盛り上がりとスポーツ文化拡大につながると思います。
そこで今回は「Jリーグと地域社会」について考えたいと思います。1993年にスタートしたJリーグ(社団法人日本プロサッカーリーグ)は、21世紀を担う若者たちに夢と希望を与え、平和で豊かな社会を目指すことを目的に設立された組織です。サッカーを含めた日本のスポーツ文化全体の振興を図ることを第一義としています。
従来の日本のプロスポーツとの違いは、地域に根ざしたスポーツ組織をつくりプロ・アマチュアを問わず個々の目的に合った活動を楽しみ、スポーツ文化の定着・振興を図ることにあります。自治体、地元企業、地域住民が三位一体となりクラブ(組織)を運営し、欧米型の地域に根ざしたスポーツクラブを目指しています。
スポーツ文化の享受
近代スポーツは産業革命以降、イギリスのジェントルマン(紳士)たちによって生まれ、全世界に普及・発展した文化です。経済的にゆとりがあり、社会的地位の高い教養人たちによって、作り出された「遊び文化」なのです。
一方わが国のスポーツは、学校体育の中で普及・発展してきた歴史的背景があります。その中で、世界的にすばらしい選手を育成・輩出してきたことも事実です。しかし、今日では、国際的な競技力の高度化、そしてスポーツの普及にともない活動の仕方に多様化がみられます。
これまでの活動組織や施設では、人々のスポーツニーズを満たしていない現状があります。ある高校の人気種目の部活では、100人以上の部員を顧問教師1人で指導にあたり、悪戦苦闘している状況もみられます。部員の中には、将来プロ選手を目指す者、スポーツそのものをエンジョイしたいと思う者など、さまざまな志向が混在しています。また、少子化による学校の統廃合、さらには経済不況による企業スポーツの休廃部がみられる状況です。社会全体の中で、スポーツが「文化」として定着するには、今まさに「組織・施設を含めた新しいスポーツ環境」づくりが求められています。
◇
ファジアーノ岡山は、J2リーグ第36節を終了して、12勝13分け11敗、勝ち点49の11位の成績です。残り試合が6試合になり、J1昇格プレーオフ圏内の6位以内の順位の確保(勝ち点差8点)は厳しい状況になりました。しかし、チームには最後の最後まであきらめないで、サポーターやファン、地元岡山のために戦ってほしいものです。このような積み重ねが「ファジアーノ岡山のブランド力」の向上につながり、Jリーグ全体の盛り上がりとスポーツ文化拡大につながると思います。
そこで今回は「Jリーグと地域社会」について考えたいと思います。1993年にスタートしたJリーグ(社団法人日本プロサッカーリーグ)は、21世紀を担う若者たちに夢と希望を与え、平和で豊かな社会を目指すことを目的に設立された組織です。サッカーを含めた日本のスポーツ文化全体の振興を図ることを第一義としています。
従来の日本のプロスポーツとの違いは、地域に根ざしたスポーツ組織をつくりプロ・アマチュアを問わず個々の目的に合った活動を楽しみ、スポーツ文化の定着・振興を図ることにあります。自治体、地元企業、地域住民が三位一体となりクラブ(組織)を運営し、欧米型の地域に根ざしたスポーツクラブを目指しています。
スポーツ文化の享受
近代スポーツは産業革命以降、イギリスのジェントルマン(紳士)たちによって生まれ、全世界に普及・発展した文化です。経済的にゆとりがあり、社会的地位の高い教養人たちによって、作り出された「遊び文化」なのです。
一方わが国のスポーツは、学校体育の中で普及・発展してきた歴史的背景があります。その中で、世界的にすばらしい選手を育成・輩出してきたことも事実です。しかし、今日では、国際的な競技力の高度化、そしてスポーツの普及にともない活動の仕方に多様化がみられます。
これまでの活動組織や施設では、人々のスポーツニーズを満たしていない現状があります。ある高校の人気種目の部活では、100人以上の部員を顧問教師1人で指導にあたり、悪戦苦闘している状況もみられます。部員の中には、将来プロ選手を目指す者、スポーツそのものをエンジョイしたいと思う者など、さまざまな志向が混在しています。また、少子化による学校の統廃合、さらには経済不況による企業スポーツの休廃部がみられる状況です。社会全体の中で、スポーツが「文化」として定着するには、今まさに「組織・施設を含めた新しいスポーツ環境」づくりが求められています。