0001ニライカナイφ ★@無断転載は禁止2017/07/18(火) 13:30:53.63ID:CAP_USER9
今から約10年前。
日本中の女子中高生の間で大流行した、「ケータイ小説」を覚えているでしょうか。
10代の読者の方々はご存じないかもしれませんが、ケータイ小説は当時日本中で大ブームを巻き起こしたコンテンツであり、2000年代の若者文化を語る上でも重要なキーアイテムなのです。
ケータイ小説とはその名の通り、「ケータイ」で書かれ「ケータイ」で読む小説のこと。
今でいう「ガラケー」で書かれたその小説は、素人が「実話」を元に書いたものがほとんどだとされています。
ただ、2017年現在、ケータイ小説という単語を久しく聞かなくなってしまいました。
あれだけ流行したケータイ小説文化は、一体なぜ廃れてしまったのでしょうか。
今回はその歴史と背景を交えながら、なぜケータイ小説が若者たちの間でブームになり、なぜ急速に人気が衰えたのかを探っていきたいと思います。
●ケータイ小説の歴史
単にケータイ小説といっても、ひとくくりにして語るには難しい文化です。
2000年代、携帯電話の急速な普及に伴い、さまざまなケータイカルチャーが中高生の間で人気となりました。
特に「パケホーダイ」などの通信料定額サービスの影響で、“インターネットで遊ぶ”というハードルが低くなったことも背景にあります。
「前略プロフィール」「学校裏サイト」「mixi」「魔法のiらんど」「個人ブログ」「●●掲示板」(バンドメンバー募集・画像掲示板とか)などは、当時触れていた方も多いのではないでしょうか。
筆者は“非リア”な高校生活を送っていたため、専ら「2ちゃんねる」の住民でしたが(ROM専)、クラスの女子の大半はこのようなサイトで自らのプロフィールを作り、コミュニケーションをとっていたようでした。
(今でいうTwitterやInstagramみたいなものですね)
時を同じくして、中高生の間で流行したケータイ小説。
専門家に「小説をほとんど読んだことのない作者によって書かれ、小説をほとんど読んだことのない読者に読まれている」とも揶揄(やゆ)されるほど、当初は大人たちには全く相手にされていませんでした。
しかし、新垣結衣さん主演で映画化もされた『恋空〜切ナイ恋物語〜』を筆頭に、『赤い糸』『天使がくれたもの』『teddy bear』などいくつものケータイ小説が書籍として刊行されるやいなや、全国でベストセラーになりました。
当時、街の本屋さんでアルバイトをしていた筆者は、平積みされたさまざまなケータイ小説を、子ども連れの主婦やスーツを着たおじさんが買っていった姿を記憶しています。
●第一次ブームと第二次ブーム
さて、そんなケータイ小説には第一次ブームと第二次ブームがあることをご存じでしょうか。
現在30代以上の方々にとってのケータイ小説といえば、Yoshiさんが個人のサイト上で連載した「Deep Love」が脳裏に浮かぶかと思われます。
この小説は2000年初頭に書籍化され、大ベストセラーになりました。(学校の図書室にもあった気がする)
この「Deep Love」を第一次ブームとし、本記事では次にご紹介する「第二次ブーム」にフォーカスしていきたいと思います。
2006年以降の「第二次ブーム」を語るうえで欠かせないのが、携帯サイト「魔法のiらんど」の存在。
もともとは個人ホームページを作れる携帯サイトとして人気だった「魔法のiらんど」に、小説が投稿され、それが中高生たちの間で評判を呼び、次々と書籍化されるようになったのです。
それ以降、Chacoさんが執筆した「天使がくれたもの」を皮切りに、女性が“自らの恋愛経験”を小説の中に交えながら描く物語が、急速に世に送り出されるようになりました。
このような自らの「リアル」を前面に押し出した小説たちの中でも最も売れた小説が、美嘉さんが書いた「恋空〜切ナイ恋物語〜」。
上下巻を合わせて160万部以上の大ヒットを記録。2007年の文芸書売り上げ第1位となっています(トーハン調べ)
そんな大ヒットを連発していたケータイ小説たち。
しかしなぜ、急速にその名を聞かなくなってしまったのでしょうか。
その理由は、参考文献として挙げた速水健朗氏の指摘にもある通り、郊外在住の中高生が好む“音楽”からの影響があるのではないかと筆者は考えています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170718-00000007-it_nlab-life
※続きます
日本中の女子中高生の間で大流行した、「ケータイ小説」を覚えているでしょうか。
10代の読者の方々はご存じないかもしれませんが、ケータイ小説は当時日本中で大ブームを巻き起こしたコンテンツであり、2000年代の若者文化を語る上でも重要なキーアイテムなのです。
ケータイ小説とはその名の通り、「ケータイ」で書かれ「ケータイ」で読む小説のこと。
今でいう「ガラケー」で書かれたその小説は、素人が「実話」を元に書いたものがほとんどだとされています。
ただ、2017年現在、ケータイ小説という単語を久しく聞かなくなってしまいました。
あれだけ流行したケータイ小説文化は、一体なぜ廃れてしまったのでしょうか。
今回はその歴史と背景を交えながら、なぜケータイ小説が若者たちの間でブームになり、なぜ急速に人気が衰えたのかを探っていきたいと思います。
●ケータイ小説の歴史
単にケータイ小説といっても、ひとくくりにして語るには難しい文化です。
2000年代、携帯電話の急速な普及に伴い、さまざまなケータイカルチャーが中高生の間で人気となりました。
特に「パケホーダイ」などの通信料定額サービスの影響で、“インターネットで遊ぶ”というハードルが低くなったことも背景にあります。
「前略プロフィール」「学校裏サイト」「mixi」「魔法のiらんど」「個人ブログ」「●●掲示板」(バンドメンバー募集・画像掲示板とか)などは、当時触れていた方も多いのではないでしょうか。
筆者は“非リア”な高校生活を送っていたため、専ら「2ちゃんねる」の住民でしたが(ROM専)、クラスの女子の大半はこのようなサイトで自らのプロフィールを作り、コミュニケーションをとっていたようでした。
(今でいうTwitterやInstagramみたいなものですね)
時を同じくして、中高生の間で流行したケータイ小説。
専門家に「小説をほとんど読んだことのない作者によって書かれ、小説をほとんど読んだことのない読者に読まれている」とも揶揄(やゆ)されるほど、当初は大人たちには全く相手にされていませんでした。
しかし、新垣結衣さん主演で映画化もされた『恋空〜切ナイ恋物語〜』を筆頭に、『赤い糸』『天使がくれたもの』『teddy bear』などいくつものケータイ小説が書籍として刊行されるやいなや、全国でベストセラーになりました。
当時、街の本屋さんでアルバイトをしていた筆者は、平積みされたさまざまなケータイ小説を、子ども連れの主婦やスーツを着たおじさんが買っていった姿を記憶しています。
●第一次ブームと第二次ブーム
さて、そんなケータイ小説には第一次ブームと第二次ブームがあることをご存じでしょうか。
現在30代以上の方々にとってのケータイ小説といえば、Yoshiさんが個人のサイト上で連載した「Deep Love」が脳裏に浮かぶかと思われます。
この小説は2000年初頭に書籍化され、大ベストセラーになりました。(学校の図書室にもあった気がする)
この「Deep Love」を第一次ブームとし、本記事では次にご紹介する「第二次ブーム」にフォーカスしていきたいと思います。
2006年以降の「第二次ブーム」を語るうえで欠かせないのが、携帯サイト「魔法のiらんど」の存在。
もともとは個人ホームページを作れる携帯サイトとして人気だった「魔法のiらんど」に、小説が投稿され、それが中高生たちの間で評判を呼び、次々と書籍化されるようになったのです。
それ以降、Chacoさんが執筆した「天使がくれたもの」を皮切りに、女性が“自らの恋愛経験”を小説の中に交えながら描く物語が、急速に世に送り出されるようになりました。
このような自らの「リアル」を前面に押し出した小説たちの中でも最も売れた小説が、美嘉さんが書いた「恋空〜切ナイ恋物語〜」。
上下巻を合わせて160万部以上の大ヒットを記録。2007年の文芸書売り上げ第1位となっています(トーハン調べ)
そんな大ヒットを連発していたケータイ小説たち。
しかしなぜ、急速にその名を聞かなくなってしまったのでしょうか。
その理由は、参考文献として挙げた速水健朗氏の指摘にもある通り、郊外在住の中高生が好む“音楽”からの影響があるのではないかと筆者は考えています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170718-00000007-it_nlab-life
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