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 Aにも罪の意識がほぼないように見える。「悪いことというか、親子なので背徳的行為をしている認識はあった」と法廷で言っていた。逮捕された当初も取り調べでこう供述。

 「娘は自分から上に乗ってきたので、私と性交していると、きっと幸せだったと思う。娘との性交には彼氏彼女のような愛があり、和姦だったので逮捕されるなんて考えたこともない。なんでこんなことになったか不思議でしょうがない」

 Aが父娘関係と夫婦関係を言い表すところによると、長女を「最愛の女性」「運命の人」、Bを「マスター(ご主人さま)とスレイブ(奴隷)」。
 ゆがんだ醜い愛情を娘に注ぎ、妻は何でも言うことをきく奴隷として扱った。

 13歳未満の児童に対する強姦事件で暴行・脅迫要件は必要とされない。性交の事実さえ認定されれば、罪と認定される。Bが撮影し、Aが保存していた動画データが有罪判決に導いた。

 「娘を犯す父親は無条件でおかしい」と普通の人なら思うところだが、Aはイメージしやすい「娘に手を出すような粗暴な父親像」とも異なる。
 それは、他の子供たちが「自分たちにも長女にも良い父親だった」と証言し、出所後はAとBを支えると約束していることでも明らかだ。