複数の関係者の話を総合すると、助教授は主演の続く事務所に一人で戻ったのは20分
ほどたってからだった。
「疲れた」と告げて、劇場関係者と握手してホテルへと戻った。
 事務所の前で、泣いている女優の姿を劇団員が見つけたのはしばらくたってからのことだ。
劇団員が尋ねると、
「私は韓国には行きません」
 とだけ告げ号泣した。劇団員が問いつめると、女優は李助教授から受けた屈辱的な行為を
劇団員らに語り始め、酒宴の場は、一瞬にして重苦しい雰囲気につつまれた。
 劇場からの通報を受けた所轄署が間もなく到着する。捜査員が女優から事情を聴き、
ミキサー室のカーペットに付着した体液などの物証を押収。宿泊先のホテルで李助教授を
逮捕したのは翌早朝だった。
 驚くことに、警察が逮捕した際、助教授は一緒に来日した韓国の女性演劇関係者と同じ
部屋に宿泊していた。劇団側は2人分の部屋を用意していたにもかかわらずにである。
助教授は強姦未遂の後、別の女性と”不倫関係”を続けていたことになるのだ。
 李助教授の身柄はその後東京地検に移送され、拘置された。