キムランド
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VIPQ2_EXTDAT: none:vvv:1000:512:----: EXT was configured 2018/11/13 最大96時間 無料ログインキャンペーン 11月13日(火)から実施! すまん、何がやりたいの?
84 名前:名無しさんの次レスにご期待下さい[] 投稿日:2018/11/13(火) 07:48:03.19 ID:x+/Q6eqx [1/5]
キレた一歩がビンタで泰平思いっきりぶっ飛んで気絶(ガードはしようとしたが間に合わず)
心臓は動いてることを確認して不良に「お前此処にいて救急車待て」と命じて一歩を連れて帰る
青木のところに逃げ込みラーメン食う、一歩「最後の晩餐」という
パンチじゃなくてビンタだからと慰めるも
「パンチかビンタかも覚えてない。元プロボクサーが我を忘れて。自首します」
ついでに作者次週休載します もう次スレ要らないって俺言ったよね?なんで言うこと聞けないの? 次スレいるかアンケートとります!!!
次スレいると思う人挙手〜〜〜〜〜〜!!!!!! >>16
毎日デイリーミッションと起動したらアイドル触れ合いやっとけば余るほど元気ドリンク貯まるぞ雑魚が >>36
あ、1/2100の希少なメギドユーザーだ また社会人無視かよ古戦場
運営がそういうことするならfallout76やBF5やるわ
https://i.imgur.com/KAGeCBi.jpg ステマ期間終わったからなのかドラガリの話題一切なかったな前スレ オッオッオワオワwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww オッオッオワオワwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww >>48
ただでさえつまんねーのにviraなしでやるとか拷問だわ オッオッオワオワwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww グラブル流石に飽きたけど趣味がなさすぎて生きてる意味わからなくなった >>44
バ、バババババトルフィールドVwwwwwwwwww
あんなゴミβ版だされたのに買ったのかよwwwww オッオッオワオワwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww >>65
なんでソシャゲからソシャゲっていう考えしかないのここのやつら
グラブルで学んだはずでは?ソシャゲはクソって 久しぶりにグラブルやったらなんか交換の素材二つになったんだな
でも二つ目の泥率悪すぎじゃね?EXやって一個とか馬鹿だろ 全体的により安く、より面白いゲームにユーザーが移動している
つまり今までの詐欺みたいなビジネスがまかり通っていた業界が少しずつ浄化されてきてる 執行猶予は無しにしたよ宣言をした後もツールぶん回してる奴は流石にアホだろ >>81
おかしいな
それならグラブルに人が集まるはずなんだが これからの覇権は人口が多く、かつお金がかからないゲーム
糞ブルはどうする? >>74
鍛えないとコンビニにすら行けなくなる貧弱ボディになるぞ >>76
普段煽ってる奴等が今はそれ所じゃなくなった説 >>87
昔はゴミブルは金がかからないゲームとして宣伝してたんだ… 誤BANだー誤BANされたー誤BANだー
木村刑務官「………」 魔王の始め方でも1周年記念に無料10連やるらしいぞ >>86
グラブルはシステムがよくわからない、友達ができない、一緒に仲良く遊べない、ストーリーが2世代前のジャンプ趣味で古い
全張り主義で個性がない、ブラウザゲー(笑)、漫画がユーザーの知能を馬鹿にしてる
ユーチューバ―がサイゲに殴り込みでもしない限り面白くなる要素がない >>66
絶望的にセンス無い奴が一生懸命練習して描いた絵って感じで好感持てる >>103
こういう画像見るたび思うけど
爪短すぎない?これが普通? あいりすみすてりあが一番気に入ったわ
戦闘くそつまんねーけど 3年もののiPhone6君、バッテリー100%から5分で5%になって草ァ!wwww このゲームなんでなにもしてないやつがbanされるんだ? >>120
俺のiphone5sですらもっと動くぞ 福原シャックス哲也だけなんとかメギド追放できない?使いたくない >>127
なんのゲームかわからない−50000000点 >>105
全然大成功と極大成功しねえよな
ほぼ無意味だわ にゃんぱすー
>>147
のんのんびよりってきららにしては面白かったな >>147
わーうまいねー^^
ほら満足したろ?あとは渋でやれ フォルテチケで引いたけど改めてどうしようもねえ性能だな >>156
セイキンってなんでまつげないの?怖いんだけど顔 >>162
こんな奴でも性欲処理に使える身体してんだな シトリーと正義どっちにエンブリオ優先したほうがいいんだ? >>154
ティアマト怖いからアイムたそに甘えるね… >>166
いやあんな弱いキャラ 愛で星6にする奴しかいねえだろ
後悔ってなんやねん
頭シャックスでキャラの強弱判断できねえのかな? 副団長ですが皆さんの団の予選ノルマを参考までに聞かせて下さい なんで勢い145のメギドスレでメギドの話しないの? >>191
シトリー
正義は最終的に水着着せておっぱい揺らすしか使い道なくなる 働いてんのにスレ6時間も見てたら他に何もできないじゃん Hボム使ったことないからよくわからん
揃ったら使ってみよ ここは一流のスレだから一流のえちえち画像しか求めてないわけ
5秒で描いたような落書きはいらないの!わかった? >>207
艦これはほんと下品だな
アズレンの上品さ見習え >>206
独り言言ってるみたいで悲しくなりそうじゃん >>212
見ながらシコってんだよ雑魚が 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:701) >>200
のんのんびよりは月刊コミックアライブだ
二度と間違えるな >>186
Hボムパの要だけど今の所刺さるボスがあまりないのがね
次の討伐ボスはウェパル接待ボスが来ると思うけど この過疎は裏でツール回して書き込んでたけど塞がれて対応に必死なんすかねぇ >>237
まず言い出しっぺのお前が持ってないじゃん もしかしてさ
新イベさ
つまんない?
つまんなくね!?
俺だけ? 最近ランク100超えた
めちゃくちゃグラブル面白い
課金40万でシヴァとウリエル引いてる
早く120超えたい よく考えると前回のゼウスバトルの仕様考えたやつやばいよな おっさんが「らんらん」とか書いてると思うと虫唾が走るわ >>247
なんで目玉出たかわかんない
前ならこんな程度でつかなかった >>267
無職「おっさんが「らんらん」とか書いてると思うと虫唾が走るわ」 グラブル面白すぎる
このスレはゴミだけどもっと人増えないかな >>249
FGOで練習するとこういう小汚く見栄えしない塗りになってしまうんだよな >>274
無職じゃないが
だいたい殆どの人間は無職じゃないしそんなレッテル効かない訳
なのに無職のレッテル貼る人って自分が無職って言ってるようなもんだよ ゼウスプリン考えた奴もヤベーし今回の新イベ考えた奴もヤベー
もしかしてさ同一人物か? >>300
おっ出たな無職。でも最近俺はね気付いたからね。
あのなんでそんなにね無職にしたがるのかって思ったんだよね。
でも普通のさあ働いてる人別になんか
あのー他に働いてる人をね無職って思ったりも言ったりもしないんだけど
それをしたがる理由って多分その人がマジ無職なんだと思う。
どうしてもなんかねあのー俺みたいなね
ただゲームしてるだけでお金貰ってる人がね許せなくて
ちょっとね叩きたくなっちゃったんだと思うから
まあ別にいいかなって最近は思っちゃった。 転載禁止(´・ω・`)どこ産かわからない豚多くて草
(´・ω・`)
/ ヽ
| | ・ ・ .| |
| | .,,;,. | |
{ii| .i.uj |リ <グラブルつかれちゃった♪
j / | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ グラブルやめないけど
スレ民やめるわ
いいよな?俺たちもう (´・ω・`)はぁ…クソゲ
(´・ω・`)いつになったらゲーム作ってくれるの? >>209
ハイドロボム速と重の二種類あって敵キャラには最大3つつけられるけど
一人のキャラがつけられるのは速・重1つずつが限界
基本は起爆が早いHボム速をつけてHボム重を誘爆させる
https://i.imgur.com/uNcJPuh.png 本家→エルメド→艦これって本格的な豚をずっと見てきたから親近感はあれど嫌悪感はないな モンストが呼んだ有名人
レジェンド タモリ 梅沢富美男
ダチョウ倶楽部 江頭 出川
etc...
オワブルは? 櫻井さんはスマブラ作ったらエアライド作ってくれるのかね >>339
(´・ω・メ)どれ、思い出させてやるか こいつ天才か?
宮城県警は12日、児童買春・ポルノ禁止法違反(提供、所持)容疑で、茨城県守谷市、小学校常勤講師の男(22)=同法違反(製造)容疑で逮捕=を追送検した。
県警によると、容疑者はゲームアプリ上で同年代の女子を装って女児らと交流。
自分の写真だと称して児童ポルノを送信し「あなたも送って」と呼びかけていたという。
容疑者のスマートフォンには、少なくとも数十人のわいせつな画像が保存されていた。
追送検容疑は7月22日、仙台市太白区の女子小学生(12)のスマホに、少女の裸の画像を送信したほか、児童ポルノを保存したスマホを所持した疑い。
児童ポルノ提供、所持疑いの小学校講師を追送検 スマホに数十人のわいせつ画像
https://www.sanspo.com/geino/news/20181112/tro18111222390011-n1.html (´・ω・`)日テレのパチンコ依存症お前らのソシャゲ依存症に似てるな >>337
やり込みすぎでは?
本スレにはもっと廃人おるんか (´・ω・`)エルメドといえばアリエルどうなったん?
(´・ω・`)CVかわったのかしら グラブルの質問失礼します。
オバロ面白いのこれ?3期方向読めないんだが 2019年版「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」に新たに選ばれた作品の舞台・モデル
福島県伊達市「政宗ダテニクル」
群馬県館林市「宇宙(そら)よりも遠い場所」
埼玉県川越市「月がきれい」
埼玉県和光市「『冴(さ)えない彼女の育てかた』シリーズ」
千葉県千葉市「『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズ」
東京都「劇場版ソードアート・オンライン―オーディナル・スケール―」
東京都台東区「三ツ星カラーズ」
東京都渋谷区「CHAOS;CHILD」
続きはWEBで
https://www.asahi.com/articles/ASLBY4TH3LBYUCLV00K.html >>376
(´・ω・`)ゾンビランドってキャラデザがかわいくないよね シナリオ つまらない
戦闘 つまらない
新コンテンツ つまらない
すまん。これBANされた奴勝ち組では? >>379
俺の手持ちだとユフィールおばさんもおける! >>395
(´・ω・`)
/ ヽ
| | ・ ・ .| |
| | .,,;,. | |
{ii| .i.uj |リ <だれだよお前
j / | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 哲也は本当は有能だよ
哲也は面白いとかつまらないという感情がないだけなんだよ
感情がないから分からないんだ 結局えっちなオーバーロードは本家に歯が立たずに爆死したな >>396
なんでキムってこんな髪の毛ペッタペタなん気持ち悪い 追い込まれた無職が生死を賭けた大勝負に挑む
世界線を超える
https://www.loserblog.net メーテラにお情けで1個使った覇業が奥義上限込みの至極MAXみたいな舐めた効果ついてイライラしてきた >>418
(´・ω・`)見た目はすごくいいんだけど声がね… マイルームの武蔵ちゃんめっちゃ喋るな(´・ω・`)
段蔵ちゃんを愛でてた(´・ω・`) >>426
|ヽ∧_
ゝ __\
||´・ω・`| > やめなよ
/  ̄ ̄ 、ヽ _______
└二⊃ |∪=| |─── /
ヽ⊃ー/ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄`´ ̄ >>412
こういうのって実際はちゃんとしたとこで働いてるんだよな
ホントの無職はこんなことしない >>441
(´・ω・`)おほー狼と香辛料好きよー >>417
弟スレって白猫と戦ってばっかでつまんねーのな 俺タワー懐かしいわ
イベごとに厳選ガチャしないと参加させないサソリ辺りまで木槌ちゃん愛でて遊んでたわ アズレンやっとd31回クリアできたけどさ
これ100パーセントまでやっても特に何もない感じ? FEZも狂信的な信者が残ってて小さな世界が確立してるしな くそ2ってまだ息してる?
それともユーザーの信頼を失ってる? (´・ω・`)Hey Kimu, your way is the wrong way eventually as... <POS>にオベ建てます。重複注意
とか意外と覚えてるもんだな キム「ぼくは大抵のこと怖いと思わないんで」
キム「こわいこわいこわいwww」 >>460
アクション部分はどう考えても猫の圧勝だと思うわ
3Dの出来も猫だし、弟が勝ってる部分って宣伝力と任天堂ブランドであることくらいじゃねーか? >>458
家具貰った?それで終わり
星埋め報酬はB3でいい (´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`) プリコネ15-14のボス倒せない
強すぎだろこいつ >>479
スキップチケットなかった?
白猫は無かったはず >>491
(´・ω・`)こないだ劣化したデレマス声優達のコスプレ見て悲しくなったわ >>487
家具はもらえてない
100パーセントにしないとダメなんかな お前らに政治の話とか無理だろ
出来るのは嫌儲あたりで聞き齧ったアジ演説的な書き込みくらいだろ >>485
歩兵ジャイやってたら味方チャットからスゲー罵声飛んできた (´・ω・`)FGO味のからあげくん売り切れてたんだけど? アズレン編成してないレベル101アキリーズいるのに委託のおまかせで出てこないんだけどなんで? 白猫は年食ってるけど弟は若い上に長生きできる後ろ盾いるじゃん
この時点で圧倒的アドバンテージ取られてるよ (´・ω・`)お嬢ちゃん。おまんこ舐めさせてくれるかな?
(´・ω・`)豚がいうと犯罪臭消えるよね? >>502
人間不信になってしまいで草
お前のせいで何人が人間不信になったと思ってるのか >>522
(´・ω・`)そういう時はグラブルやろう! ドラガリやってる奴おるんか?操作性ゴミじゃなかったっけ?キャラもキモいし。マジ? >>512
家具ってもらったら快適度とか上がる奴なの?
意味ないなら無理して取りに行くつもりないんだけど >>499
スキチケがあるゲームで
あんなにスキチケ絞ってるゲームも珍しいと思ったわ
まあ確かにスキチケの有無という点では猫に勝ってるのか 「心霊写真」
師匠から聞いた話だ。
大学二回生の春だった。
僕はその日、バイト先である興信所に朝から呼ばれ、掃除と電話番をしていた。
掃除は鼻歌をうたっている間に終わり、あとは電話番という不確かな仕事だけが残った。
窓の方に目をやると、『小川調査事務所』と書いてあるシールがガラスに張り付いている。
もちろん外から見てそう見えるように書いてあるので、こちら側からは左右が反転している。
何度目かの欠伸をした。
ぽかぽかした陽気に、昼前の気だるい気分。待てども一向に鳴らない電話。
いったい自分がなにをしにここへ来ているのか、だんだんと分からなくなってくる。
デスクには僕の他に二人の人間が座っている。
一人はアルバイトの服部さんという二十代半ばの先輩で、この興信所では小川所長の右腕的な存在だ。
もう一人は同じくアルバイトの加奈子さんという、服部さんと同年輩の女性で、
僕をこの興信所でバイトさせている張本人だった。
オカルト全般に強く、霊視のようなことも出来るので、
この業界では『オバケ』と呼ばれる不可解な事案専門の調査員をしている。 イヤアアアアアアアア豚がいるううううううううう
なんで豚がいるのおおおおおおおおおおおおおおお 僕のオカルト道の師匠でもあるところの彼女は、今日は非番だったはずだが、なぜかふらりと事務所に顔を出して、
「暇で楽なバイトだろう」と僕をからかっていたかと思うと、
自分のデスクに腰を据えて、読みかけの雑誌をつぶさに読み始めていた。
服部さんの方は、朝から市内で調査が入っていたはずなのだが、もう終わったのか、帰って来るなり無言で席に着き、
それからずっとカタカタとワープロのキーを一定のリズムで叩き続けている。
小川所長からは「留守電が壊れてるし、午前中誰もいなくなるから、頼むよ」と言われてやって来たのに、
これでは電話番など必要なかったではないか。
そもそも電話の一本も掛かってこないのだ。
実に街は今日も平和だ。いいことだ。
探偵家業にはつらいことだろうが、僕には何の関係もなかった。
服部さんは無口で、話しかけられない限り自分から口を開くことはないし、
いや、話しかけられても、なにもなかったかのように無視することさえあるし、
師匠の方は服部さんのことが嫌いらしく、一緒にいると同じように黙り込むことが多かった。 平和だ。
実に。
暇つぶしに自分の名刺でトランプタワーのようなものを拵えようと何度目かのチャレンジをしている時、
何の前触れもなくドアが開いた。
「小川さん、いるか」
この陽気だというのに、季節はずれのコートを身に着けた三十歳前後の男が、戸口に立って荒い息をしている。
その様子に僕は違和感を覚える。
格好のことではない。
確かにハンチング帽などかぶり、この部屋の誰よりも探偵じみた格好ではあったが、そのことではないのだ。
本当に何の前触れもなくドアは開いた。つまり階段を上ってくる足音がしなかった。
この小川調査事務所の入る雑居ビルは、家賃相応の“たてつけ”をしているのに。
つまりそのたてつけを補って余りあるほど、完全に足音を殺していたということだ。
なのに、この目の前の男はまるで階段を二足飛ばしで駆け上がってきたばかりのように、苦しそうに肩で息をしている。
この不一致が違和感の正体だった。 __,,,,,......,,,,_. | _|_ |_L /
、ヽ`:::::::::::::::::::::::``丶、 | _|  ̄| _ノ (
. ..:'::::::::::::_,,.、、 -‐‐- .,::::::::\ レ(__ノ\ | \
/::::::::、ヽ` ヽ:::::::ヽ
. /:::/:Y⌒:., ゚:,:::::゚, ,―┴┐ −/─ ─┼─ | ヽ
.,゙:::,:ヘ{:::::::ノ / 人 ヽ,::::::, ヽ| 三l_ / __| ヽ ゝ | |
{ど,γiγ''寸/ / /, γvぅ:┐ ノ| '又 ' (___ノ\ ヽ_ ヽ/
┌x、「~゚__,,ノ」 / /, j,,人厂i _ -, -──‐-、
〉::{::::ゝ'う / \ i |:〈 / /: : : : : : : : : \.
从_人「∨ / ゚, ,:|;ノ / ' ___: : : : : : : : : ヽ
゚, i ┬...┬ ┬..┬ l/ /:::::::::::::, '´ ゙̄ヽ: : : : : '.
, l ,゙ .乂;;ノ 乂;ノ/ '´ |::::::::::::::{:::::::::::::::}: : : : : :|
i :l ′o゚ r‐'了 |:::::::::::::: 、::::::::::ノ: : : : : :|
| l:ト .,,_ c-っ |::::::| ∨:::::::: '´ ̄: : : : : : : :/
| |l /::`Yう--‐ヘ_::::\__ \'´ : : : : : : : : : : /
 ̄¨''¬ー- 、 _____, '´ 「所長は留守をしていますが」
僕がとっさにそう答えると、男は油断のない動きで室内に入り込み、
デスクの影や来客用のパーティションの向こうに誰もいないことを確認すると、
それまで小刻みだった息をようやくひとつにまとめて、「そうか、留守か」と言った。落胆した様子だった。
「所長の友だちか。それとも小川調査事務所への用か」
加奈子さんが雑誌を置きながらそう訊ねると、
男は「まぶしいな。ブラインドを閉めてくれ」と言って、顔をしかめて見せた。
いったいどこの地底から来た人間なのか分からないが、とりあえず言うとおりにすると、
少し薄暗くなった室内で男は苦しそうに顔を歪めながら、
「小川さんに、田村が、いや田村の弟が会いたがっていると伝えてくれ」と言った。
そうして、「他の誰にもこのことを言うな。分かったな」と付け加えた。
余裕のない口ぶりだった。
「所長はどこに行けばあんたに会えるんだ」と加奈子さんが訊くと、
男は顔を強張らせながら「いきつけのバーでもつくっておけばよかったな」と言ったあと、もごもごと口ごもり、
「やっぱり忘れてくれ。さっき言ったことも、全部だ。俺はここに来なかった」と宣言した。
そうして入ってきたばかりのドアの方へ向かおうとする。
足を引きずっているように見えた。その靴の先が、赤い線を引いている。
血だ。 ねえねえ豚ってクソゲにしか現れないんでしょ?
つまりどういうこと? ドラガリは面白い
そう思い込んだ奴だけが続けてるイメージ
アクションも3Dも酷いもんだろ そう思った瞬間、男はつんのめるようにして転がった。そうなる可能性のある電気コードはまだその先だというのに。
どすん、という音がする。
「おい、大丈夫か」
師匠が駆け寄る。
抱き起こそうとすると、男はうめき声を上げた。師匠はコートの裾をつかんで広げた。
シャツのわき腹のあたりに生地が切れた箇所があり、そこから血がにじみ出ていた。
「救急車」
師匠が端的に僕に指示を飛ばす。
すぐにデスクの上の電話に手を伸ばそうとしたが、「待て」という鋭い声に止められた。
「待ってくれ」
男はコートで傷口を隠しながら言う。
「救急車はだめだ」
「だめな救急車じゃないのを寄越すよう言ってやるよ」
「頼む」
血の気が失せて震えている唇で、男はそう懇願した。
師匠は返事の代わりに、「所長の友だちなのか、客なのか」とさっきと同じことを訊ねた。
「迷惑をかけてばかりだ。どっちでもない」
男は立ち上がろうとした。 >>544
ありがとそれならいいわ
もっとキャラ育てて次のイベはとるわ 「今、外へ出ると一階まで転がり落ちるぞ」
師匠はそう言って僕に目配せをし、男をおしとどめる役をバトンタッチするや、デスクの受話器を取り上げた。
1・1・9
ではなかった。
もっと長い。市内局番から始まっている。
相手が電話に出た途端、師匠はいきなり声色を変えて喋り始めた。
「わたし。ごめん。ヘタうった。腹のあたり、ナイフで刺された。抜けてる。うん。はやく来て。お願い。
救急車はだめ。絶対。友だちが間違って刺したから、事件にしたくない。ボストンの上の事務所」
受話器を置いた瞬間、さっきまでの苦しそうな声とは打って変わってあっけらかんとした声で言う。
「去年、市内の救急車の平均到着時間は七分半だったってよ。さあどのぐらいで来るでしょうか」
男はその師匠の様子を見ながら、ほっとしたように力を抜いた。その瞬間にまた痛みに襲われたのか、顔をしかめる。 みんなグラブル楽しんでる
植田佳奈@uedakana
11月10日
こんな日曜日の朝早くから、市来氏が、スタンプしてワンパンして去っていった。
ありがとう。
おかげでアルベールの信頼度がMAXになったよ
https://pbs.twimg.com/media/DrrQB3wUwAALSQ2.jpg 僕は来客用のソファに男の身体を横たえ、師匠の指示でそのまま湯を沸かしにかかる。
師匠の方は雑巾を片手にドアの外に出て、床を拭いている。どうやら男の血を拭き取っているらしい。
そのまま下まで降りて、戻ってきた時、同時に階段を駆け上って来る足音が聞えてきた。
「ちょっと、大丈夫なの」
大きな救急箱を抱えた女性が事務所の中に飛び込んできた。年齢は五十歳くらい。肩と言わず、全身で息をしている。
その横で師匠が、パン、と顔の前で手のひらを打ち、「ごめん」と謝った。
事務所の時計の針を見ると、電話を切ってから十分あまりが経っていた。
「ほんとごめん、って」
「話しかけないで。手元が狂うから」
女性は謝る、というより半ば邪魔している師匠をあしらいながら、テキパキとした動きで男の傷口を処置していった。
後で聞いたところによると、野村さん、という名前の看護婦らしい。
以前ある病院に入院していた師匠の看護をして以来の腐れ縁で、今でも交流が続いているそうだ。
いつも無茶ばかりする、自分の娘のような年の師匠を心配してあれこれと世話をやいてくれるのを、
当の師匠の方は狡猾に利用しているようだった。 >>479
BGM、マップ、オブジェクトで弟の勝ち
オワネコはマジで無能が作ってるから移動の際にキャラが引っ掛かるもの大量に配置してある
しかも負荷考えずに背景やゴテゴテしたエフェクト多用するから無駄に重くなってる 夜勤明けのところを叩き起こされたことに目をつぶるとしても、今回の出来事はさすがに迷惑の度を越えていたのか、
真っ青な顔をして、それでもするべきことはしてくれた。
男も無言でされるがままになっている。
応急処置を終え、肩をいからせながら野村さんは立ち上がった。
なにか説明をしようとする師匠の口をふさぐようにして捲くし立てる。
「なにも聞きたくない。どうせろくでもないことに決まってるから!
傷は深くない。血管をそれてて出血も多くない。この程度で貧血になるなんて、普段から栄養が足りてない証拠!
あと寝不足ならちゃんと寝なさい。以上!」
救急箱を乱暴に持ち上げて、野村さんはあっという間もなくドアの方へ向かった。
そしてくるりと振り返ると、
「その傷は縫合がいるから、なるべく早く正規の手順で医者に掛かりなさい。
あと、私はここに来なかった!いいわね」
と言ってから、出て行った。 Gガイジ
Bババア
Fフェミまん
つまりあきのマン汁味だぞ >>570
日曜の朝からとか...
こいつ煽ってるな? 野村看護婦が去って行った事務所のドアを見つめながら、師匠は苦笑して言った。
「やたらと人がここに来なかったことになるな」
そうして腹に包帯を巻かれた男を見る。
男の顔はうっすらと無精ひげが生え、目元にはクマがあった。
腹の傷がなくても倒れそうなほど疲労しているように見えた。
それでも顔を上げ、僕らの方を見ながら口を開いた。
「小川さんのところの調査員か」
「バイトだよ。こいつはその助手」
「そうか」
ソファに身体を横たえたまま、男は天井を仰いだ。
「金じゃなく、人を使えるやつは、いい探偵だ」
ぼそりとそう言うのを無視して、師匠は男を詰問する。
「あんた所長の情報屋か」
それを聞いて、くっくっく、と男は笑う。
「ルポライターだ。売文屋と言ってもらってもいい」
「ようするに情報屋だろう。所長に用なら、出直したらどうだ。とっとと病院へ行け」
「小川さんには世話になったよ。いや、迷惑のかけどおしだった」
「迷惑だと思ってるなら、もう出てってくれないか」
「あの人は凄い探偵だ。あの人と、兄貴のコンビには誰もかなわかった。本当に。いつだってかっこよかった。 >>571
マジか…
行けそうなら100パーセント狙ってみる やっぱ筋トレが1番いい
自重なら手軽にできるし
そこそこ時間潰せる
何よりデブガリの自分とおさらばできる
自信もって前に進めるぞ 高谷さんのお嬢さんが、あんなことになるまでは……」
男の言葉は途中からうわ言のようになり、だんだんと何を言っているのか分からなくなった。
ギシリ。
僕がデスクの椅子に腰掛けた瞬間、男の目が開いた。
「もう一人は?」
そう言いながら身を起こす。一瞬、痛そうなそぶり。
「もう一人の男は?」
繰り返して訊かれ、師匠は服部さんのいなくなったデスクに目をやる。
「面倒ごとの匂いを嗅ぎつけて、さっさと帰ったよ」
デスクの上には、完成した報告書の束があった。
「タレ込む気か」
男は唸るような声を出してソファから立ち上がった。
「おい。落ち着けよ。そんなわけないから」と言う師匠の声にも耳を貸さずに、男は喚く。
「看護婦はいい。だが、あの男はだめだ」
「救急車の次くらいにか」
師匠の軽口に舌打ちをして、男は壁にかけておいたコートに手を伸ばす。
「興信所の人間は信用できん」
「こちら、良く分かってらっしゃる」
おほほ、と口元に手をやって笑う師匠を睨みつけると、男は手早くコートを身につけ、ハンチング帽を目深にかぶった。
「おっと、本当に礼も言わずに帰る気か」
師匠が行く手に立ちふさがる。
男はドン、と肩で師匠にぶつかりながら言った。
「ありがとよ、バイトのお嬢さん」
そうしてその脇をすり抜けながら、ふらつく足元のままドアの向こうへ消えて行った。 白猫ってあいぽん5sで普通に動いてたけど
ドラガリもあいぽん5sで動くの? そんなことがあった以外は、じつに平和に時間は過ぎた。
僕と師匠はさっきの出来事をぽつぽつと話題にしながら、お茶などを飲んでいた。
やがて時計の針が正午を過ぎるころ、小川所長が帰ってきた。
「あれ、なにかあった?」
ネクタイを首から外しながら、ひくひくと鼻を動かしている。
そう言われて僕も真似をすると、消毒に使ったアルコールの匂いが部屋に残っていることが分かった。
「血の匂いがするよ」
それは気づかなかった。知っていたはずの僕でさえ。
師匠がさっきの出来事をかいつまんで説明する。所長は難しい顔をして聞いていた。
「田村か」
聞き終わったあと、ぼそりと言った。深い溜め息までついている。
「情報屋なのか」
師匠がそう訊くと、所長はあいまいに頷いた。
「七つ上の兄がいてな。その兄は優秀な情報屋だった。僕も色々と助けてもらったよ。だけど四年前に死んだんだ」
デスクの上に腰掛けながら、灰皿を引き寄せて煙草に火をつける。
「自動車事故だったな。確か。早すぎる。惜しい人を亡くした」
煙がわっかになって飛んでいく。 フクスマゲエジの趣味
師匠シリーズ
深く考えないで子作りしてそうな歌詞の歌 「優秀な兄に憧れるばかりだった弟は、自分の中でその死を乗り越えられず、一番安直な道を選んだ。
ようするに跡を継ごうと決意した。
努力は認めるよ。僕でもしり込みするようなトコロへ揚々と乗り込んでいく勇気も。だけどそれだけだった。
センスがないと言えばそれまでだが……
首根っこ引っつかんででも、別の道を進ませる甲斐性が僕にあれば、
今ごろはもっとまっとうな人間になっていただろうけど」
子どものことをさも知ったように語る保護者のような口ぶりだった。
なんだか掬われない気がして、僕は言ってやりたくなった。
『あの人は、ただ優秀な兄貴に憧れたんじゃなく、あなたと組んで輝いていた兄貴に憧れたんだ』と。
黙ったままじっと見ていると、小川所長は灰を落として僕らの方に顔を向けた。
「田村がどんな危ないヤマに首を突っ込んだのか知らないけど、君たちはもう関わるな」
言われなくても。
「薄暗いな」
所長がそう言って初めて、僕は窓のブラインドを下ろしたままだったのに気づいた。 エクストラよくわからんけど二秒で殺されたからやめた 適当にプログラムとかでこのスレ保守してあげたらシノガイジは一生このスレに書き込み続けるんだろうなと思うと
なんか可哀想になってきた 立ち上がろうとした時、電話が鳴った。
「はい、小川調査事務所」
所長が近くの受話器を取った。朝から電話番をしていて、今日初めての電話を僕は取れなかったことになる。
師匠もそう言いたげに笑っている。
「あ、これはどうも。え?そうですよ。今帰ったところです。怖いなあ。見てたんですか」
口調は軽いが、所長の言葉が緊張を帯びている。
それに気づいて僕は、虫の知らせのようなものを感じてギクリとした。
「田村?知りませんねえ。ここしばらくは見てないですよ。あいつなにかやったんですか」
所長はそう言いながら、電話機を持ち上げてスルスルとケーブルを引きずりながら窓際に向かった。
「え?ですから見ませんって。本当です。匿うって、そんな、松浦さん」
所長はブラインドを上げて、窓をそっとすかせた。
気持ちのよい風が、アルコールや血の匂いの充満した室内に入り込んでくる。竿竹売りの声が聞える。 ドラガリやってるけど、最近はデイリーだけやってる
単調なアクションってクリゲーより苦痛 松浦。
僕はその名前に聞き覚えがあった。ヤクザの名前だ。
小川調査事務所は『まっとうな』興信所だが、こういう業界にはどうしても暴力団の影がちらついている。
単純に金主筋、というわけでなくても、多かれ少なかれそうした反社会的組織の影響はあるのだろう。
アンダーグランドな調査であればあるほど。
師匠の顔も強張っている。
師匠は異常なほどのヤクザ嫌いだ。本人に面と向かってもそう断言するほど嫌いなので、僕は気が気ではなかった。
「すみませんね。お役に立てなくて。いえいえ。もし見かけたら、一報しますよ。それじゃ」
所長は電話を切るや否や、僕らに向かって「早く逃げろ」と言った。
「え?」と、うろたえる僕を師匠は小突いて、「行くぞ」と言う。
「電話口から竿竹屋の声がした。近くから掛けてる。くそ、田村の野郎やっかいごとを」
僕と師匠が連れ立って事務所のドアを出て、階段を駆け下りていると、同じくらいの勢いで駆け上って来る一団があった。
「はいはい。ストップ」
見るからに堅気の人間ではございません、と主張するような服装をした数人の男たちだった。
「あがって、あがって」
長めの髪の毛を茶色に染め、ど派手な紫のジャケットを着た先頭の男が、身振りを交えてそう言う。 チンピラ風だが、後方の連中はもっと本格的な暴力団スタイルをしていた。
思わずその場で硬直していると、
「あがれって、言ってるでしょ」と茶髪の男が、ニッコリとえびすのように目を細めて僕の腹に拳を置いた。
そっと、触れるか触れないか、という軽い拳だったが、僕は未知の暴力への恐怖に背筋が凍った。
「わかったかい。わかったら、もう一回わかれ」
どぶん。
腹に重いものが落ちてきた。一瞬で息が詰まる。
「さあさあ。後ろがつかえてるんだから。早くあがってあがって」
殴られた。殴られた。
僕の頭の中は混乱の嵐だった。
忌々しそうにしながらもしぶしぶ元きた階段を上り始める師匠を見て、何も考えずに付き従う。
戻ってきた僕らと、その後ろからゾロゾロと現れた男たちを見て、小川さんは顔を覆った。
「ごめん」
謝る師匠に、「いや、ごめんはこっちだ」と小川さんは力なく返した。
ドアから次々と入ってくる男たちの最後に、一際地味な格好をした男が入ってきた。
黒いダブルのスーツだったが、他の男たちほど胸元を広げておらず、下のシャツも白の無地で、
ネックレスの類も身につけていなかった。 >>595
これ特定できそうじゃね?
何1丁目なんだ 今期シェロ畜がメインヒロインやってるけど違和感やばいな
もうキワモノ系に絞って生きていってほしい エルキドゥ以外のクリアファイル手に入れました
男はいりません さすがにネクタイこそしていなかったが、髪型もパンチなどではなく、控えめな長さのオールバックだった。
そして黒縁の眼鏡をしている。
この小川調査事務所がらみで、何度か見たことがある男だ。確か『石田組』という名前の暴力団の男。
その中でも、普通に街で遊んでいるだけではそうそうお目にかかれない、真に暗い場所に生息している人間だった。
「松浦さん、これはなんだ」
所長がその男に鋭い口調で言う。
「電話で言ったとおりだ。田村を探している」
「こちらも電話で言ったとおりだ。ここしばらく見ていない」
言い返した所長に、茶髪の男が喚き声を上げる。
アニキになんて口ききやがる。
そう言ったのだろうが、あまりに頭の悪そうなドスの利かせ方をして、ほとんど何を言っているのか分からない。
「小川さん。あなたが知らなくてもこちらは一向に構わない。
この事務所は、田村と何の関係もない。それが分かればいいんです」
松浦というヤクザは顎をしゃくって見せた。確か石田組の若頭補佐という役職だったはずだ。
男たちが室内に散る。台所やトイレ、ロッカー。
人間一人隠せる場所など限られている。あっという間に男たちは手持ち無沙汰になった。
「いないのは間違いないようですね。では彼について知っていることをお訊きしましょうか」
そうして、松浦は僕と師匠とに交互に目をやった。 えみりんの瞳に映ってる景色で特定できるだろ
島ハードみたいに 「松浦さん、それはだめだ」
所長は今日一番の低い声を出した。そしてじっと相手の目を見つめる。
「だからてめえはだれにくちきいてんだっつってんだ」
茶髪が頭を上下に振りながら一歩前に出た。そのそばにいたゴリラのような顔の背の高い黒服がそれを押しとどめる。
その時、僕にもう少し余裕があったなら、よく聞く『良い警官と悪い警官』の話のように、
乱暴な若者と、それをなだめて穏やかに話を訊き出すベテランの、
それぞれの役割をこの場でも演じていると感じたかも知れない。
それにしても、茶髪の若者は一番チャラい格好をしていて、本職というよりは街のチンピラのようで、
どちらかというと、あのゴリラ顔の男の方に『悪い警官』役をやられると、僕の心臓はもっと縮み上がったに違いない。
「話をややこしくするな」
ゴリラ顔の男は茶髪の頭を小突いた。小突かれた方は恨めしそうにしている。
「そう。話はシンプルに行きましょう。田村は来たのか、来なかったのか」
松浦はそう言って、時計を見た。ゴツイ時計だ。
どうせオメガだかロレックスだとか言う名前で、
無駄にダイアモンドを散りばめて、精密時計並に値を吊り上げた不精密時計なのだろう。 >>607
メギドならデイリーとかないぞ!よくそんな事しとるな。ヒマなんか? 「あまり長居もしてらないのでね。あと三分半くらいでお願いします」
それは、僕らが口を割るまでの時間なのか、それとも割らせるまでの時間なのか気になった。
あの田村という男にはなんの義理立てもないので、ゲロするのに全くやぶさかではなかったのだが、
一度「知らない」と答えている小川さんの立場がどうなるのか、それだけが気になって僕はなにも言い出せないでいた。
師匠と目配せしようにも、その不自然な動きだけであっという間にとっつかまって拷問を受けそうな気がしてならない。
「来ましたよ。来ました」
小川さんは白旗、という風に両手を上げた。
茶髪の男がまたなにか喚いて、ゴリラ男に肩を押さえつけられている。
「話はシンプルにお願いします」
松浦は静かにそう言った。
「私が留守の時に、私を訪ねてきたようです。一時間半くらい前です」
そうして小川さんは淡々と事実の説明をした。
バイトの調査員をやっかいごとに巻き込ませたくない一心で『知らない』とウソをついたことまで。 「あら、こんな所にお菓子の材料屋さん。少し見ていこうかしら」
「いらっしゃいませー」
「えっとそれじゃあ、卵をください」
「ないです」
「あ、ない。じゃあ牛乳を」
「ないです」
「小麦粉」
「ない」 ほぼすべて事実だった。だが事実のすべてではなかった。
野村看護師の出番は、師匠の見よう見まねの応急処置にとって代わられた。
一応は手伝っていたので、なまじウソでもない。これ以上無関係の人間を関わらせたくないからだろう。
「なかなか、分かりやすい話でした」
松浦はカツカツと、顔が写りそうなほど磨かれた革靴の音を響かせながら、窓際にある小川所長のデスクに腰を乗せた。
デスクの上には、本来のそのデスクの電話機とは別のものが、ケーブルをずるずると延ばして乗っかっている。
松浦は事務所の主に断りも入れず、その受話器を持ち上げると電話を掛け始めた。
「私だ。情報は?」
そう言った後、じっと聞き役に回っていたかと思うと、「頼むよ」と一言いって受話器を置いた。
最後の言葉は、字面からは想像もつかないほど寒気のするような響きだった。頼まれた相手もきっとそう思っただろう。
他のヤクザたちは乱暴にさっきの所長の言葉の裏づけを取っている。
つまり、血をぬぐったガーゼや消毒液の染み込んだコットンをゴミ箱から見つけては、無造作にそれを床に投げていくのだ。
他人の家の床が汚れることなんて屁とも思っていないらしい。
「彼の怪我はどうでしたか」
松浦が師匠に声を掛けた。 田村を介抱したことになっている師匠は、
今まで一言も発しなかったのが自らの戒めであったかのように、その禁を破って静かに言った。
「致命傷ではなかった。自分で立って歩いて帰れるくらいの怪我だ。だけど疲労困憊って感じで、声もかすれ気味だった」
答え自体は簡潔なものだった。しかしその口調は、デリケートな相手に対してするべきものではなかった。
案の定、茶髪が口の利き方がどうだとか言って吼えている。
そのころになると、ようやく僕もこのひと騒動が無事に終わりそうな気配を感じて、
浮き足立っていた足も地に着き、周囲を観察する余裕が出てきていた。
部屋にいるヤクザは全部で五人。
若頭補佐の松浦という男は三十台後半くらいで、後は一人だけかなり年嵩の眠そうな顔の男がいたが、他はもっと若い。
中でも茶髪の男は二十代前半だろう。
そして全員の胸元を見てみたが、よく耳にするような金バッジはつけていなかった。 植田はキムのチンポケースになりたくてしょうがないようだな
シャドバでかなり仕事貰えたらから味を占めたか 師匠シリーズクッソつまらないグラブル以下だからやめろ だからといってこいつらがヤクザではないのかも知れない、などという希望的観測はさらさら湧いてこなかったのであるが。
「あの怪我は、刃物の傷だ。どこでどうやってついたのやら」
師匠がさらに挑発するように言う。
松浦はずい、と上半身を乗り出した。
「ちょっとした勘違いがありましてね。
田村はうちの若いのと一瞬もみ合いの様な形になったらしくて、その時お互いが怪我をしたようなんです。
まあよくある間違いですよ。お互い様というやつです。
ビジネスの話が途中だったので、
そんなことは水に流してさあもう一度話し合いを、というところで彼の行方が分からなくなりましてね。
困ってるんです」
松浦がそう言った。
「お互いが怪我?」
師匠は眉をひそめて、宙に視線を漂わせる。
僕もその意図を悟って、師匠の視線の先に意識を集中した。
田村はあれだけの大怪我をしていて、なお追われている。
そのわざわざ口にしたもみ合いが本当なら、相手はただの怪我ではないのではないか。そう思ったのだ。
だが、僕がどれほど目を凝らしても、彼らの周囲に真新しい死の影は見当たらなかった。
「そのもみ合った若いのっては、死んではいないみたいだな」
師匠はぼそりと言う。 松浦は怪訝な顔をしたが、すぐになにか気づいた表情を浮かべて笑った。
「聞いたことがありましたよ。『オバケ』専門の探偵さん。あなたでしたか。いやいやこんなにお若いとは」
他のヤクザたちは狐につままれたような顔をしている。
「私は、こんな商売をしていると自然と敵が多くなりましてね。そのせいか、努力が全く報われないことが多いんですよ。
同業者には占い師なんかに血道を上げて、
その努力が努力の通り報われるようなご助言をいただこう、という連中もいます。
しかし、私はどうもそういうのが嫌いでねえ」
松浦が目を細めた。
今までは、ただ自分の役割を演じていただけの男が、一瞬で脱皮し、蛇のような冷たい本性を現したかのようだった。
「うそは、いけません。うそは。
うそは簡単に人を幸せにしますが、見破られたときの不幸は、周囲のすべてを巻き込みます。
霊能力者と名乗る連中も同じですよ。
テレビであれだけ騒がれても、うそが暴露され、さらし者になる。
一番不幸なのは、そいつらを信じて身代を投げ打った無辜の民です。
なのにまた、前任者のさらし首が乾かないうちに、次の霊能者がブラウン管を賑わせる」
ひたひた、という滑らかな口調で松浦は続ける。
「あなたがそんなうそを言う人間でなければいいが。心からそう願ってやみません」
松浦は腰掛けていたデスクから降り、師匠の前に歩み寄った。
そして手を伸ばせば触れるか触れないかという距離で立ち止まると、口を開いた。
「私は、占い師や霊能者を名乗る者に出会うと、必ずこう訊くようにしています。
『私には誰か守護霊がついて見守ってくれてはいませんか』と。 アズレンのEXやばくね?
腕試しだから特に報酬ないけど
こんなん勝てるんか 俺たちの精神年齢は中学生くらいで止まってるから大体の美少女キャラは姉だよ 彼らは一瞬困ったような顔をした後、こう言います。
『お母様が守護霊としてついていてくださいますよ』と。
あるいはこうです。
『お父様が見守ってくれていますよ』と」
松浦は師匠の顔を正面からじっと見つめている。
師匠もその視線をそらさず、真っ向から見つめ返している。
「私の年齢ならば、父や母はまだ生きている可能性は十分ある。生きていたとしたらその時点でペテンだと露呈します。
なのに、安全に祖父や祖母の話を持ち出さなかったのは、彼らもまたある種のプロフェッショナルだということです。
ホットリーディング、と言うんですか。
顧客の情報を事前に可能な限り仕入れておいて、さも今霊視しているように演じる、あれです。
この私どもの業界は、人の口には戸を立てられない、というのを地で行く典型的な噂社会でしてね。
ちょっと知ってる風の三下にそれなりのものを掴ませれば、簡単に聴けるんですよ。
私の父が本家、立光会の先代だってことや、母はその何人目かの愛人で、
私は中学校を卒業するまでは私生児として育てられたってことをね。
そしてどちらももう死んでいて、この世にいないことも」
表情を全く変えずに、松浦は師匠に問い掛けた。
「公然の秘密というやつです。それを踏まえた上で、あなたにも問いたい。
『私には誰か守護霊がついて見守ってくれてはいませんか』と」 植田はCA社長と楽しく麻雀やってるから
村の真の仲間だぞ さっきまでのヤバさと全く次元の違うヤバさだ。
ひしひしとそれを感じる。
同じような感触を得ているであろう他のヤクザどもも、緊張した面持ちで動けないでいる。
松浦の満足するような答えが返ってこなかった場合、いったいどうなるのか。
想像するなと言われても、想像しようとしてしまう自分がいる。
「さあ。どうです」
これが最後の問いだ、と言わんばかりに松浦は口を引き結んだ。
能面のような顔だ。ふと僕はそう思った。
師匠がゆっくりと口を開く。
「いないね。誰も。あんたの後ろにあるのは虚無だ」
めんどくさそうに言って、鼻で笑った。
松浦は一瞬、呆けたような顔をして、それからゆるやかにまた脱皮をし、元の蛇のような表情に戻った。
師匠がぼそりと言う。
「霊の話をしてると、寄って来るって言うだろう。来てるよ、ほら」
師匠が窓の方を見た瞬間に、松浦もまたそちらを見た。
そして窓から目を逸らすと、二人で見詰め合った。驚いたような顔だった。 布団にすまきになっている俺の彼女を寝バックで犯したら大変なことになった
作者:みざ
俺、雄太のここ最近の人生は、順風満帆と言っても差し支えが無かっただろう。
理由としてはやはり、幼馴染の恵美から告白された事が大きいだろうか
恵美は道を歩けばすれ違う男が大抵チラチラ見るほどの美人だった。
彼女には妹が居る。1つ下の妹である志穂だ。
顔立ちもとても似ていて美人。声もよく似ていて、恵美に告白して振られてすぐに志穂に告白する、といった不届き者すらいる程だ。
姉の恵美と仲がとてもよく、ここら辺では才色兼備と有名な美人姉妹である >>607
ポチポチで終わらない分それがそのままダルいんだよな… シノガイジって平日昼間もいるの?
俺仕事してるからわかんねえや しようもない手口で脅かされた松浦の方は、顔を真っ赤にしてもおかしくない場面なのに。
不思議な沈黙が流れて、僕らは息が詰まった。
誰も動かない状況を破ったのは、ふいに鳴った電話だった。
取ろうとした小川所長を目で制し、松浦はそのまま年嵩の男に目配せする。男はすっと動いて受話器に手を伸ばした。
「はい。小川調査事務所」
抑揚のない声でそう告げると、電話の向こうは関係者からだったらしく、松浦の方に向き直って受話器を下げ、
「見つけたそうです」と簡潔に報告した。
「分かった。お前ら先に行け」
松浦がそう言うと、年嵩の男、ゴリラ男、そしてもう一人長い顔をしたパンチパーマの男が頭を下げて部屋から出て行った。
後には、小川調査事務所の三人と、松浦、そして茶髪の男が残された。
表でベンツだかBMWだかの車のエンジンが重低音を響かせたかと思うと、その音があっという間に遠くなっていった。 えみりん大した役もらってないのに媚びんなよ
グラブル声優としての自覚を持って欲しい 00:08:10.17 ID:rJTPBnmH0
残った茶髪の男は松浦付きの運転手なのだろう。
さっきから何が楽しいのかニヤニヤと無意味に笑っている。本当に頭の悪そうな顔だ。
僕はさっき殴られた腹が急に痛み出し、二対三という数字上の優位をたてに軽く睨みつけてやった。
茶髪はその視線に気づいて、からかうように顔をしかめてみせている。そしてまたヘラヘラと笑う。
「で、捕まった田村はこのあとどうなるんだ」
師匠がなんでもないことのようにそう問い掛けると、
これまで師匠に任せようとばかり沈黙を貫いていた小川所長が、「おい」とたしなめる。
「そちらには関係ありませんよ」
つまらなそうにそう言って、近くにあったティッシュで鼻をかんだ。
しかし目的は達成したとはずだというのに、すぐに去ろうとしないのは、
なにかまだ言い足りないことでもあるのに違いなかった。
師匠は距離感を図ろうともせずに、さらに懐へ飛び込む。
「あいつはなんで追われてたんだ」
そう問うと、松浦はティッシュをゴミ箱に投げ入れた。狙いは外れなかった。
「……そうですね。株式会社角南建設。知ってますかね」
急に僕でも知っている中大手ゼネコンの名前が出てきて少し驚いた。 シノガイジはいつ見てもいるよ
精神障害シャドバだからこのスレにいることが仕事だと思い込んてる >>576
ドラガリBGM幼稚臭いよね
お子様ゲーム この市内に本社を構えていて、地元ではトップ企業の一つだ。よくテレビCMを目にする。
「そこの今の会長は創業者一族の重鎮でしてね、角南盛高(すなみもりたか)。御年七十一歳。
そしてその兄が、一族の現当主にして県議会議員の角南総一郎。御年七十三歳。当選十回の、泣く子も黙る古狸です」
松浦はまたティッシュを鼻にやった。
茶髪がソファを引きずってきて、後ろに据えると、何も言わず当然のように腰をかける。
「まあ、この角南一族というのは、戦前から海運業などで財を成した言わば財閥で、
さまざまな分野にその根を張り巡らせています。
例えば」
松浦は有名な地元製薬会社の名前を上げた。
「あそこの株主の中でも、主要なところは角南家に抑えられています。名前は直接出てきませんがね」
今度のティッシュは的を外した。あ〜あ、という感想が漏れる。
茶髪は、拾うべきか拾わざるべきか悩んでいる顔をしながら、一応という表情で拾いに行って、ゴミ箱に入れた。 >>668
(´・ω・`)
/ ヽ
| | ・ ・ .| |
| | .,,;,. | |
{ii| .i.uj |リ <ウソをつかないで!
j / | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 俺は家が隣同士という事もあり、幼い頃から彼女ら姉妹と仲良くしていた。
当然俺も同じ年の恵美に恋をした。だが彼女らは美人。何度も他の男に声をかけられるのを目にする度、いつしか諦めてしまっていた。自分程度では彼女を振り向かせることが出来ないのだと。
そんな風に諦めながらも交友も断てず。ずるずると高校二年生の夏休み。6月。
毎年行っていた夏祭りで花火大会をしている最中、俺は恵美に告白された。曰く、ずっと好きだったと。 俺心霊怪談オカルト話が好きだったんだけどさ
なんか最近なろう系みたいな素人投稿が増えてほんとびっくりするくらいつまんなくなったよ >>652
これ10回くらい同じ文面で返されて俺はギブアップした シノガイジは神ゲー攻略の社長だって自分で言ってたよ
ちゃんと信じろ 「そして地元でも、もはやまともに立ち向かってくるもののいない、権威と権力、そして金を手にしている彼ら一族ですが、
次の衆院議員選に、その秘蔵っ子を出してくるらしいんです」
喫茶店でゴシップ話でもするように松浦は続ける。
「二区でね。一騎打ちですよ」
秘蔵っ子とやらの一騎打ちの相手とは、次期首相候補と噂される代議士のことだ。
地元出身ではない僕でも名前は知っていた。
「今まで有形無形の様々な形で応援していたのが、手のひらを返して対立候補を立ててくるんです。ただごとじゃない。
その秘蔵っ子は、そうですね。角南盛高か、総一郎のどちらかの息子とだけ言っておきましょう。
まあ、こんな情報はそこらの週刊誌にも出てるような話です。話半分に聞いておいて下さい。
まあ事実上一騎打ちと言っても、今の中選挙区制では次点でも落ちることはありません。
しかし、万が一、新人の後背に甘んじるようなことになれば、確実に顔は潰れます。次期総裁の座も危ない。
と、こういう図式です。
問題は勝算があるのかどうか、ということですよ。あるいはただのブラフかも知れない。
ブラフだとしても、こんな情報が市井に出回っている時点で、一定以上の効果はあるでしょう。
出ちゃおうかな、出ないでくれ。そういう交渉が水面下で続いているのかも知れない。
その見返りの『算盤のケタ』の問題を詰めている最中なのかも知れない。 最近のゲームやってる奴らってなんでマウントとりたがるん???
アニラおりゃん さて、私ども凡俗の人間には分かりかねる世界ですが……」
松浦はそこで言葉を切って、それまで向いていた師匠ではなく、所長の顔を見て言った。
「出ます。十中八九ね」
あっさりとそう断言するのだ。
「そして出るからには勝ちに来ます。間違いなく。一族を上げて。そこで怖いのは、スキャンダルです。
今まで中央政界で散々もまれて来た某代議士センセイと違って、
ほぼ初めて一般の方の目に触れる箱入りのお坊ちゃんだ。
もっとも、ハーバード大学卒業から始まるキャリアは大変なものですがね。
ともあれそんな大事なお坊ちゃんには、まだスキャンダルの洗礼の余地が十分にあるんですよ。
立候補の告示日の翌日には落選確実の一報が入るような、恐ろしい一撃がね」 7月。デートを繰り返した俺達は、俺の部屋でとうとう一線を越えた。初セックスである
恵美は処女だった。彼女は軽く涙目になりながらも嬉しそうに笑っていた。
そんな彼女が愛おしく、射精したのにまた勃起してしまった俺を見た彼女はどこまでも優しくて。
「もう一回、する?平気だよ?」
その言葉に甘えて俺はもう一度彼女を抱いた
痛みにもある程度なれたのか彼女は絶頂こそしなかったものの、気持ちよさそうに喘いでいた
ゴム付きだったものの再度彼女の中で果てた俺は、そのまま彼女とベッドで夕食まで優しい時間を過ごした
このセックスから、俺の順風満帆な人生に一筋の影が差すことになる >>672
なんかのホラーゲームでこんな敵いなかった? 黙って聴いていた小川さんは、やっと口を開いた。
「いったいなんの話なのか分かりませんが。
そう言えば角南県議は今でも角南建設の顧問でしょう。株も相当数保有しているんじゃないですか。
常々思っていたんですが、あれは、地方自治法上の……何条でしたっけ。
とにかく兼業禁止規定に引っ掛からないんですかね」
まるで話を逸らすような内容だったが、松浦はそれについても解説を加えた。
「角南建設は確かに、県発注の公共工事を多数落札し、施工しています。
一見すると、議員の自治体からの請負を禁じた、九十二条に引っ掛かりそうなものですが。
実は本人が請け負うと即アウトなんですが、法人の場合、
その法人にとってその議員がどういう役職にあるか、実体としての影響力を持っているか、に掛かってきます。
そして支配的な地位を持っていると認定されても、請負の額の問題が発生します。
判例にもよりますが、まあだいたい、
法人の年間受注額全体における県発注工事の占める割合が、五十パーセントを越えなければセーフですね。
それに、兼業禁止にかかる発議権は、議員に専属しています。
お仲間たちに無駄な声を上げさせない力を持っていれば、そんな問題自体が発生しないんですよ。
検察だって手が出せません」
ところが、と松浦は話をまた元に戻す。
「そんな兼業禁止規定だなんていう抜け穴だらけの有名無実な禁則事項よりも、もっと危険で即効性のある『毒』が、
ある男からもたらされたんですよ」
「それが田村なのか」 松浦はそれには答えなかった。喋りすぎていないかどうか慎重に吟味しているような顔をしていた。
そもそも僕にはなぜ松浦が、そんな裏の情報をここで口にするのかさえ、さっぱり分からなかったのだが。
「老人って、なんのことだ」
師匠が何気なく漏らした一言に、松浦の顔つきが変わった。
茶髪の男が師匠の背後に回ろうとして、その間に小川所長が身体を割り込ませる。
「静かに」
その動きを制して、松浦はゆっくりと問い掛けた。
「どこで、それを」
「この事務所で倒れてから傷口を洗うまで、田村は気を失ってたんだ。
アルコールをぶっかけた途端、喚いて目を覚ましたけどな。
その気絶している間に、呟いたんだよ。うわごとみたいに。なあ、老人って誰のことだよ」 豚ってだけで普段の村と言ってる事が同じでも刺々しさ緩和されるの不思議だよな 「田村は老人が、どうした、と言っていたのです」
「知らん。老人、っていう言葉しか聞き取れなかった」
松浦は射るような目つきで師匠の顔を眺めた。そうして「老人は」と、口を開く。カパリと。
「総一郎、盛高の父です。先代当主ということになりますか。もう十年以上前に亡くなっています。
老人……そう。彼は、ただ『老人』と呼ばれています。畏敬をもって。
その息子たちが、そう呼ばれて久しい年齢になっているというのに。
角南大悟(だいご)。本名をそう言いました」
松浦の言葉に、一瞬小川さんが驚いたような顔をした。どうやら知っているらしい。
そちらに一瞥を加えてから続ける。
「時代を超え、ただ、その名のみをもって今なお人を畏怖させる。日本戦後史の暗部にうごめくフィクサーの一人です」
「その老人とやらにまつわるスキャンダルだってのか」
師匠が鋭く切り込んだ。
松浦はソファから立ち上がった。
「さて、どうでしょう。
ただ、地元に根を張る我々としては、仮にそんなものがあったとしたら、
東から来る仁義の欠片もないヤカラどもと違い、郷土の英雄を守りたいという義憤にかられるのではないでしょうか」
もう話は終わりだ。そう言いたげに、松浦は茶髪の方に顎をしゃくってみせる。
最後に、事務所を荒らされ放題にされた格好の小川さんが短く言った。
「そちらと、角南一族とは縁が切れていたと思ってましたがね。例の産業団地がらみで何人逮捕されたか考えれば」
松浦は目を細め、すっと半歩だけ近寄って顔を突き出しながら言った。 いつしか俺は彼女の膣に人差し指と中指をブチ込み、容赦なく彼女の膣壁をごりごりと刺激する
己をイかせようとする俺の手淫に、加速する彼女の呼吸。数分間彼女を愛撫していると
「っぁ―――♡」
ビクビクと震える腰。…絶頂したのだろう。少し指を動かす度に過剰かと思うほど跳ねる腰。
恵美はイッた後更に追加でガンガンイカされるのが好きだった。俺は彼女の期待に沿う為、さらに激しく手淫を続ける。
俺は愛液を彼女の尻穴に塗りたくり、人差し指と中指は変わらず膣壁をこすりながら、親指を彼女の尻穴に押し込み、にぢにぢと押しつぶすように膣壁を刺激している所と合わせるかのように腸壁を刺激する
「っ―ぎぃっ――♡ …ンひぃっ♡♡♡」
我慢しているのに思わず漏れでてしまったのであろう声。それがたまらなく俺を興奮させた。俺は手淫を続ける。尻穴は腸液のせいかどんどん滑りが良くなり、彼女へさらなる快楽を与えていく >>681
なんかその攻略サイト社長って発想が狭い世界の中から頑張って絞り出した職業って感じで察してしまう 「っふーっ♡ふー♡ふー♡ひっ――――んいぃぃ♡♡♡」
再度の絶頂。一度目とは比較にならない、抑えているのにものすごい力で腰が跳ね上がった。
愛液がぷしっと勢い良く漏れだし、彼女はぐったりと力を抜き、時折ビクンビクンと腰を跳ねさせるのみ
―ここからが俺達の始まり。前戯の終了だ。
俺はズボンを脱ぎ、手淫の段階で完全に勃起していたチンポを露出させ、コンドームを着用する。
彼女はズボンを脱ぐ衣擦れの音で本番の始まりを感じたのか、ビクビク震えているのにも関わらず挿れやすいようにするかのように、少し股を開き俺を誘う。
ひくひくと誘うかのように動く彼女の膣穴に、俺は遠慮容赦なくチンポをブチ込んだ ブレイブなんとかやってみたけど面倒なだけで何一つ面白くねぇなこれ 「組織が大きいとね、色々あるんですよ」
まるでそれまでの話よりもよほど重大な秘め事を明かすかのような口調で。
そうして、蛇のような男は、青白い顔の印象を強く残しながらドアの方へ向かった。
「あ、そうそう。その『毒』ですがね。どうもおかしなところがあるようなんです。まだよく分からないのですが。
この次は探偵を頼る客として来ることがあるかも知れない。
その際はご指名しますよ、お嬢さん。
次に会う日までに、年長の人間と話す時の作法を身に着けておくと、もっといい」
こちらを振り向かずにそう言うと、松浦はドアの向こうへ消えた。
後を追う茶髪がその去り際、ふらりと近寄って来ると、いきなり僕の頭を軽く抱えて、ぼそぼそと言った。
「おい。兄ちゃん、俺の顔を見て笑ったろ。人をよう、見かけで判断しちゃダメだって、教わらなかったんか」
そして、さっき階段のところで食らわしたのと同じパンチをボディに入れてきた。 「っ――――――〜〜〜〜〜♡♡♡」
一際大きくビクンッと跳ねるすまきの少女。俺は頭の冷静な一部分でまるで魚のようだな、などと場違いの事を考えながらも先ほどの彼女の痴態で高まっていたチンポを彼女の奥へ、奥へと突き込んでゆく
「んぃっ♡いぃっ♡ひぃっ♡」
ひと突き毎に跳ね、漏れでたかのような喘ぎ声を上げる彼女。そんな彼女をもっと虐めたいと子供のような事を思い、俺は彼女にのしかかり、ガンガンと腰を突く。 こっちからずっと睨んでいた腹いせに違いなかった。
重い痛みが芯に響き、身体が九の字に折れそうになる。
茶髪は、その前歯が一本欠けた間抜けな顔をすっと遠ざけ、じゃあなと言って、ドアの向こうへ去って行った。
また外車特有のエンジンの音を響かせ、その音が遠ざかっていくのを聞いた後、僕ら三人は一人残らずへたり込んだ。
「寿命が縮むよ」
小川さんが師匠を恨めしそうに見ている。
「ヤクザ、怖えぇな。やっぱ」
師匠は今さらのようにそう一人ごちる。
僕はというと、殴られた腹を手で押さえながら、もういい加減にこのバイトを辞めようと心に誓ったのだった。
「あ。お嬢さんて、今日二回も言われた」
師匠が妙に嬉しそうにそう言った。 ぶれいぶなんちゃらはつまらないならつまらないって要望だしとけ でもお前ら実際にえみりんの臭い嗅いだらその場で射精しちゃうよね ヤクザどもが去って行った後、小川さんはしばらくソファでぐったりしていたが、
急に飛び起きると、慌てた様子でデスクについて仕事を片付け始めた。
ホワイトボードのスケジュールに目をやると、所長は今日の午後三時半の飛行機で東京へ立つことになっていた。
帰りは明日の午後九時となっている。
なんだか慌しいが、仕事は人と会う用件が一つだけで、
あとは友人の結婚式の二次会に参加するのが主な東京行きの目的らしい。
書類の束をいくつかに分けながら、所長が顔を上げる。
「加奈ちゃん、これ、請求書、て、あれ、そういや今日呼んでないよね。遊びに来たのに、バイト代は出ないよう、と」
そしてヤクザが家捜しで荒らした事務所内を片付けていた僕を手招きする。
「請求書作ったことあったよね。これと、これの分を頼むよ。送り先はここね」
そうして幾つかの指示の後、しばらくかかって綺麗にデスクの上の書類を片付けてしまい、
最後に服部さんのデスクにあった報告書のチェックにかかった。
その間、加奈子さんは所長と僕が働いているのをぼんやりと見ているだけで、
時々「腹減った〜」と喚いたり、「危険手当」や「ヤクザ手当」といったものを後付けで勝手に考案しては、
要するに小遣いをせびって邪魔ばかりしていた。
所長は服部さんの報告書に付箋で指示を書き込んでから、ようやくデスクから離れた。 みざちゃんやっぱ文豪だわ
「逃げようとするなんて悪い子だ――っな!」
「――っ!?んぃいいいいっ♡♡♡」
更にチンポを深く深くへと叩きこんだ。再度の絶頂。叩き込まれたチンポに、身動きが取れない彼女は為す術もなく喘ぐ事しか出来ない。
彼女がもぞもぞと逃げようとする度、俺は彼女を抱え込んで更に深く。彼女の中に俺を刻みこむかのように腰を振るのだった そして脱いでいた上着を着始めたので、師匠が「そのひん曲がったネクタイで結婚式行くのかよ」とからかうと、
「ばか。一度家に帰るよ。それに二次会からだ」と返した。
そうして事務所から慌しく去っていく前に、僕らに向かって真面目な口調で言った。
「今日のことは僕のせいだ。すまん。
君たちにはああいう人間たちにはできるだけ関わって欲しくないし、僕も関わりたくない。
やつらが田村のことをどう決着つけるにせよ、
命の危険があるほどのことなら、田村は自分で警察に逃げ込む程度の分別のあるやつだ。
ああいう仕事を望んでしている以上、自分の尻は自分で拭く必要がある。それは田村自身覚悟の上なんだ。
だからこの件には関わるな。
特に加奈子。僕の経験上、凄く嫌な予感がしてるんだけど…… 大丈夫だな」
師匠はわざと曖昧に頷いた。
その肩に手を置いて、所長は大丈夫だなともう一度念を押し、わざとにこやかに笑った。
肩を掴む手にはかなり力が入っているようだ。 もう反省しても解除されないのか
今までがおかしかったんだよな 「でも冷たいな、所長。わざわざ会いたいって訊ねてきたんだろ、田村は」
「やっぱり忘れてくれ、と言ったんだろう。最後に。あいつは、頼ろうとした自分を恥じたんだ。
とにかく、もう関わるな。いいな」
ようやく師匠はちゃんと頷いた。
僕は初めてのヤクザとの第三種接近遭遇にまだ足元はふわふわと浮いているような感じだったが、
これでもうこの件は終わったものと思って安堵していた。
その次の日は土曜日だった。
僕は朝、師匠の家に電話を入れたのだが、留守のようだった。
昨日の小川所長と同じような予感めいたものがあり、自転車で小川調査事務所に向かった。
雑居ビルの脇の狭く薄暗い階段を上り、三階にある事務所のドアをノックする。
応答があり、中に入ると案の定、師匠がいた。
なにやら仏頂面をして、自分のデスクで肘をついて顎を支えている。
「なにしてるんですか」
「なにも」
向かいのデスクには服部さんもいる。
しかし師匠の方は不定期の『オバケ専門』のバイトだ。
その依頼について、受ける、受けないは所長の小川さんに決定権がある。 今抱えている案件はないし、所長の留守中に、どう考えても師匠がここへ出てこないといけない理由はなかった。
もちろん、昨日の田村がらみ、いや、ヤクザがらみの件を除いて。
「ねえ、なにしてるんですか」
「肘をついている」
顎が固定されているので、頭の方がカクカクと動いている。
「帰りましょうよ」
「帰れば」
「帰りません」
「好きにすれば」
「します」
「……」
「なにしようとしてるんですか」
「右肘の先が痛くなってきたから、左肘に変えようとしている」
よ、と言いながら師匠は姿勢を入れ替える。
その向かいでは、服部さんがワープロのキーを叩きながら、どこかに電話をかけている。
どうやら昨日の報告書で、所長に指摘された部分の裏を取っているらしい。
同じバイトの身でこうまで勤務態度が違うと、普通の職場なら軋轢を生みそうだが、
お互い、良い意味で無視をし合っている。
無関心というべきか。そもそもこの二人には接点がないので、摩擦すら起こらないのだった。 アビーにお誕生日を祝って貰えるだけで
あぁ…生きててよかったって実感するよなぁ 息が詰まるような沈黙が続いていると、事務所の電話が鳴った。
服部さんが手を伸ばそうとしたが、それよりも早く師匠が自分のデスクの受話器を上げた。
「はい、小川調査事務所」
なんだ、所長か。そんなつぶやきが漏れた。
僕は耳をそばだてる。
師匠は電話をかけてきた所長と二言三言、会話を交わした後で僕の方を見てから受話器から顔を離して、こう言った。
「昨日の田村、捕まってないってよ。石田組のやつらに」
はあ?
僕は何を言っているのか分からず、唖然とした。
師匠は受話器を口に戻して続ける。
「どうやって知ったの。へえ、あるルートねえ。あんなこと言っといて、気にはしてたんじゃないの、あの後どうなったか」
そうしてまた僕の方を見て言った。
「とにかく、すぐに事務所を出ろってよ」
また受話器に耳を押し付ける。
「え? 服部? 服部もいるよ。ああ。分かった。言っとくよ。分かった。分かった。すぐ帰るってば。はいはい」
師匠は電話を切ると、僕と服部さんに向かって言った。
「田村は何故か逃げ切ったらしい。
今も石田組の連中が傘下の団体も使って捜索中だってよ。
ここにもまたやつらが押しかけて来るかも知れないから、早く帰れってさ。 >>738
丈助、一度壊れてしまったものは二度と直せない あと、服部も今日はもういいから帰れって」
それを訊いた瞬間、服部さんのワープロのキーを叩く手が止まった。
驚いて、というよりも、ちょうどそこで最後の文字を打ち終わった、というような自然さだった。
そして無言で机の上を片付け、一言も発せずに事務所を出て行った。
僕は心臓がドキドキしているのを自分で胸に手をあてて確かめた。
これは恐怖なのか、それとも別の何かなのか。いや、恐怖に違いなかった。
「僕らも帰りましょう」
「ああ」
しかし師匠は動こうとしなかった。何か考えている風であった。
「ここは危ないですよ。早く出ましょう」
「ちょっと用事がある。先に帰れ」
僕の目を見ようともせずにそう言う。
どう考えても、師匠の言う用事はいま迫り来る危機と関係がありそうだった。
いったい何を考えているんだこの人は。
僕は彷徨いそうになる視線をなんとか修正しながら、ようやく口を開いた。
「じゃあ、僕も帰りません」
「勝手にしろ」
それからの僕は、生きた心地がしない、という状態だった。
デスクに並んで座り、ただ正面を見て、これから起こり得ることを想像しては身震いする、ということを繰り返していた。
当の師匠は思案げではあったが、態度はいたって平然としていて、
服部さんのワープロの電源が入ったままなのに気づいて、
「ニンジャのやつ、切り忘れてやがるぞ。動揺してる、動揺してる」と笑いながら電源を落とし、
またその後考え込む、などということをしていた。 ビルの下の方で聞き覚えのある重低音が止まり、その後階段を上る複数の足音が聞えて来たのは、
それから一時間ほど経ってからだった。
どうせ来るなら、もっと早く来て欲しかった。
イメージトレーニングをしすぎて疲れ果てていた僕は、その時すでにそんな心境だった。
ノックもなしにドアが開き、昨日の歯抜け茶髪が現れた。
その後に続いて入って来たのは、若頭補佐の松浦と、昨日は見なかった別の若い衆だけだった。
三人か。
僕のシミュレーションでは、昨日より数が減っていたら危険度は下がる方向にあるはずだった。
そしてまた松浦がいた場合、危険度は上がる方向にあるはずだ。
プラスマイナスでゼロ。現時点では昨日と大差ない状態と判断した。
三人のヤクザはジロジロと室内を見回し、そして松浦の合図で残る二人が昨日と同じように事務所の中の捜索を始めた。
「所長は」
松浦の問い掛けに、師匠はちゃかしたような口調で答えた。
「いるよ。仕事してる」
「どこでだ」
「ここだよ。すぐ目の前にいる。
あの人、めちゃくちゃ仕事速いからな。常人には目で追えない。休憩に入ったら見えるようになるよ」
「コラ、おんなあ!」
五分刈りの若い衆が凄い声を出した。茶髪よりよほど凄みがある。僕は飛び上がりそうになった。 村民「ブレイブグラウンドなかなか面白い。普段前線に出ないキャラ達の相性考えて編成組むのたのし〜」
ワイ「普段から色んなキャラ使えば良いだけでは?」
村民「くっさ死ね」 松浦がさすがに不快そうな表情を見せたが、それでも若い衆を止めた。
それを見て、師匠は指で壁のホワイトボードを示す。
「そう言えば書いてあったな」
田村を匿うために身を隠したのかと詮索してきてもおかしくない場面だったはずだが、
松浦の記憶力が無駄なやり取りを省かせた。
「田村は捕まえたんだろう。ここにはもう用はないはずだ」
師匠が淡々と、昨日と同じ口の利き方で喋っても、松浦は怒り出しはしなかった。
次に会う日までに目上の人間と話す時の作法を身に着けろ、と言いはしたが、
その日を昨日の今日にしたのは自分の方なのだ。
怒る筋合いもなかったが、そんな筋など破るのが彼らの稼業のはずだった。
松浦が何を考えているのか全く読めない。
「アニキ、居やせんぜ」
大の大人が隠れられるはずもない台所の流しの下の扉まで開けて、若い衆たちはそう報告した。
「わかった。お前らは下で待ってろ」
松浦の指示に驚いた顔を見せた彼らは、「え、でも」と言い掛けたが、
「下で待て」という再度の指示に逆らうほどの度胸はなかったようで、すぐに二人とも事務所から出て行った。
僕はシミュレーションにはなかった展開に戸惑い、棒立ちになっていた。 >>739
それ海外ドラマのアローよりアクションいいの?しょせん日本人が作ったもんやろ? (´・ω・`)三流ゲーマーでも攻略サイト社長になれちまうんだ! >>762
お前が詰まってるのは大腸と毛穴と鼻だけだろ 師匠は僕が朝見たときと全く同じ格好で、デスクに肘をついたままだ。いったいどんなクソ度胸なのか。
松浦はソファを自分で好きな位置に移動させ、腰掛けた。
ダブルのスーツに白いシャツ。本皮の靴に、黒縁眼鏡。
昨日と同じ格好だ。だが、よく見ると眼鏡以外のすべてが似た別のブランドのものだった。
その男が指を組みながら口を開く。
「田村は逃げた。手違いがありましてね」
「おたくのトコは勘違いやら手違いが多いな」
「減らず口はもういい。
お嬢さん。あなたが私を怖がっていることは分かっている。
私もあなたが少し怖い。それでいいでしょう」
そこで師匠は初めて意外だという表情を見せ、姿勢を正した。
「わたしになにが訊きたいんだ」
松浦はそこでちょっと口ごもった。簡単には説明できそうにないことが悔しそうだった。
僕はその二人のやりとりをぼうっと見ていることしかできなかった。まるで師匠と松浦の二人しかいない空間のようだった。
「ちょっと調べさせましたよ。あなたのことを。
興信所の同業者たちはほぼ異口同音に、インチキの類だと言っているようですが、
依頼をしたことがある、という人は揃って本物だと言っています。
ここから分かることは、少なくともあなたには、心霊現象がらみの事件を解決する能力がある、ということです。 >>773
"ダイバーシティ"って言えば分かるか? 過去ログでJSエロ画像貼られてたのマジ?
何で俺に見せてくれねえんだよクソが たとえインチキにせよ、ね」
松浦は前置きから始めることを選んだ。
長い話になりそうだった。しかし煙草を懐から取り出そうとはしなかった。元々吸わないのかも知れない。
ただ黙って言葉を選びながら続けた。
「田村は逃げたまま、まだ見つかりません。
金、酒、女……目ぼしいところはあたっていますが、現在の居場所にまで辿れていない。
あるいはもう県外まで逃げおおせているのかも知れない。
さらに最悪なのは、我々と、そして角南一族とも敵対する組織の懐に逃げ込んだ可能性。
そうなれば我々は手を引かざるを得ない。
後は角南一族が食われるのを、指を咥えて見ていることしかできなくなる」
「東の、四角いやつらか」
師匠が際どいジェスチャーを見せると、松浦は否定しなかった。
「しかし、昨日少し言いかけましたが、どうも田村の持ってきた『毒』の方におかしなところがあるんですよ。
その『毒』が巧妙に作られた偽物だとすると、
老人にとって、そして現在の角南一族にとって、致命的なスキャンダルにはなりえない。 >>775
さらに言えばエスタブリッシュメントがリパブリックなイノベーションな 糞ニートでも自称アフィの管理者になれちまう
今の世の中て勉三さんの中あったかいなナリ… でもシノガイジが社長の神ゲー攻略はシノアリスの更新止まってるんだw 彼が今も所持して逃亡を続けている『毒』に価値がないということになれば、
我々としても、彼を探すモチベーションを失うということです」
「毒の現物もなしに、わたしに毒の鑑定をしろと?」
「いや、その複製があります。だが、粗悪なもので本物ほどの価値はない。
が、ともあれ、それが本物であればどういう致命的な猛毒を持つか、推測するには十分なものです。
ただ私が知りたいのは、その『毒』に混ざった不純物の正体です」
「毒だの不純物だの、抽象的過ぎてさっぱり分からない」
「それが具体的になれば、あなたはもう逃げられない」
松浦の静かな言葉の中に、氷のひと欠片が混ぜられた。喉元に至れば命に届く鋭利な氷片が。
師匠は松浦の目を見て言った。
「どうせ逃がす気なんてないんだろう。いいよ。
その物騒な『毒』とやらが、不純物次第であっという間に地球に優しい物質になるって話だろ。
ただ、わたしなんかの鑑定にそれが期待できるのかな」
「それは私にも分からない。しかし少なくとも、あなたの専門分野のはずだ」
松浦はスーツの内ポケットに手をやる。しかし師匠が鋭く言葉を被せる。
「ちょっと待て。これは小川調査事務所への依頼か。それともお願いか。脅しか」
松浦は口の端を少し上げる。
「依頼、という答えを希望されているようなので、そう答えましょう。 >>796
してないからできる?って聞いてるんだよ
やり方書け ここの規定の料金がいくらか知らないが、報酬はその五倍出します。それと、あなた個人へさらにその倍を」
師匠はそのタイミングに相応しい口笛を吹いた。どれほど緊張していても、吹くべき時に吹ける人は本当に器用なのだろう。
「でもそれ、わたしの鑑定とやらの内容次第じゃ、もらえないどころか……って話だよね」
松浦はそれには何も答えなかった。
「金は要らない。わたしはヤクザが嫌いだ。その金に頭を押さえつけられたら、わたしはわたしを許せない」
師匠はあっさりとそう言った。
松浦の青白い顔から表情が消える。
「断ると?」
心から、人の命を、なんとも思っていない。そういう声だった。
僕の心臓は嫌な音を立てている。
「オバケは好きだ。怪談話を、聞こうじゃないか」
あっけらかんとした口調だったが、その端に極限までの緊張の欠片が覗いていた。
不器用な女だ。ぽつりと、松浦の口元に表情が戻った。
懐に入りかけて止まっていた手が、ようやくその本懐を遂げ、一枚の紙切れを取り出した。
受け取った師匠はそれを面白くもなさそうに眺める。僕もその側に寄って、手元を覗き込む。
写真だった。いや、写真をコピーしたものか。
味気ない白黒の紙に、十人あまりの人間が写っている >>798
(´・ω・`)お洒落な名前ね
(´・ω・`)ドキッてする どうせガイジしかいねえしササクッテロでNG放り込んどけ 畳敷きの和室に着物姿の男が座っていて、その回りを囲むように軍服を着た男たちが正座をして背筋を伸ばしている。
軍服たちは誰もみな若い。揃って微笑みの一つも浮かべず、ただ何か強い意思を秘めたような瞳をしている。
数えると軍服たちはちょうど十人いた。
着物姿の男と合わせると、十一人が和室の上座側の壁を背にしてこちらを向いている構図だった。
背後の壁には鳥が飛んでいる掛け軸が見える。
古い写真だ。白黒コピーの前も、元からカラーではなかったことが推測できる。
戦時中に撮られたものだろうか。
師匠は怪訝な顔で、その写真の中ほどを見つめている。
着物姿の男がいるあたりだ。いや、正確にはその男の顔のあたりを見ている。
顔を見ている、と断言できないのは、その着物姿の男の顔は大きく歪んで黒く潰れたような画質になっているためだった。
体つきや服装で、男であること、そして周囲の軍服たちほど若くはないことも明らかだったが、
どんな顔をしているのか全く分からなかった。
「その顔は違う。ただの複写ミスです。そんなことは分かっている。そんなことで霊能者を頼ろうとは思わない」
その顔のことではない。松浦はもう一度そう言った。
表情は変わらないが、まるで照れを隠しているように思えて、僕は少しこのヤクザに親近感を持った。 もう一度良く見ると、画像の歪みは着物姿の男の顔だけではなく、写真の中央のライン全体に渡って発生していた。
「順序だてて説明する必要があります。
田村がこの複写の原本である写真をもたらしたのは昨日の朝。ある弁護士事務所のオフィスに持参してきたのです。
その弁護士は我々の顧問を引き受けてくれている人物なのですが、田村はそれを知っていて、
我々との交渉の端緒として、その弁護士事務所を選んだということです。
確かにこんなもの……」
松浦はコピーを蔑んだような眼で見ながら、ふんと笑った。
「我々に見せたところで、その価値に気づくはずがない。特に若い衆などはね。田村は賢明でしたよ。
弁護士先生はその手の話のマニアでね。
アポイントもなしに訪ねて来た男の与太話から、ことの重要性を見抜いてすぐ私に連絡をくれました。
『不発弾が出てきた』と。『それも核爆弾のだ』とも言ってましたっけ」
松浦はスーツの胸の内ポケットに手を入れ、一冊の本を取り出した。 文庫本だ。ページのところどころに付箋がついている。
『消えた大逆事件』
そんなタイトルが表紙に見える。
「この本はその弁護士先生に教えてもらったんですがね。なかなか興味深いものでした。
大逆事件、というものを聞いたことがありますか」
大逆事件か。日本史で習ったことがあるような気がするが、はっきりとは覚えていなかった。
「天皇や皇太子など、皇族に危害を加えようとすることです。戦前の刑法では大逆罪として極刑に値する罪とされています。
現人神であった天皇陛下にそんな恐れ多いことをするなんて、当時としては今よりも遥かに重い大罪ですよ。
その大逆事件としては、主に四つの事件が知られているようです。
1910年の、社会主義者らによる明治天皇暗殺計画。1923年の、社会主義者・難波大助の起こした皇太子狙撃事件。
1925年の、朝鮮人アナーキスト・朴烈とその愛人、文子が計画したとされる大正天皇襲撃計画。
そして1932年の、抗日武装組織の闘士、李奉昌による昭和天皇襲撃事件」
松浦は親指から四本の指を順に折り、最後に残った小指を立てたまま続ける。
「いずれも失敗に終わっていますが、社会に与えた衝撃は非常に大きいものでした。 だ
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ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima544340.jpg 内閣の責任問題となり、総辞職に至ったものもありますし、
また一番有名な1910年のいわゆる幸徳事件では、幸徳秋水ら社会主義者の徹底弾圧にもつながりました。
実際は、視察にやって来た皇族に危害を加えようとして、取り押さえられるような、
突発的ケースなど、もっとあったはずです。
しかし大逆事件として裁かれるのは、その行動に相応しい禍々しい背景と、高度に政治的な判断があってこそです。
『ヤマザキ、天皇を撃て』の奥崎何某のように、
ただ目立ちたいがためにパチンコで天皇を狙撃するなどの、しようもない事件は、
たとえ大逆罪がまだ存在したころに起こったとしても、その適用はなかったでしょう。
本来の大逆事件とは、社会主義者、無政府主義者の台頭、そして朝鮮独立運動の激化といった反政府的な背景があり、
それに対して断固たる対処をするという、意思表示の場でもあったのです」
松浦は文庫本のページを捲りながら淡々と喋っている。
だが、その眼は洞穴のようにひっそりと静まり返っていて、文字など追っていないように見えた。 ただ、書かれている内容をなぞっているだけだ、というポーズのためだけに本を開いているような。そんな印象を受けた。
だとしたら、松浦は本の内容を記憶しているということだ。
ただでさえ暴力の世界に身を置いている人間という非日常的な存在だというのに、
さらにそこからもはみ出している異質さを感じて、僕は得体の知れないものを見る思いがした。
また一枚、ページが捲られる。
「ところが、です。
政治背景のない衝動的な安っぽい暴挙ではなく、重要な意味を持つ計画的な策謀だったというのに、
大逆事件として歴史に残っていない、一つの不可解な出来事がありました。
昭和14年の夏のことです。
昭和12年に起こった盧溝橋事件から、泥沼の日中戦争に突き進みつつあった当時の日本は、
ソ連、アメリカとも衝突は不可避の状況にありながらも、未だ真珠湾攻撃には至らず、
また欧州では、世界を二分する最悪の大戦争、第二次世界大戦の前夜という際どい時期にありました。
そんな折、北関東で行われる観兵式のためにお召し列車が出ることになり、
警察の警護の元、天皇陛下のご一行が皇居を出立し、東京駅へ向かっているその途上で事件は起こりました。
銃器で武装された集団により、鹵簿(ろぼ)が襲撃されたのです。 逃げようとするなんて悪い子だ――っな!
開幕から本気を出した彼女に一瞬でイかされないよう、ご注意ください! わずか十名程度のその武装集団の動きは非常に統制されており、
警護の警察の部隊と陛下ご搭乗の自動車を分断することに成功したそうです。
しかし、陛下の車に銃弾が届く前に、陸軍の近衛歩兵連隊所属の部隊が駆けつけ、
すんでのところで武装集団は鎮圧されました。
未遂に終わったにせよ、本来であれば大事件です。
大逆事件として法の裁きを受けるのみならず、その行動の背景にある不穏なもろもろのものを巻き込んで、
大粛清の嵐が吹き荒れるほどの出来事だったはずなのですが……
問題はその武装集団が、現役の軍人、それもすべて陸軍の若き将校ばかりで構成されていたという事実にありました。
天皇の統帥権の下に存在するはずの、帝国陸軍の将校が、その天皇の命を狙ったのです。
このとてつもないスキャンダルは、白昼の事件にも関わらず、即座に闇に葬られることとなりました。
対中戦争のみならず、全方位戦争へと突き進みつつあった当時の大日本帝国において、
この大逆事件と、それを生んだ背景など存在してはならないものだったのです。 これが仮に、陸軍と海軍の軋轢から生まれた事件だったならば、
陸軍がいかに揉み消そうとしても成功しなかったでしょう。
しかし、この事件には、陸軍も海軍も、そして政界や財界に至るまで、既存のいかなる勢力も関与していませんでした。
それゆえに、この暴挙は正式な裁判に掛けられることもなく、
徹底した緘口令の元、秘密裏に処理されることとなったのです」
松浦が、一本だけ残っていた小指をゆっくりと折った。
隠された五つ目の大逆事件、という意味なのだろう。
「いくら戦時中とはいえ、実際に武装衝突を伴ったそんな大事件を揉み消せるものなのか」
師匠が至極当然の疑問を口にする。
「もちろん、不可能です。どれほどの人間が『処分』されたのかは、はっきりしませんが、
軍が血道を上げたところで、遅かれ早かれそれを語る人間が出てきます。
戦後になってから、その事件の研究が成され、こうして本にもなっているのですから」
松浦は手にした文庫本の表紙をもう一度こちらに向けた。
「しかし、その陸軍の将校たちは、何故そんな襲撃事件を起こしたのか、
捕縛された後の尋問にも、一切口を割らなかったとされています。 平成2桁生まれが普通にAVに出てるんだよな…という時の流れの速さにダメージを受けながらシコってた >>832
哲也が唯人をカバった!
って、カバを庇ってどないすんねぇ〜んッッッ!!!!wwwwwwwwwww 今回のイベ武器三本揃えちゃったんだけど何時使うんだよこれ・・・ コンビニに買い物いったら
40はゆうに超えてるおっさんがトレーニング中だった
お前らか? そしてそのまま全員が処刑されている。
彼らの動機については、後世の研究においても判然としていないようです。
一般的には、社会主義運動の影響下にあったとされているようですが、
加担した将校たち個々人の人となりを掘り進めて行くにつけ、そうした影が全く見えてこないのです。
というよりも、まったく何一つ、彼らが天皇を襲撃するような理由など、ないはずなのです。
この本をまとめた作者は、昭和14年、つまり1939年に起きたこの事件を、
それに遡ること三年前、1936年に起きた二・二六事件と対比させて語っているのですがね。
陸軍皇道派の青年将校が起こした、君側の奸たる中央幕僚を除かんとするクーデターだった二・二六に対して、
1939年の大逆事件は明白な思想的背景がない。
このことを著者は、『北一輝がいない』と表現しています」
「北一輝……」 >>853
純粋なファンとキチガイくらべるのやめろや 師匠はその名前を呟き、なにか察したような顔をした。松浦も少しだけ眉を上げる。
「そうです。『怪物』、『隻眼の魔王』などと称された、社会主義者にして国家主義者。そして宗教家。
著作『日本改造法案大綱』は、そのころ高度国防国家を目指す陸軍統制派と反目し、
財閥資本と癒着する政治腐敗を看過できない、皇道派青年将校たちの鬱屈したフラストレーションを、
クーデターへと駆り立てたと言われています。
つまり、二・二六の理論的な首謀者、思想的背景と言える人物であり、
クーデターが昭和天皇により賊軍と見なされたがために、成就することなく鎮圧された後、
それに連座する形で死刑を賜っています」
松浦は頁に目を落としたまま、その視線を全く動かすことなく淡々と語った。
「それに対し、この消された大逆事件のリーダーと目された人物は、実行犯でもある岩川雅臣という陸軍大尉で、
近衛歩兵第四連隊旗下の中隊長でした。
事件当時三十歳。
取り立てて思想的な偏りをもたず、連帯して取調べを受けた上司である佐官たちも、
『なぜこの男が』と困惑するばかりだったそうです。 そして他のメンバーもすべて三十歳前後の陸軍尉官ばかりでしたが、
大隊や連隊を同じくするものはほとんどおらず、彼らがどのようにつながりをもっていたのかも判然としません。
この事実は、陸軍内でもある種の戦慄を持って迎えられました。
今上天皇を襲撃するという大罪を犯すのに、彼らの思考は、脳の中は、あまりに空虚だったのです。
群れた青年将校が、理由なく大逆事件を起こす……そんなことは二重の意味であってはならないことでした。
だからこそ彼らは、歴史の闇の中に葬られたのです」
しかし。そう言いながら松浦は本を閉じ、師匠の持つ写真のコピーに目をやる。
「田村がもたらしたその写真に写る、軍服姿の男たちは、
岩川以下、ほぼすべて消された大逆事件に連座した将校、つまり実行犯たちです。
この本にも出ていますが、一人ひとりは、当時の様々な資料から顔写真が判明しています。
しかし隊も違う彼らが一同に会した、このような写真は今まで世に現れていませんでした。
恐るべき青春の肖像と言えるでしょう。そしてここにいる、人物」
松浦は身を乗り出し、写真の中心部を指さした。 どうにかして儚いさんと桂馬くんをくっつけられないかなぁ 「彼ら青年将校たちをまるで付き従えるように中央に座り、腕を組むこの和装の男こそ、
この事件をめぐる、後世のどの研究にも出てこない影の首謀者。
いないと言われた『北一輝』に他なりません」
偶然……なはずはない。
事件を起こした所属の違う青年将校たちが、こうして一室に集まって写真に写っているのだ。
そこに居合わせた人物が無関係なはずはない。
間違いなく、彼らを扇動した男なのだろう。昭和史に欠け落ちたピースだ。
僕は予想外に大きく、そしてヤバさを増した話に、緊張で手のひらがじわりと汗ばむのを感じた。
話の流れから、もうその和服姿の男が誰なのか分かってしまったからだ。
「それが『老人』か」と師匠がぼそりと言うと、松浦が「角南大悟です」と後を受けた。
「この青年将校たちの着る軍服は、昭和13年制式と呼ばれるものだそうです。
そのことから昭和13年、つまり1938年から、事件が起きた1939年までの間に、
撮影されたものだということが推測できます。
軍とは無関係の名家の出でありながら、陸軍士官学校に進学し、狭き門である陸軍大学校にも合格。 >>880
死ぬまでお互いにストーキングしあってそう 卒業の際には、わずか成績上位六名のみに与えられるという、恩賜の軍刀を授受した角南大悟は、
陸軍大佐にまで昇進した後、胸を病み、予備役として一線を退きます。
そしてこの1938年から39年のこの時期、
彼は五十代後半で、座間にあった陸軍士官学校の教官の任についていました。
正確には1928年から教官の職にありました。
主に、戦地における地形に関する課目を受け持っていたようです。
重要なのは、この青年将校たちが、全員陸軍士官学校の卒業生であり、
時期的にも、教官・角南大悟の教えを受けていたであろうという事実です。
もっとも、陸軍の幹部候補生は、すべからく陸軍士官学校を出ているものであり、
ただ陸軍士官学校生だったというだけで、実行犯である彼ら青年将校らを結びつけるヒントにはならないはずでした。
ただ、元教官である角南大悟と彼らとが、
大逆事件の年かその前年に、こうして一緒に写っているこのような写真が出てくると、話は全く変わってきます。 >>816
ギャグをちょこちょこ入れてくるよね
ただ無駄に脱線しないであくまで息抜きにしてるバランス感覚は優秀 >>869
ワレ誰に向かって喧嘩売っとんのか分かってんのか? なあ、なんでマグナHLしかクリスタルの入手手段無いのに
入ってくる人クソ少ないの?
時間かかってしょうがないんだが もし仮に、陸軍士官学校時代に、岩川たちが角南大悟の教えを受け、その信奉者となり、
卒業後もその助言・讒言に従うがままに、今上天皇陛下を弑逆しようとしたならば、
実行犯でなくとも当然に連座し、思想的首謀者として死罪に値します。
刑法から大逆罪が消え去った現代においても、その罪はとてつもなく重い。
敗戦を経てなお、天皇という王を国民の上にいただくこの国においては、ね」
「確かにスキャンダルだな。選挙どころの話じゃない」
師匠はぼそりと言った。
「これが公になれば、事件当時二十歳と十八歳であり、すでに成人していた息子の角南総一郎と盛高の二人にも、
世間の非難の矛先は向かうでしょう。
この写真一枚で、角南一族の命運は大きく変わることになります」
ですが、と松浦は声を落とした。
「この写真をどのようにしてか手に入れた田村は、我々の顧問弁護士の事務所に現れ、取り引きの仲介を依頼します。
単に金が欲しいのであれば、角南家を強請ればいいはずです。
誘拐事件の身代金どころではない、とてつもない金額が積まれることでしょう。 これを見たお前らにグラブルにログインしないと虫歯になる呪いかけたわ
苦しめ FGO3ヶ月でキャラ二人しかでてねーぞ
復刻だけじゃ最近始めたやつしかガチャ回さんぞ しかしそうしなかったのは、
この歴史の闇に葬られた真実を白日の下に晒したい、というルポライターとしての彼なりの想いがあったのかも知れない。
そして角南家と敵対している、と彼が思い込んでいた我々の元へとやってくるのです。
弁護士は冷静に状況を判断し、私に連絡をします。
私はすぐに近くにいた若い衆を向かわせました。
その写真の公表を条件に、あとは幾らで譲り渡すか、その腹の読み合いをしていた、いや、しているつもりだった田村は、
現れた若い衆を見て、自分の読み違いを悟ります。
つまり、我々もその写真を握りつぶす腹だということをね。
田村は抵抗しましたが取り押さえられ、それを尻目に弁護士は事務所にあったコピー機で写真の複写をとろうとします。
しかしその複写が完了する前に、一瞬の隙をついて田村が若い衆を振りほどき、
弁護士を突き飛ばして写真を奪い返します。
そして逃走したのです」
松浦は指を交互に組んで淡々と語る。 最近みざの動画つけっぱで寝てるわ
俺頭おかしいのかな… 「若い衆ともみ合いになった時に、腹を怪我していた田村ですが、逃げ込んだこちらの事務所で応急処置をされ、
その後も逃走したまま捕まらないでいます」
余計なことを、とも言わず、ただ事実として語っているような口調だった。
「我々の元に残された、この失敗した複写。肝心の『老人』、角南大悟の顔が黒く潰れて写っていないのです。
これでは、毒としての価値は極めて弱いものとなります。
早急に、本物を持って逃走を続けている田村を押さえる必要があるのです」
「ちょっと待て、田村を押さえる必要があるのは、本物のスキャンダル写真を公表されたくないからだろう。
なんで、すでに手中にあって握りつぶせるコピーの方の毒性が関係あるんだ。
まるでそれじゃあ……お前らも、角南家を強請ろうとしているみたいじゃないか」
師匠の問い掛けに、松浦は顔色一つ変えず、なにも答えなかった。
ただ「説明を続けます」とだけ言って、失敗した写真のコピーに目をやった。
「この写真ですが、直接本物を見た弁護士先生の弁では、
この中央の和装の人物は、間違いなく初老のころの『老人』だったそうです。 弁護士先生は、まだ『老人』が存命だったころの角南家とも仕事上での付き合いがあった人なので、
まあ信用していいでしょう。
またそれだけではなく、我々も裏を取るために、
角南家につながりのある人間に、この複写の来歴そして人物たちを隠して見せたところ、
『老人』が陸軍士官学校での教官時代に住んでいた、横浜の別邸の一室で撮られたものに間違いないと証言しました。
今でもその角南家の別宅は現存しており、この後ろの壁に掛かっている、『寒中飛鳥図』の掛け軸もあるそうです。
『老人』は本物。大逆事件の実行犯たちも本物。撮影された屋敷も本物。
なのに、この写真には、不純物とも言える、おかしなところがたった一つだけあるのです」
昨日から言っていた、おかしなところ、か。
一体なんのことか分からないが、松浦が師匠に依頼をしようというのは、
その不純物とやらが、師匠の得意分野、つまり心霊現象がらみのものだからなのだろうというのは想像がついた。
僕は緊張して唾を飲み込んだ。
松浦が口を開く。
「この軍服の襟を見てください。みな階級章をつけています。
そのすべてに五本の縞が見えますが、これが尉官を表すものです。 そして中の星の数でさらに階級が分かれます。
星がなければ准尉、星一つで少尉、二つで中尉、三つで大尉という具合です。
ここに写っている彼らのものは、すべて二つか三つ。中尉か大尉ということです。
十人のうち、星三つなのは三人。
まず、写真に向かって老人の右隣にいる岩川雅臣、そして左隣にいる早田二郎、最後が一番左の隅にいる正岡哲夫。
残り七人は中尉ということになります。
先ほど、この写真の男たちは、岩川以下、ほぼすべて消された大逆事件に連座した将校、
つまり実行犯たちだと説明しましたが、
たった一人、実行犯ではないものがいます。
それが、左の隅にいる正岡哲夫大尉です。
彼の名は、事件後の尋問中、複数のメンバーの口から漏れています。
『正岡さえいれば』
口々にそう言っていたそうです。
そのために、メンバーの中の中心人物の一人として認識され、この研究本の中でも顔写真つきで紹介されています。
本来であれば、岩川に成り代わって、リーダーの任についていてもおかしくなかったその正岡ですが、
なぜか実行犯には加わっていません。
なぜか分かりますか。
それは、彼がその事件当時、すでに死亡していたからです」 >>905
え、これ見えねえの?
おっぱい揺れてるgifなんだけど ガルダくそ雑魚だったわ
こういうのでいいんだよこういうので ぞくん、と肩になにか触れたような感覚があった。
僕は思わず身を震わせる。
「演習中に、誤って腹部に銃弾を受け、治療の甲斐なくそのまま亡くなったということらしいのですが、
問題はその死亡時期です。
1938年の6月に死亡しているのです。
その時、正岡は二十九歳。一際優秀だった彼は二十八歳の時からすでに大尉でした。
しかし、残るメンバーのうち、岩川と早田が大尉に昇進したのは1938年8月、二十九歳の時です」
それを聞いて、師匠が頷いている。そういうことか。そう言いたげな仕草だった。
「つまり、岩川と早田が大尉の階級章をつけているこの写真からは、
撮られた時期が、1938年8月から事件を起こすまでの間だということが分かるのですが、
問題は、1938年8月の時点で、正岡がすでに死亡しているということなのです」
僕はコピーされた写真をもう一度覗き込む。 マグナHLは意味わからんほど硬いからやりたくないわ
マグナ2 より硬いとかどんだけだよ 左の隅に遠慮がちに座る男。眉が薄く、どこか子どもっぽさの残る顔立ちをしている。
正面を見据えながら、無表情に口を引き結んでいるその男が、
その写真を撮られる二ヶ月以上前にすでに死亡していた……
そのことが持つ意味が分からない僕ではなかった。
「心、霊、写、真?」
思った以上に間抜けな声が出てしまった。
師匠が僕を睨みつける。
しかしそういうことなのだろう。
軍隊という究極の上下関係組織に身を置くのだから、
こういう写真一つ撮るのにも、その座るポジションには決まりごとがある。
中央にいるほど、そして前列にいるほど目上の人間だということだ。 『老人』が中央なのは当然として、その左右につくのが大尉である岩川と早田。ここまでは分かる。
しかし彼ら二人よりも早く大尉に昇進し、メンバーの精神的支柱でもあった正岡哲夫が、
こんな左の隅に座っているなんてありえないことだった。
彼が、その場に本当にいたのならば。
「この左隅の人物は、本当にその正岡哲夫なのか」
「少なくとも、資料に残る正岡大尉の写真に極めて似ています」
松浦は研究本の頁を開いてこちらに見せた。
そこに出ている正岡の顔は、確かに目の前の写真の人物と瓜二つだった。
「仲間だったという証言があり、現にこれだけ似ているのです。正岡大尉ではなく、別人である可能性は低いでしょう」
師匠は小さく唸った。そして「その、正岡の死亡時期と、岩川たちの大尉昇進時期の信憑性は?」と、さらに確認する。
「弁護士先生がその齟齬に気づきましてね、それが事実ならばこの写真の持つ意味が根底から崩れてしまう。
最優先で裏を取りましたよ。
いずれも軍の記録にはっきりと残っています。
結論として、正岡の死亡は38年6月。岩川、早田の大尉昇進は、同年8月で間違いありません」
「だったらこいつは」と言いながら、師匠は写真の顔のあたりを小突いた。 「その幽霊ってわけかい」
「それを調べるのが、私の依頼する、あなたの仕事です」
心霊写真の鑑定をしろというのか。
これほど大変な事件に関わることに、そんな胡散臭いことを絡めていいのか、という至極当然の思いが湧いた。
しかし、死んでいて、もういないはずの男が写っているなんていう怪しい写真が、
この歴史的スキャンダルの唯一の証拠写真だなんて、その噛み合わない感じがおかしくて僕は落ちつかなかった。
松浦と師匠は、お互いの視線を正面から受け止めあい、
しばらくその瞳の奥のものを読み解こうとするかのようにじっと動かないでいた。
やがて師匠は力を抜いたように笑い、
「ま、いいけど。ちょっと時間が欲しい」
「どのくらい」
「二日」
「だめだ」
師匠は松浦を睨む。
「じゃあ明日にはなんとか」
「だめだ」 松浦がそう言い切った後、三十秒ほどの沈黙ののちに、師匠が「今夜中に」と言った。
松浦は「いいでしょう」と頷き、
「それは複写の複写です。今夜まで預けますが、余計なことを考えると、ためにはならないことを申し添えておきます」
と、ごくあたりまえの口調で付け加えた。
しかし、その言葉は、彼の使う若い衆などの脅し言葉などよりよほど真に迫る危険さを秘めていた。
「ああ、それと」
立ち上がりかけた松浦はもう一度腰を落とし、懐から封筒を取り出した。その中から数枚の写真が出てくる。
「私は、再現可能性というやつを重視するのでね。
あなたの『鑑定』の説得力も重要ですが、同じことを同じように再現する証明方法も大切なものです。
この写真、いずれも心霊写真と言われているものですが、それらについても真贋について『鑑定』願いますよ」
松浦が師匠に提示した写真は全部で四枚。
海辺で家族連れが撮ったと思しき記念写真には、立っている男の子の両膝から先が写っていない。
カップルがアイスクリームを手にピースをしている写真には、女性の方の肩に誰のものとも知れない手が乗っかっている。 >>927
中1の時にこんな感じで友達を射精させたことある
風呂場じゃなかったけど グラブルに村民の童貞をえみりんが貰ってくれる規約があったらいいのに 儚いさんはたまに人とコミュニケーション取れるからまだマシ HLはHPか敵の硬さだけなんとかしろ
マグナ2より時間かかるのはやばい 村は村でも絶対に住みたくない村はなーんだ(´・ω・`)? 家の前で取られた写真では、
母親と男の子が写っているその後ろ、家の窓に薄笑いを浮かべている不気味な男が薄っすらと見えている。
飲み会の席での一場面を写したものには、
盛り上がる人々の後ろにもやのようなものが現れ、そのもやがやはり人の顔のように見えた。
「急遽つてを辿ってかき集めたのでね、どれも本物かどうか私にも分かりません。
しかし、それが撮られた背景はすべて把握しています。適当なことを言ってもバレますよ」
「メインと合わせて全部で五枚か。それで報酬が五倍かよ。偉そうに言ってたわりに、計算どおりじゃないか」
師匠の軽口に松浦も応じる。
「あなたにはさらにその倍を、と言ったはずです。信用できないなら、いま手付け金を」
懐に手を入れかけた松浦を、師匠が制する。
「金は要らないと言ったはずだ。
わたしの望みは、とっととこの茶番劇が終わって、ヤクザのいない平穏な日常が戻ってくることだけだ」 「俺は、金を要らないという人間は信じない。
ここまで知った人間をただで解放すると思うか。
依頼は果たせ。それを果たすことを、金も取らず、どうやって俺に信用させる」
松浦の口調と、その背負う空気が変わった。
返答次第では、ただではすまない。それが分かる。
異様な緊張感の中、師匠がうっそりと口を開いた。
「わたしには、これしかないんだ。そんな人間のプライドを、お前は笑うか?」
とても澄んだ目で、表情で、師匠はそう言ったのだ。
松浦は一瞬、うろたえたような、そんな風に見えた。だが、すぐに無表情に戻り、「いいだろう」と呟いた。
そして名刺を水平に飛ばすようにして投げ、
キャッチした師匠に「今夜九時までに連絡を入れろ」と言い置いて立ち上がった。
そしてドアから出て行く時に、なにか言おうとして立ち止まりこちらを振り向いたあと、
そして結局なにも言わずに向き直ると、そのまま去って行った。
やがて階下にエンジンの重低音が響き、その音もすぐにどこかへ行ってしまった。
僕はようやく深い息を一つついた。
ぐったりと疲れている。ただ聞いていただけなのに。
硬直し、止まっていた空気がようやく流れ出したような気がする。 「なんなんですか!」
僕はそう喚いた。
「消えた大逆事件だのなんだの、わけのわからないことばっかり言って、挙句が心霊写真ですか。
なんの茶番だって言うんです!」
「まあ落ち着け」
師匠は手にした写真のコピーに目を落としたまま、まだ身動きをしない。
「所長の留守中に、勝手にこんな依頼を引き受けて、どうなっても知りませんよ」
「うるさいな。ちょっと静かにしろ」
「だいたい、これが心霊写真ですか。こんなにはっきり写ってるじゃないですか。これは人間ですよ、普通の。
それが正岡なんとかだってんなら、死んだ時期か、撮影時期か、どっちかが間違ってるんですよ」
「その可能性が低いから、この写真の信憑性が疑われてるんだ」
「心霊写真だからって言うんですか。
これは世紀の大スキャンダルを暴く貴重な写真ですが、信憑性に疑問があります。なぜなら心霊写真だからです。
ってわけですか、馬鹿馬鹿しい。
いったい信憑性ってなんなんですかね。
だいたい、あの松浦とかいうヤクザ、
なんでこんな大それたヤマに、こんなインチキ臭い興信所を巻き込もうとしてるんですか」 桂馬は発言ほとんどコピペなんだよな
キチガイならキチガイらしくちゃんと手打ちしろ
横着するな たまにコミュ取れるだけでまとも扱いてストの世界ヤバない? 「静かにしろ」
師匠は喚き散らす僕に目もくれず、松浦の残していった『心霊写真』だという四枚の写真の方に手を伸ばす。
「あいつは、見えてるよ」
一枚一枚、丁寧に眺めながら師匠はぼそりと言った。
「え?なにがですか」
「霊の話をしてると、寄って来るって話、昨日したろ」
した。確かに、松浦の前で師匠はそう言った。その直後、松浦は師匠と同じように窓の外に顔を向けたのだ。
僕が子どものころならば、『バカが見る、ブタのケツ』とでも言って、その臆病振りを小馬鹿にするところだ。
しかし師匠は驚くようなことを言った。
「あれ、通ってたんだよ。窓の外に」
「は?」
「浮遊霊の類かな。髪がぼさぼさに伸びた、女だか男だか分かんない気持ち悪いのが。
そういう話に惹かれてだと思うけど、すうっ、とな。だからそう言ったんだけど」
僕は唖然とした。そんなもの、全然気づいていなかった。ただの冗談だとしか。
「あいつは、見えてたよ。わたしが話を振るよりも一瞬早く、そっちに顔を向けてた」
そんな。
しかし妙に符合するものがある。 ツーラーガチでbanされまくってんな
箱を掘りまくったやつログを掘られまくってるっぽいな あの、師匠と松浦が二人して窓の外を見た後、
驚いたような表情で真っ直ぐに向き合って、お互いをしばらく見詰め合っていた。
あの瞬間、口には出さずとも、互いに認め合ったということか。
胸の奥がチクリと痛くなった。
僕には、見えていなかった。
師匠が四枚のL判写真を机の上でトントンと整え、また一枚目から丹念に眺めていく。
幽霊を信じるヤクザ。
それを笑いたい。役に立たない自分の代わりに。
幽霊を信じるなら、人の恨みを買う、そんな家業から足を洗えばいいのに。馬鹿なやつだ。
それを笑いたい。
笑いたかった。
静かに時間が過ぎた。 十分ほど経っただろうか。ふいに事務所の電話が鳴った。
ドキリとした。電話の音はなぜこんなに人を不安にさせるのか。
「はい、小川調査事務所」
師匠が電話に出る。しかし、会話は続かなかった。
「もしもし?もしもーし。小川調査事務所ですが」
師匠は「もしもし」と繰り返している。電話が遠いのだろうか。
僕は思わずそばに近寄って、師匠の持つ受話器に耳をくっつける。
「もしもし?聞えないから、切りますよ。いいですか……」
師匠はそう言ってから、たっぷり十秒待って、口を開いた。
「田村か」
電話の向こうで笑う気配。
「田村だな。どういうつもりだ」
電話を掛けてきたのは田村なのか。松浦が石田組を挙げて捜索しているにも関わらず逃げおおせている張本人の。
「心配しなくても、石田組のやつらはいない。押し掛けて来たけど、もう帰ったよ。
全く、お前のせいでこっちはいい迷惑だ。どう仕舞いをつけるつもりなんだ」
師匠が田村を非難しながら、空いている方の手で着ているジャケットの内側を探っている。 ツーラー後追いでどんどんBANされてて笑いが止まらんw そしてなにか紙のようなものを取り出した。
「こんなやばいもの、預けやがって」
僕は本当に驚いた。目を疑うというやつだ。
師匠が懐から取り出したのは、写真だった。
それも、色褪せてはいるが、複写される前の、消えた大逆事件のメンバーたちが『老人』を囲む写真。
和服姿の初老の男の顔に、なんの歪みも、汚れもない正真正銘の、現物。
眉間と頬に深い皺の刻まれた厳しい顔が、すべてを見下すようにわずかに顎を上げてみせている。
なぜ。なぜここにオリジナルが。
その言葉しか頭に浮かばなかった。
だが、すぐにその答えも見つかる。
あの時だ。礼も言わずに帰るのか、と師匠が言った後、田村がよろけるようにして肩をぶつけ、去って行ったあの時。
あの一瞬に、田村は隠し持っていた写真を師匠の服のどこかに滑り込ませたのだ。
師匠はそれに気づいていながら、ヤクザたちの尋問にもすっ呆けて押し通していたというのか。
「どうしてなんだよ」
師匠が写真を手にしたまま問い掛ける。その写真の裏側に、鉛筆で走り書きがしてあるのに気づいた。 >>947
3000円でいいかな
全ての童貞村民から三千円徴収したら倉が立ちそう 老人
そう書いてあった。師匠の字ではない。
そうか。また、ふに落ちるものを感じた。
師匠が昨日の松浦との会話の中で、『老人』の名前を出した時、
なぜそれを知っている、と問い詰められ、田村がうわごとでそう言ったと答えたのだが、
僕の記憶している限り、田村は意識を失うことはなかったはずだった。
痛みと疲れで息をするのがやっと、という状態だったが、それでも油断なく周囲に意識を張り巡らせていた。
師匠は『老人』の名を、田村から聞いたのではなく、
写真の裏側に、まるでその写真の主題であるかのように書かれた文字から知ったのだ。
そしてその『老人』とはなんなのか、危険を承知で松浦にカマをかけた。
『…………逃げ切れる自信がなかったからだ』
田村の声だ。
確かに受話器の向こう側にいるのは、昨日小川調査事務所にふらりと現れて、そして去って行ったあの男だった。 >>955
できるけどそれ毎日やれと言われたらグラブルやめる >>960
動画も編集できて小説も執筆できちゃうって? 『やつらに捕まっても、写真が手元になければ、俺の命を保障する、有効な取引材料になる』
「そのせいでわたしたちを巻き込んだのか」
『……悪いとは思っている。しかし背に腹は代えられない、ってやつでな』
「病院には行ったのか?傷はどうだ」
『気にするな。どうってことはない』
「よく逃げ切れたな。捕まったって聞いたぞ」
『奇跡的にな』
「誰か刺しでもして振り切ったのか」
『本職相手に、そんなこと出来るわけがないだろう』
師匠はそこでなにか少し考えるような間を空けた。そうして確かめるようにゆっくりと問い掛ける。
「あの電話、お前か」
あの電話?
一瞬何のことか分からなかったが、ふいに閃くものがあった。
小川調査事務所に掛かってきた、田村を見つけた、という電話だ。
あの時は、老けた顔のヤクザが電話を取ったのだが、あの電話のおかげで小川調査事務所からマークが外れたのだった。
もしあのままなら、ひょっとすると拷問まがいの本格的な取調べをされ、
師匠がその時持っていた本物の写真も発見されていたかも知れない。 みざの作品はいかにも偏差値37って感じの
文法がおかしい作文見れるで そして結果的に田村は捕まっていない。
そう思うと、あの電話にはなにか作為的なものを感じるのは確かだった。
『…………』
電話口で十秒ほどの沈黙があった。
やがて湿ったような音が聞えてくる。
『何のことか分からないな』
師匠は舌打ちをする。
「まあ、どっちだろうと良いんだがな。なぜわたしが、やつらの脅しに屈してこの写真を渡してしまわないと思ったんだ」
『…………俺と同じ匂いを感じたからだ』
「なんだそれは」
くくく、と電話口で笑う声がする。
『ヤクザが嫌いだろう』
「それだけかよ」
『いや。好奇心、猫を殺す、ってな。お前も、俺も、そういうタイプなのさ』
「近頃は、克己心だって猫を殺すらしいぞ。お前、こんな自分の身に余るネタを握ってどうしようってんだ」
『それは俺の勝手だ』
「あっそ。だったら、この写真、やつらにくれてやりはしないまでも、灰皿の上で火をつけりゃ、あっという間にケムになるぞ。
どこに隠れてるのか知らないが、お前が走って消しに来たって間に合わない」 >>960
動画も撮ってるしサムネも作れちゃう
おまけに執筆活動もしててパンツも売ってる
改めて考えると凄いな、って思うなあ。俺はやっぱ。凄いなあと思うなあ。 見えないだろうに、師匠は所長愛用の灰皿を手元に引き寄せ、ライターの火をつける真似をした。
『そんなことをすれば、近代日本史の闇の一つが、永遠に失われる』
「大袈裟だな。ただの写真だろ。とにかく、どうケリをつけるんだよ」
師匠がそう言うと、相手は黙り込んだ。
僕は唾を飲み込む音を聞かれないように、少し離れた後、また受話器に耳をつける。
『…………駅前にロッカーがある。その……54番に、その写真を……いや……』
そこでまた黙った。
聞き漏らさないように、僕はメモ帳とペンを手探りで手元に引き寄せる。だが田村はそこで会話を止めた。
『また連絡する』
「おい、ちょっと待てよ。おい」 電話は切れた。
僕と師匠は顔を見合わせる。
「切りやがった。どういうつもりなんだ」
そう文句を垂れる僕の憤りを軽く聞き流しながら、師匠はなにかしたり顔で頷いている。
「びびってるねえ。疑心暗鬼ってやつだな」
「田村がですか」
「そうだよ。さっきは駅のロッカーを使って、写真の受け渡しの指示をしようとしたんだ。
だけど、それを取りにノコノコ出てきたところを、石田組のやつらに待ち伏せでもされたらイチコロだからな。
当然わたしなんか信用できなのさ。
だけど、石田組のやつらが危惧してるみたいに、
他の石田組と対立してるヤクザどものところへ、逃げ込むことも出来ないでいる。
結局、疑心暗鬼に陥って、今は誰も信用できず、どこか誰も知らない場所で息を潜めてるんだよ。
さっきここへ電話して来たのだって、勇気が要っただろうに」
師匠が大袈裟なポーズで哀れんでみせている。
「あの感じじゃあ、しばらくは田村からも連絡はないな」
「どうするんですか」
「決まってるだろう。写真の、謎を解くだけだ」
師匠は全部で五枚の写真をまとめ、松浦が残していった封筒に入れた。 それから僕らは連れ立って小川調査事務所を後にした。
師匠は「餅は餅屋だ」とだけ言って、行き先は告げなかった。僕はただそれについて行った。
JRの駅に向かったので少しドキドキしたが、ロッカーには近寄りもせず、切符を買って改札を抜けた。
一番安い切符だった。
普通列車はさほど混んではいなかった。
師匠が乗車口の近くで吊り革につかまって立っていたので、僕もそうする。
どこへ行くのだろうと思っていると、出発のチャイムが鳴り出した。
そしてドアが閉まり始めた瞬間だった。
「降りるぞ」
師匠はそう言いざま僕の手を掴み、無理やり引っ張って、閉まるドアをすり抜けるように電車から飛び降りた。
乗る電車を間違えたのかとも思ったが、師匠はホームに降りた瞬間、左右を素早く見回した。
「誰も、降りなかったな」
「ええ」
師匠はふん、と頷いた。 まさか、と思ったが、今のは尾行をまく時の手ではないだろうか。
「尾行されてたんですか」
「いや、念のためだ」
師匠が言うには、松浦が尾行をつけさせた可能性があったのだという。
こちらが田村とつながっていることを疑い、泳がせておいて接触したところを押さえる腹かも知れないのだと。
確かに、結果的にあわやそうなるところだったわけだから、そんな馬鹿なとは僕も言えなかった。
しかし尾行者はいないようだった。
「お前はまだ素人だからな。
尾行のことを話せば、もし本当にされていた場合、こちらが気づいたことを相手に気取られる危険性があった。
そうなると、こんな電車を使った古い手が通用しないことも考えられたけど……
まあ、取り越し苦労だったと思っていいだろう」
本当に熟達したやつの尾行は警戒していても簡単には見抜けない、と師匠は言った。
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