束縛のカイナ

幾万のシカバネの上で、キミの悲願は成就スル。
2人キリの孤独ナ世界でキミは何を叫ぶのダロウ。
果たしてワらっテいるのデしょうカ?
全テ無駄なコトだったと嘆くのデショウか?
最後ノ瞬間に貴方が叫ぶ慟哭ヲ
私タチは幾度も見てキマシタ。
………………
…………
……
Case1
波濤の如く押し寄せる人形が、一つに折り重なる。
黒と赤で埋め尽くされた書架には魂のない死体が山のようにそびえ立っていた。
最早四肢に感覚はない。
この身を突き動かすのは、あの人の復活を願う無垢な願いのみ。
この戦いの後に興味はない。
私を待ち構える運命を知らされた今では……
Case2
私はこの光景を幾度も見たのだろうか?
結局、本質を理解できていなかったようだ。
それ以前に、全てのイノチを集めることは出来なかった。
先に、心が砕けてしまった。
不完全な形で顕界した最愛の人。
それが、今は……自我は崩壊し、人の姿を保てなくなっている。
刃を握りしめる。
鋭い刺激と刃を伝う鮮血。
その痛みが、私の意識を繋ぎとめる。
「私が……終わらせる。」
――再会の果てに選ぶ結末は、破滅を求める祈りとなった。
Case3
始めからソコにあった。
気づけばソレに頼っていた。
それこそがこの歪な聖戦を
生み出した者の狙いだった。
「束縛されていたのは私のほうだったのか。」
世界の真相に近づく度、蜃気楼のように遠ざかる存在。
ようやく、答えに辿りついたというのに……
届きそうで届かない願いは、諦めかけた想いを強く揺さぶる。
その悔しさという感情で、私は――