正義のゾウフ

幾億の犠牲の上に立ち、キミの悲願は成就スル。
2人キリの孤独ナ世界ではキミは何を叫ぶのダロウ。
果たしてワらっテいるのデしょうカ?
正義の本質に気ヅキ、嘆くのデショウか?
最後ノ瞬間に貴方が叫ぶ慟哭ヲ、
私タチは幾度も見てキマシタ。
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Case1
主と同じ姿、同じ声で私の正義を糾弾する男は
私の絶望を餌に肥大化する。
土足で穢された、私の白い世界。
そこで正義の剣を振るう度、
鏡の破片が深く突き刺さる。
死に至る負傷でないことはわかっている。
ただ、揺らぎかけた正義が闇となり、
私を覆いつくすまでそう時間がないことは
明白だった。

Case2
焦土と化した世界で白は赤に染まる。
自らの罪を振り返るその姿は、まるで……

無垢であろうと誓った、あの日。
正義に固執するようになった、あの日。
そして、自らの本質に触れた、今日。

「一番汚れていたのは、私だったのか。」
不思議と受け入れることができた現実は
最も簡単な結末へと、穢れた私を導いた。

Case3
こんな最後も悪くない。
後は、任せた……。