夢によく出てくる同じクラスだった田口さんや豊島さんは、自分と同じ44歳である。

夢の中では自分と恥ずかしそうに喋っているが、そんな恥じらいはもうないだろう。

44歳といえば、夢の中にでてきた彼女らの母親の年齢である。

もう田口でも豊島でもなく、別の苗字を名乗って、それぞれの人生を着実に歩んでいるだろう。

自分だけ14歳のときで止まっている。

14歳が人生のピークだったとつくづく感じる。

その時は全く楽しいともつまらないとも思っていなかったその時期が人生のピークだったのだ。

毎日が楽しいというわけでもなかったが、後から振り返れば、それが楽しい毎日だったのだ。

青春というのは残酷で過ごしている間は青春と感じさせず、あとから気づくものらしい。

でも、自分の人生のピークがあのときで終わりなんてとても悲しい。

あの程度が自分の人生のピークだったのだ。

普通の中学生なら当然に過ごせた1年間が自分にとってのピークだったのだ。