……あれ? 私、は……確か……。

 
謎の声が聞こえる中自分が置かれている状況を確認する。視界はぼやけているからハッキリとは分からないが、暗い場所に居て周りに人はいない。そして後ろは……壁、か何かだろう。背中に冷たい感触が伝わってくる。両腕は後ろで縛られて──。

  
「(っ!?)」

 
そこまで気付いて朦朧としていた意識が覚醒する。

 「フェルティアちゃん、フェルティアちゃん──!」

 
「ひっ──!?」

 
私に跨るようにして男の人──さっきのファンの人がいた。さっきの優しい表情とは違うその男の顔を見た私は一瞬にして恐怖に染まる。


今はその男の両手で私の胸は揉まれている。それを拒もうとしても、両腕は後ろで縛られているから抵抗は出来ない。


「んむっ、ちゅる、ちゅっ!」


強く、弱く揉んだり。固くなってしまった先端をつまんだり、舐められたり、噛まれたり。
 

「(──っ、んっ……! 気持ち悪い……何で舐めるの?)」


 

そんな行為に耐えるように私は声を必死に殺す。この人に従わないという反する意思を示すために。