中国、韓国の両政府は、緊急時にお金を融通しあう「通貨スワップ(交換)協定」を、期限を迎える10日に終了した。韓国は延長を求めていたが、米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の韓国配備を巡って両国関係が冷え込む中、中国が期限内に応じなかったとみられる。

 中韓両国の通貨スワップは2009年に締結され、これまで3度延長された。金融危機の際、両国の中央銀行同士で中国は最大3600億人民元、韓国は最大64兆ウォンを融通しあう仕組みで、韓国が締結するスワップで最大規模だった。

 韓国は外貨準備が約3800億ドル(世界9位)でただちにスワップが必要な経済状況ではないが、日本政府が釜山の日本総領事館前の少女像設置への対抗措置として日韓通貨スワップの協議を中断する中、中韓通貨スワップの維持は金融の安定性を確保する象徴的な意味があった。(ソウル=武田肇)

2017年10月11日19時35分 朝日新聞デジタル
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