中学の頃、教師からの評価を良くしたかったのと、ケミカルな雰囲気が格好いいと思い込んで一ノ瀬ラボの手伝いを良くしていたんだ(中略)
でも当時のボクは、自分がだんだん子供ながら天才的な化学の知識を持つすごい奴だと勘違いし始めててね、ある日友人の蘭子を無理やり誘ってラボに忍び込んだんだ。
そこで適当な物質(っと言っても多分ふっとう石とかかな)を指で触りながら
「へえ…一ノ瀬先生もなかなか良い物を仕入れて来るんだね。」
とか言ってたり、
適当な薬品の入った瓶を傾けて
「ははっ。ちょっと調合の具合がおかしいかな。ま、実験用には十分か。」
とかほざいてたよ。
蘭子は当然はぁ…?って感じ。
それでも僕はおかまいなしに「フン。」とか「ははっ!」とかやってたのさ。
そこで一番奥の戸棚を開けて急に表情を変え、「!!これは!一ノ瀬博士!いったい…!なんて物を!何をしようとしてるんだ!」
って言ってみせた。蘭子も驚いて「そ……それは終焉を呼ぶパンドラの箱か?(な……何か危ないモノだったの……?)」って聞いてきた。
僕は「こんなの黒の教科書の挿絵でしかみたことない…!
それなら、もしかしてこっちの瓶は!?」って別の瓶を手に取って嗅いだんだ。(中略)直嗅ぎした僕は
「エンッ!!!」って叫んで鼻血を勢いよく噴出しながら倒れ、泣きじゃくってる蘭子に事務所の医務室に運ばれた。
僕は助かったが、どうやら蘭子は変な勘違いをしたらしく、
「飛鳥ちゃんは黒の教科書に乗ってる毒物に感染したんです!!」ってふれまわっていた。
それ以来僕のあだ名はシャブ&飛鳥になった。当然もう一ノ瀬ラボに行く事は無くなったよ。