なりきりプレイその三
『何事にも動じてはならない』

大体筆箱を隠すとかそういう精神的な嫌がらせは何故かこの頃の俺は全く動じてなかったが、流石にすれ違いざまにボディブローとか雑巾を顔面に押し付けられると否が応でも反応してしまう。悔しいけど感じちゃうのだ

でもそれでは王の威厳が丸潰れである
なので俺はそういう物理的な攻撃も極力小さな反応で応じる努力をした
いきなり殴られても「ぐっ……ぅ」と般若面の顔真似で対応
階段から突き飛ばされても転がり落ちながら(自分の中では)華麗なステップで復帰
雑巾を頭上から絞られても髪をかきあげて水もしたたるいい男感を演出していた

これは結構上手くいったつもりだったが、俺の反応が面白かったようで、皮肉な事にいじめはどんどんエスカレートしていった