X



自分語りスレというものを建てたいと思ったので建てた(自己完結)

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名も無き被検体774号+ (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 04:42:33.31ID:q2Y0e0Uza
建ったら書く
まあ建つまで建てるんですけどね
00141 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 05:49:38.51ID:q2Y0e0Uza
さてそんな小一病を拗らせた俺の家庭事情だったがもういいや面倒臭い、舞台を学校に戻す

俺が王になる為にはどうすればいいのか
小四に上がり「高学年」の称号を無理やり押し付けられた俺は、王になる為の努力をしてない事に焦燥感を抱いていた
そもそも「王」とは何なのか?
俺は藁にもすがる思いでボンちゃんに問うた
問うた……けどなんて返事されたかは覚えてないので多分クソしょうもない返答だったんだと思う

とにかく形だけでも王になろうと思って俺は王になりきる事にした
王のロールプレイだ

王たるもの他人から虐げられていたんでは話にならない
それまでは特に意識してなかった俺に対するイジメだったがその時俺は初めて、まずこの問題を解決せねばと思い行動に移した
00151 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 05:55:36.64ID:q2Y0e0Uza
これより突然だが俺の王への道奮闘記を記す

なりきりプレイその一
『常に庶民の変化に気を配る』

ある朝、いじめっ子が髪を短く切ってスポーティになってたので隣に近寄りすかさず「スポーティだな!」と発言
ぶん殴られる
恐らくスポーティを何かの悪口だと思ったんだろう
俺もあんまりスポーティが何なのかよく分かってなかったから「短髪=スポーティ」という連想で軽率な発言をしたことを反省した
殴られて当然だと思った
00161 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 06:01:42.56ID:q2Y0e0Uza
なりきりプレイその二
『日々勤勉たるべし』

ちなみにこのサブタイトル的なのは俺が今考えただけで、小学生の頃は漠然とした王のビジョンに基づいて実際にやってみているだけである

授業で「分かる人〜」と言われたら考えるよりまず先に挙手
当てられたら儲けもん、じっくり考えてから回答
嘘をつくのは悪い事なので熟考した末分からなければ無駄に足掻かずに「分かりません!」と回答
結果先生からは「ふざけないでね」と言われいじめっ子からは「は?だるお前」「ふざけんなちゃ」「ぶち〇すぞ!」と言われる

俺は何が間違ってるのか分からなかったが、次第に「分かってて手を挙げてる人に申し訳ないな……」と思いこれは辞めることにした
00171 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 06:10:45.93ID:q2Y0e0Uza
なりきりプレイその三
『何事にも動じてはならない』

大体筆箱を隠すとかそういう精神的な嫌がらせは何故かこの頃の俺は全く動じてなかったが、流石にすれ違いざまにボディブローとか雑巾を顔面に押し付けられると否が応でも反応してしまう。悔しいけど感じちゃうのだ

でもそれでは王の威厳が丸潰れである
なので俺はそういう物理的な攻撃も極力小さな反応で応じる努力をした
いきなり殴られても「ぐっ……ぅ」と般若面の顔真似で対応
階段から突き飛ばされても転がり落ちながら(自分の中では)華麗なステップで復帰
雑巾を頭上から絞られても髪をかきあげて水もしたたるいい男感を演出していた

これは結構上手くいったつもりだったが、俺の反応が面白かったようで、皮肉な事にいじめはどんどんエスカレートしていった
00181 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 06:12:39.55ID:q2Y0e0Uza
確か半年は続けた気がする
色々と試したが、結局俺はある時ふと重大な事実に気付いてしまった

俺 は 王 に な れ る 年 で は な い
00191 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 06:18:07.85ID:q2Y0e0Uza
小学生にして王になるのは時期syosoだという事に、かなり時間を置いてから気付いてしまった
今やるべきは、王になりきる事ではなく王になる資質を磨くこと
記憶が曖昧だが王になりきっている間ボンちゃんとも深く交流してなかった気がする
自分の名誉の為に友を疎かにするのは本末転倒
その時点で王足りえないのだと
00201 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 06:22:31.98ID:q2Y0e0Uza
ふぅ……
とりあえず20レスはいけたわ
ここからは時間が空き次第まったり書いてく
バーーーーっと勢いで書いたから疲れた……死のう……

dat落ちの条件とかよく知らないんだけどこんだけ書いたら流石に即死は無いよな
0021名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW 7f12-spoI)
垢版 |
2019/02/16(土) 07:44:37.96ID:x9uXFmVC0
おもしろいよ
0022名も無き被検体774号+ (アウアウウー Sa4b-nFDO)
垢版 |
2019/02/16(土) 08:06:47.39ID:DkH0YsvNa
見てるよ
00231 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/16(土) 15:54:25.08ID:hgvfzH02a
ありがたーい
今日の深夜にまた突如として現れる
0024名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW 27e1-ayy1)
垢版 |
2019/02/16(土) 17:06:04.63ID:0VzyT8d+0
みとるよー
0025名も無き被検体774号+ (アウアウカー Sa5b-ovsk)
垢版 |
2019/02/16(土) 20:55:05.37ID:mFeruGMza
今夜も楽しみにしてる
00261 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 01:38:23.76ID:dPtW7yHEa
きた
かく
0027名も無き被検体774号+ (ワッチョイW 87bf-uyju)
垢版 |
2019/02/17(日) 01:41:28.62ID:7EwhskYa0
おう
00281 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 01:48:25.38ID:dPtW7yHEa
どこまで書いたっけかと思って読み返してみたら小学生だから王になれないって所までか
悲しいよな

俺はそれからいつか来たるべき王就任の時までは、極力自分が王になるという事は忘れておくことにした
おくことにしたのだが……

中学生になった俺は本当にそれを忘れてしまった
将来の夢が変わったのである
子供の夢はコロコロ変わるものだから仕方の無い事でもある
悲しい事にそれからしばらくは俺がその夢を思い出すことはなかった

でも悲しい事だけではなかった
中学に上がると俺へのいじめが軽減されるようになった
うちの地元は小学校が近い所に二つあって、それからまた近い所に中学校がある
この二つに通う生徒の半数は、この同じ中学に行く事になるのだ
生徒の総数が増えた事で俺の存在が希薄になり、いじめ自体が少なくなったって訳だ
水で薄めたカルピスみたいなもん(?)
00291 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 01:54:32.33ID:dPtW7yHEa
でも中一になって急にイジメが無くなったもんだから俺は逆に心配になった
え?皆俺の事見えてる?もしかして俺は死んだの?
そう思っていた
でもボンちゃんは変わらずよく話し掛けてきてくれたから、どうやら死んではないらしい

イジメが軽くなったって言っても、別に皆急に俺をチヤホヤし始めた訳じゃなく、軽い嫌がらせとか俺への態度は全く変わっていない
書いてて思ったが、そりゃあ新しい環境に入りたての頃は皆とりあえず様子を見るよな
真っ先にこいつイジメたろ!みたいな奴はクラスで浮いてしまうリスクもあるから恐らくそれで一時沈静化したんだろう
20年越しに真実が分かってしまった
00301 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:00:04.66ID:dPtW7yHEa
さて、俺は夢が変わったと言ったが、今度の夢は「王になる」みたいな馬鹿げたものじゃなかった
俺もこの頃から段々と常識という物が身についてきたらしい
かと言って普通で平凡でなんの面白みもない大人にだけはなりたくない!
いっちょまえにそんな生意気な思考はあった
結果俺の中で出した答えは「小説家」だった

非現実的でも現実的でもない微妙な夢だとお思いだろうが、なんと驚くべき事に当時の俺は
100%なれる!なれて当然!すまん、なれない奴おる?‪wくらいに思っていた

俺は外で遊んだりするのはあまり好きではなく、昼休みはもっぱら図書館で本を読み耽っていた
恐らくそれが小説家という途方もない夢を抱くきっかけになってしまったんだと思う
00311 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:05:47.67ID:dPtW7yHEa
小説家になるからにはやっぱり豊富な知識がないとまず話にならない
そう思った俺は勉強を頑張った
国語、数学、化学、歴史、もちろん美術なんかも含めて全ての教科の知識を強化しようとした
教科を強化しようとしたのだ

もう一度言う
教科を強化しようとしたのだ


その甲斐あってか、俺は中間テストや期末テストでは基本的に100点、低くても90点を下回る事は無くなった
俺の小学校時代を知らないクラスメイトからは、
「スグル君って頭良いんやね!」
「優等生やん」
など多数の高評価をいただきました
誠に恐縮でございます
00331 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:13:31.84ID:dPtW7yHEa
生意気注意報発令
以下の文章には生意気な表現が含まれております
生意気アレルギーの方は閲覧を御遠慮下さい
生意気が苦手な方は医師に相談の上、十分注意してご閲覧下さい


しかし俺はクラスメイトに褒められる度に、嬉しいと同時に腹立たしかった
知識は「頭の良さ」という括りで見れば、それが占める割合はもの凄く少ない部分だ
何故なら知識は「知っているだけ」であって、頭の容量的には誇示する意味があるものの、それ以外の何物でもないからだ

俺がテストで100点を取っているのは勉強したから
授業で教えられた事を知っただけに過ぎない
どんな知識も教えられれば誰だって知る事が出来る
それなのに俺の事を頭が良いと言うのは、単に自分が授業を真面目に聞きたくない、テストで低い点を取っちゃうのを
「あいつは頭がいいから自分より点数が高いんだ」と決めつけて無理やり納得させているに過ぎない



そんな事を鼻くそほじりながら考えた中一の夏
00341 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:18:42.53ID:dPtW7yHEa
言い訳をさせて貰うと、別にイキってた訳じゃない
本気でそう考えていただけだ
でも確かに周りからそう言われ始めて、優等生というキャラクターを演じ始めていた自分がいた事も事実である
現に、ボンちゃんからの遊びの誘いもそれまではノータイムでOKしていたがその時期は、
「ごめん、今日は図書室で本を読むから」
と誘いを断る事も多くなった
図書室で本を読みたかったのは本当だが、「図書室で本を読む自分」に酔っていた節もある

まあボンちゃんは毎回図書室についてきてくれたんですけどね
00351 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:30:30.60ID:dPtW7yHEa
そんな折、またも俺に2つの運命的な出会いを果たす

という事で事件その一

『雨天に降り掛かる災厄!?あの人は見た!』

俺は昼休みのチャイムがなると同時に、誰よりも早く席を立ちいつものように図書室へと向かった
この日はボンちゃんが休みだったため一人で歩いた
朝から雨が降っていて、いつもは直線距離で行くところを、中庭に隣接する渡り廊下を通って行く事にした

その道の途中には体育館がある
入学から約半年、部活に入った新入生達は先輩の指導のもと日々練習に切磋琢磨している
半開きの扉の向こうから気合いの入った掛け声が篭もり気味に俺の耳へと伝わってきた
俺はその練習風景を頭に描き、俺も部活に入れば良かったなぁとか思いながらその前を横切ろうとした
横切ろうとしたら、転んだ
入口前のマットに足を取られて後頭部を盛大に強打した
それだけならまだ良かったが、直後に後方からゲラゲラと笑い声が聞こえ始めた
00361 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:40:14.16ID:YjSVyYGUa
この時の記憶は未だに頭で動画再生出来るくらい印象に残っている

突然の事に呆気に取られて馬鹿みたいに仰向けで硬直していた俺の顔を、見た事もない男子生徒が覗き込んだ
俺が何か口にしようとした瞬間それを遮って
「えっ?www転んだんお前?何で?www普通転ばんやろそこでwwwそこで転ぶ奴初めて見たwwwアホなん?wwwウケるwww」
と怒涛の煽り文句が飛んできた
俺は普通転ばんやろと言われても転んだんやからしゃあないやろと腹を立てた

まさか煽って来るとはミジンコ程も思ってなかったので何を言っていいのか分からず、俺は「しらん!」と意味不明な言葉を口にし自力で起き上がろうとした
そしたらそいつがあろう事が手を差し伸べてきたのだ
やだ……イケメン……?
だが当時の俺はその小さな気遣いにもイラッと来て、結局自力で立ち上がった

出会いは覚えてるのにそこから何であんなに仲良くなったのか覚えてない
俺のマイベストフレンドとの出会いその2
00371 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:47:30.36ID:YjSVyYGUa
前レスで言ったベストフレンドその2はパンサー向井に似てるので、以降名前を向井とする

事件その二
『裸踊りがもたらす悪夢の再来!』

俺はハッキリ言って裸が好きだ
でもそれは女性の裸に限った話であって、野郎の裸なんか見ても全く勃起しないしむしろ萎える

何でそんな事を話すかと言うと、例によって俺は昼休みに図書室に行こうとしていた
廊下を歩いていたら、ボンちゃんが「ねぇ今隣の教室で面白いことありよるらしいよ!見に行こうや!」と言ってきた
俺はその前に何でいつの間に隣にいるんだこいつと思ったが、面白いことと噂されるほど面白いことに興味を持ち、ボンちゃんと一緒にそこに行くことにした

教室で待ち受けていたのは、とても面白いとは形容しきれない、イジメの現場だった
00381 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:51:33.90ID:YjSVyYGUa
どうやらいじめられっ子のデブ男子が無理やり服を脱がされ、踊る事を強要されているらしい
何故か知らんがデブはヘラヘラ笑いながら、踊りそうで踊らない微妙なラインの動きを維持していた
焦らし上手である
ちなみにこのデブはデブなので名前はデブとする(無慈悲)

よく見るとデブはヘラヘラしているものの半泣きである
俺はドン引きしながらボンちゃんの方に顔を向けた
ボンちゃんもドン引きしていた
どうやらいじめっ子の構成員が教室に宣伝して回っていたらしく、ボンちゃんもまさかイジメが行われているとは知らなかったらしい

俺はこのまま回れ右して図書室に行っていいものか悩んだ
00391 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 02:58:59.20ID:YjSVyYGUa
イジメの現場を見て知らんぷりしておくのも気分が悪い
かと言ってこのまま見続けるのも傍観者みたいでそれも嫌だ

結局俺は何も出来ずにただ情けなく突っ立っていた
俺もイジメを経験した事あるから他人事とは思えなかった
(この時は既に俺は小学生時代の経験がイジメだったと理解していたから)

見てると踊りを強要しているいじめっ子側の一人が、
「誰かこのデブ殴りたい人ー!」と募集を募り始めた
そんな奴おるわけないやろ……と思っていたら案の定誰も、面白がって見てはいるものの舞台に上がるのはゴメンだって感じだった

いじめっ子はちょっと待った末、周囲をキョロキョロし始めた
ここで俺はどこかに行くべきだったのかもしれない

いじめっ子と目が合ってしまった
MajiでKoiする5秒前
00401 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 03:06:44.99ID:YjSVyYGUa
いじめっ子ってのはどうやらいじめやすい子に鼻が利くらしい
俺と目が合った瞬間何かを感じ取ったかのように、
「あっじゃあ君さぁ、ちょっと来て!」
と観客を招く司会者ばりの気迫で手招きしてきた

ボンちゃんが「行かんでいい行かんでいい……!」と小声で必死に腕を掴んで来たが、
俺も俺で「ここで逃げるのは癪」という謎の男気さんが心の中でチラ見してきたので、出来るだけ堂々と、肩で風を切りながらポケットに両手突っ込んで歩き始めた

もうこうなったらいじめられっ子の素質があるという才能を見抜かれてはならない
俺は周囲の生徒に「ちょおっとごめんねぇ〜」と言いながら野次馬の群れの間を割いて闊歩した
そして俺を呼んだいじめっ子の顔になるべく接近し、多分数センチくらいの顔面距離で「なぁにぃ〜?」とメンチを切った
00411 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 03:13:58.47ID:YjSVyYGUa
いじめっ子は俺の迫真のオラオラ演技にも全く動じず、「あっうん、ちょっとさぁ」と話を進めだした
こいつ……只者じゃない!

「ちょっとこいつ殴ってん?こう、こう、こう」
いじめっ子は突如その場でシャドーボクシングを始めた
俺に殴り方をレクチャーしたいらしい
でも今の俺はオラオラなので、殴り方なんて数多の場数を踏んできたから知ってるという設定だ
俺は「あー、OKOK」と心の中で冷や汗を書きながらこれどうしようと必死に頭を働かせた

殴ったらイジメに加担した事になるしデブにも悪い
いくらデブは弾力があるからと言って、ノーガードの中学生に思いっきりパンチを食らわせたら流石に痛いだろう
俺はガリガリだけど多分痛いはずだ
痛くあって欲しい
それくらいの腕力が自分にはあると信じたい

思考が混線する中、俺は閃いた
00431 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 03:19:41.79ID:YjSVyYGUa
>>42
有り難き


殴るのがイジメなら殴り合えば良いじゃない!
マリーアントワネットもビックリの逆転の発想で、俺は何とかこの場を切り抜けられないかと思った

「でもただ殴るだけやとつまらんしさぁ……」


「ボクシング、しようや☆」


俺の人生史上イキった場面ベスト5に入るキモイ台詞を口にし、周囲の反応を伺った
周りの生徒は俺の痛々しさにドン引きしていたような記憶があるが、いじめっ子だけは何故か反応が良かった。苦笑いしてたけど。
「あ〜いいやん!じゃあ名前は?」
この時俺は「スグルだ。覚えとけ」と言いたくてたまらなかった気がする
実際は多分「あっスグルです」みたいに名乗った

「じゃあスグルVSデブ!レディ〜ファイ!カンカンカン!」
00441 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 03:28:18.26ID:YjSVyYGUa
さあ一ラウンド目
裸のデブと服を来たガリガリの因縁の対決が始まる

デブは「えっ?えっ?」とまだ状況が飲み込めてなかったようだが、この試合はそんな迷いや困惑が一番の敗因になるのだ

俺がとりあえずファイティングポーズを取ると、デブもファイティングポーズなのかウンコ気張ってんのかよく分からんポーズで答えてくれた

とりあえず勝負を仕掛けなければ話にならないので、俺が先手を仕掛ける事にした
あんまり痛くないようにデブの腹をペチッと殴った
まあジャブみたいなもんだ
俺が人生で初めて故意に人に暴力をふるった瞬間である
実際マジで痛くなかったんだろう、デブは頭に「?」を浮かべたような顔をして首を傾げた
段々腹立ってきたわこいつ、リアルで首傾げていいのは可愛い子だけなんだよ
そんな事を思った記憶がある

しかしこの様子だとデブは反撃してきそうにない
デブが反撃してこなければ俺がしてるのは結局一方的に暴力をふるうイジメと何ら変わらない

どうしよう!助けて!誰か助けて!
あっ……!そうだボンちゃん助けて!
小学生の時みたいに俺を助けて!

チラッとボンちゃんのいた方を見る

い な い
00451 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 03:34:41.24ID:YjSVyYGUa
絶望した
ボンちゃんは変わってしまったのだ
イジメの現場を目にして逃げてしまう臆病者に

……いいや、そんな事は誰だってする
ボンちゃんは悪くない
普通になっただけだ
ボンちゃんはいつまでも友達だ……!

俺の中で謎の葛藤が生まれたが、そんな事は今はどうでもいい
絶望ばかりもしてられない
この状況を打破するのは自分に他ならない、誰かを頼っている時点で駄目なんだ
そう自分に言い聞かせた

「ほら〜、やれや!デブも殴れや!頑張れ〜デブwww」

いじめっ子が健気に応援する事によって、俺のイタさにドン引いていたクラスの野次馬も次第にガヤを飛ばすようになった

「いけ〜!負けんなデブー!」
「頑張れデブー!」
「デブ殴れ!みぞおちを殴れ!」

もしかして俺はアウェーなのか?
しかし俺はへこたれずにその流れに乗じてデブを挑発した

「ホラ、殴ってこんのか?ビビっとんかデブwww」

わざと煽った
00471 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 03:44:01.81ID:YjSVyYGUa
デブはデブの癖にデブと言われたら怒り始めた
苛立ちがあからさまに顔に出た

まあ確かにいきなり現れた謎のキモくてイタいガリガリ男にデブだの何だの罵倒されたらそりゃ怒るだろう

だがこれはデブの為そして俺の為でもある
デブが殴ってこなければ俺も困る

「そんなんだからデブなんだよ」

色々と煽った中のこの発言、よっぽどデブの琴線に触れたらしい
デブはさっきまでヘラヘラ笑いながら裸でモジモジしてた奴の顔とは到底思えない、鬼のような表情に変わり始めた
「ん〜ふぅ〜……!!!!」

デブは腰を深く落とし今にも螺旋丸を打ち込みそうな体勢で構えた

えっ?ちょっと待って?
そんな感じで来るの?待って待って煽ったのはごめんてでも待って
俺そんな本気でいってないしそもそも俺殴ったの一発だけだしそのあとベラベラ喋ってただけだし
俺ガリガリだしあと俺今うんこ漏れそうだしデブにそんな感じで構えられたら流石に命の危険感じるしあと俺うんこ漏れそうだし

殴られるまでの数秒間で俺は死を覚悟した

直後デブは自らの体重全てを拳に乗せて、パンチと言うにはいささか凶暴性に溢れ過ぎた、タックルとも形容出来るようなそんな一撃を俺のみぞおち目掛けてお見舞した


いやお前みぞおち狙うんかーい、かーい、かーい……

殴られて吹っ飛ぶ間やまびこのようにその言葉が頭の中にこだました気がする
00481 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 03:50:28.46ID:YjSVyYGUa
殴られて吹っ飛ぶ
漫画だけの話だと思っていた

俺の貧弱な体は教室前方から教室後方まで綺麗に吹っ飛んだ
傍から見ればそれはそれは綺麗なアーチを描いていたと思う
後ろの机や椅子を盛大に巻き込みながら、まさにドンガラガッシャン的な音を立てて俺は背中から着地した

痛かったのは痛かったが、幸いにも俺は日常的に家で暴力を受けていたので、痛みに耐性があった
それよりもまず吹っ飛んだことに自分で驚いていた
数秒間息が出来なかったのも驚いた

それまでやいのやいの言っていた周りは俺が吹っ飛んだ瞬間ピタリと静寂に包まれた

いじめっ子も野次馬も、皆俺とデブを交互に見ていた
00491 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 03:57:06.31ID:YjSVyYGUa
程なくして、ボンちゃんが呼びに行っていた生活指導的な先生が駆けつけるなり怒鳴り散らした
ボンちゃん、そういう事だったのか……
許してくれメロス、俺はちらと君を疑った

事の顛末は事実と同じ形で先生に伝わり、いじめっ子が一番怒られ二番目に俺が怒られた
うちの先生からはイジメに関する指導の方針を帰りのホームルームで語っていた
多分隣のクラスでもそうだっただろう

しかしそんなただお説教でイジメが無くなるなら、全世界の学校はとっくにいじめゼロになっている
デブがいじめられることは少なくなったらしいが……


俺へのイジメが再び怒り始めた


理由は自分でも分かる
あの事件で見せた数々の痛い発言や行動、貧弱な体つき、キモイ声……

まあ再び起こっただけで元々経験していた事なので大したダメージはなかったが、それでもやっぱりそれからの日々は憂鬱だった
00501 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/17(日) 04:02:54.84ID:YjSVyYGUa
とまあこれが小卒から中一の頃の学校の話

マジでただの自分語りだから別にオチとかはないけど許してヒヤシンス
これからもこんな感じでちょっとずつまったり書いてく

このペースだと次あたりに本格的にヤバい出来事の話に書けそうだから楽しみにしてる(自己完結)

また時間空いたら書きますわ
読んでくれた人ありがとう
0052名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW 4712-lPFl)
垢版 |
2019/02/17(日) 20:50:39.95ID:k105iQvG0
文章うまいな引き込まれる
00531 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa4b-fSKW)
垢版 |
2019/02/18(月) 18:42:55.45ID:UPyCkllWa
よーし今夜書くぞー
人居るかどうか分からんが
0055名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW c7fe-QM8q)
垢版 |
2019/02/18(月) 23:35:00.68ID:lYB1nnyX0
追い付いた
見てるぞ
00561 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 01:39:39.46ID:AOHbu/mca
有り難き幸せ
かく
00571 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 01:57:42.89ID:AOHbu/mca
中二になった夏休み、俺は小説家になるという夢を叶える為にとある大きな決断をした
それは文藝会新人賞に応募する事だ

確か初秋の頃くらいに締切があって、夏休み丸々使って小説を書きあげればギリ応募出来ると思った
夏休みの課題なんかは超優等生の俺は数日で全て終わらせ、小説を書くことだけに全てのエネルギーをぶつけられる環境を整えた

ボンちゃんから遊びに度々誘われたので、当初昼間に家で書く予定だった俺は、次第に近くの市民センターでボンちゃんと一緒に過ごしながら小説を書くようになった
00581 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 02:04:48.11ID:AOHbu/mca
その頃は既に向井(>>35~参照)からもちょいちょい遊びに誘われたが、奴はどちらかと言うとアウトドア派でバスケやサッカーとかがほとんどだったので俺は丁重にお断りしていた
それでもしつこく誘ってくれるので良い奴
ちなみに向井はサッカー部だった

さて、俺はいつものように市民センターにてボンちゃんの他愛のない話を聞き流しながら、必死に小説を書き進めていた
確か小説の内容は、記憶喪失の青年が記憶を取り戻そうとするが、それを進めていくうちに実は自分がとんでもないクズ人間だと発覚してしまう、みたいな内容だったと思う

俺はこの極めて陳腐な内容の書き物を、極めて稚拙な文章力で必死に表現しようとしていた
中学生の語彙力なんてたかが知れているもの
しかしこの頃の俺は自分の才能に対して全く疑いを持っていなかった
00591 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 02:12:00.15ID:AOHbu/mca
ところでその市民センターは遊び部屋みたいなのがあって(というより子供の入れる場所はそこしか無かったような気がするが)、マットやブロック、小さなちゃぶ台と座布団など最低限勉強と遊びができる道具及び空間は用意されていた

夏休みということもあってかたまーに近所の小中学生が遊びに来たり、おばちゃんが受付みたいな人と雑談しに来たりしていた
だが別にそれを邪魔だとは思っていなかった
俺はその会話や笑い声、近くで鳴る車のエンジン音や蝉の鳴き声を無意識に聴きながら、リラックスした状態で書いていた

もし俺が家で一人寂しく書いていたらとっくに執筆を投げ出していたかもしれない
家で書くこともあったが、ここで書いている時はやたらと筆が軽かった
ボンちゃんに感謝だ

そうして順調に原稿用紙をクソ汚い字で埋めていたある日、事件が起こる
00601 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 02:15:18.00ID:AOHbu/mca
いつものようにボンちゃんに誘われ、俺は昼から7~8時間ほどぶっ通しで小説を書いていた
途中でボンちゃんがお菓子を買ってくれたり、マットで一人遊んでいたりして、よくこんな俺と一緒に長時間居られるなと思ってた

夜も次第に更けていき、外が薄暗くなってきた時だ
見ない顔の中学生グループが市民センターに入ってきた
00611 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 02:22:13.99ID:AOHbu/mca
一目で分かった
こいつらはいじめる側の人間だ
いや、誰でも見れば分かったと思う

というのも、入ってきた3人組の内の一人は髪を金色に染め上げ、一人はゴリゴリの筋肉に真っ赤なタンクトップ、一人は金属アレルギーの人なら発狂してしまうほど衣服にジャラジャラとチェーンを付けていた

どっからどう見てもコテコテのヤンキーである

三人組はどうやらこんな時間からプロレスを開始するらしい
入ってくる時に一瞬目が合ったが、幸いにもマットは奥の方にあり俺達に構うことは無かった
00621 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 02:32:30.62ID:AOHbu/mca
ボンちゃんはその三人組を一瞥して「もうそろ出ようや」と言ってきたが、俺はこの時凄くいいところで、今辞めるのは惜しかったので「俺はもうちょっとおる」と返事した
ボンちゃんはそれを聞いて一人で帰ることも無く、黙って俺のそばで座ってた

しばらくの間、奥の三人組はギャアギャア騒ぎながらマットの上でプロレスをしていた
たまにチラッと目をやると、二人の男がくんずほぐれつの取っ組み合いをし、もう一人がジャッジを行っている光景が目に入った
腐女子大歓喜

それから一時間くらいは経っただろうか、流石に疲れたらしく三人でぐでーっとマットの上に寝そべったりヤンキー座りで会話し始めた
面白かったのはどのタイミングでも三人同じ体勢だった事だ
三つ子かお前ら

俺とボンちゃんもその頃には一段落ついて、うまい棒かなんかを貪り食ってた記憶がある

突然、三人のうち一人が「何食べよーん!?」と大声で絡んできた
00631 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 02:38:29.88ID:AOHbu/mca
俺はその瞬間やっちまったと思った
もうちょっと早く帰れば絡まれずに済んだかもしれない
俺は努めて真顔で「駄菓子です」と答えた
ヤンキー達はその返事を合図に
「えー何何ー?」
「なんて?声小さいね君www」
「俺らも腹減ったけん分けてくれーん?」
とズカズカこちらに歩み寄ってきた

ボンちゃんと俺は顔を見合わせた
まだ別に何か良からぬ事態が起こった訳では無い
だが俺達は察していた
このあと面倒な事になるというのを
00641 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 02:45:04.17ID:AOHbu/mca
目の前に来た三人は白々しく駄菓子に興奮し
「おっ〇〇(駄菓子の名前、覚えてない)やーん!」
みたいな事を言って騒いでみせた

ほどなくして一人が、「それ何?宿題?」と俺の原稿用紙を見て言った
ボンちゃんはこの時すごく慌てふためいていたと思う
だがこの時の俺はどこかズレてた
自分の才能を披露してヤンキー達に尊敬され崇め奉られる未来しか見えていなかった

「小説です。文藝会新人賞に応募するものです」
俺は鼻高々と答えたと思う

ヤンキー達は一瞬キョトンとした

さぁ、ひれ伏せ!
夏休みのこんな時間まで小説を書いている趣溢れる俺に感服し、感動せよ!
くるしゅうない、ちこうよれ!



「何?ちんちんショー?」
ぶん殴ってやろうかこいつと思った
00651 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 02:59:30.43ID:AOHbu/mca
「小説です。文藝会新人賞に応募するものです」
確か同じ事を二回言った気がする

チェーン付けた野郎が「小説だってよ」と気取った態度で俺の言葉をまんまそいつに伝えた
つか何で標準語なんだこいつと思った記憶がある

「ふーん、ちょっと見ていい?」

待ちに待っていた言葉をそいつが発したので、俺は気を良くして「どうぞ」と答えた
確かこの時ボンちゃんは「あっいやっちょっと」みたいな事言ってた

俺の素晴らしい文章能力を見ればそんな生意気な態度は取れないだろう
信じて止まなかった

「えーある嫌味のように晴れ渡った朝のこと〜」
「ぇっ……!?」

まさか朗読されるとは思ってなかった
流石にちょっと恥ずかしいな……
大丈夫かなこいつ、俺の文章を読んで素晴らし過ぎて己の矮小さを恥じ自殺とかしないかな……

だが、当たり前の事だが、そんな期待はいとも容易く裏切られた
ろくに全部読みもせず、数枚だけ読んだ後奴らは急にゲラゲラ笑い始めた

「えーっなんこれキモッwwwwww」
「うわぁ……ドン引きだわ……www」
「嫌味のようにwww嫌味のようにwww」

当時の俺には予想外過ぎて思考がフリーズした
00661 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 03:12:53.64ID:AOHbu/mca
えっ何で?
どこがキモイの?どの辺りが?
確かに添削途中だけど基本的な物語は成り立ってる筈だよ?
混乱で今にも奇声をあげそうな俺の肩をポン、とヤンキーの一人が優しく叩いた

「何か知らんけどこれ応募するんやろ?……やめた方がいいよ……(笑)」
今にも笑いだしそうな顔でそう諭された

俺は混乱に怒りが加わって「は?は?うぇ?うぇ?」と結果奇声をあげた
見兼ねたボンちゃんが何かフォローの言葉を投げ掛けていたが何と言っていたかは覚えてない
なんせ俺はこの時「は?」と「うぇ?」しか喋れない猿になっていたから

その時、部屋の入口の方から聞き覚えのある声が聞こえた

「おースグルー、……と〇〇?(恐らくヤンキーの名前)」

振り返ったそこに立っていたのは向井だった
どうやら向井はこのヤンキーと友達らしく、俺は勝手に年上だと勘違いしていたがヤンキー達は俺と同学年らしい

「お、向井この子知っとん?この子小説書いとるらしいんよwww」
「うん、知っとうよ」

あれ?向井知ってたっけ?と一瞬思ったが、そう言えば夏休みに入る前に言った気がする
じゃあスポーツ遊びに誘うなよ

「あ知っとん?この子ちょっとアレやね…キモいねwww」
「は?」

向井は一瞬苛立っているように見えた
俺の為に怒ってるのか?それともただ単にキモイという単語が気に入らなかっただけなのか?
その時の俺は分からなかった
そんな向井の威圧も気にせずヤンキーはとんでもない事を言い出した

「あっそうや、これ俺が捨ててあげようか?」
00671 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 03:23:35.46ID:AOHbu/mca
「いや、え?いや、ダメです、やめて」
突然に突然が重なり過ぎて俺の思考は追いつかなかった
ただそれはやめて欲しいという事だけは感じた

ボンちゃんは流石にキレてた
普段あまり怒らないボンちゃんが必死に怒り顔をして「返して!」と言ってヤンキーに挑みかかろうとした
まあそれは他のヤンキー達に「まあまあ」と適当に押さえられてた

向井は「やめとけっちゃ……」と苦笑いしながらヤンキーのすぐ近くまで歩み寄ってた

肝心の俺はというと、意味不明すぎる展開にただ棒立ちだった


ヤンキーはそれをいい事に
「じゃあ、今からこの原稿を処分しまーすwwwwww」
と破る体勢に入った
ニヤニヤしながら俺の反応をうかがった
俺は流石にまずい!と思って「やめt」と取り返そうとしたが……
時すでに遅かった

俺が必死に、何日も掛けて書き進めた原稿は、突然現れたゴリゴリヤンキーの腕力によって一瞬にして

ビリビリという音とヤンキー達の笑い声と共に


破れ去った




と同時に、誰かの拳がヤンキーの顔面に物凄い勢いでめり込んだ
00681 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 03:31:34.31ID:AOHbu/mca
殴ったのは向井だった
あの時の顔は忘れられない
秒速30回は舌打ちしてそうな苛立ちの顔にとてつもない怒りを帯びていた

ヤンキーもまさか自分が殴られるとは思ってなかったんだろう
鳩が豆鉄砲を食らったような顔でほっぺた押さえて座り込んで向井を見てた
それに追い打ちとして向井は「ぶち殺すぞ」と言い放った

殴られてみんなポカン
あれ……?この光景どこかで……
俺はそんなクソどうでもいい事を思った

段々自分が何をされたのか理解したヤンキーは、「はぁああぁ!!!??」と馬鹿でかい雄叫びをあげて向井の胸ぐらを掴んだり原稿をさらにグシャグシャにしたり発狂してた

そのあと何やかんやゴタゴタがあったが、あまりに混沌とした中学生共の喧嘩なので割愛する

その喧嘩はヤンキーの声と騒ぎを聞いて駆けつけた市民センターのおばちゃんwithおじちゃんによって終息した
おばちゃん達の良心?によって各学校への連絡などは無しになった
俺の小説の件も話そうかと思ったが、ヤンキー達の酷評でショックを受けていた俺はそんな余裕も気力もなかった
00691 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 03:37:38.62ID:AOHbu/mca
ヤンキー達が先に帰らされ、おばちゃん達にはただの喧嘩として扱われ、この事件は終わった

そのあと市民センターが閉まるってんで俺達も帰らされる事になったが、ボンちゃんはギリギリまで俺の書いた原稿の欠片を必死に寄せ集めて俺に手渡してくれた
ボンちゃん確か泣いてた
何で泣いてたのか、今でも色々と考える

向井はその間ずっとブツブツ悪口を言いながら座ってた
俺は向井にお礼を言うべきだったのかもしれない
でも何故か言えなかった
何でだろうな

俺はヤンキー達からの小説の評価と、ヤンキーが帰り際最後に言い放った一言の事ばかり考えていた



「お前、マジで覚えとけよ。知らんけんな」
妙に引っかかっていた

俺の嫌な予感通りこの事件は、後の「あの事件」を起こす小さな引き金に過ぎなかったのだ……(流れるような次回への繋ぎ)
00701 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/19(火) 03:39:48.03ID:AOHbu/mca
10数レスしかしてないけどやっぱ疲れるわ……
まあまったりゆっくり書くつもりだから今日はここまでで……

自分語りって意外と記憶探ったり文章にまとめたりで消耗するんだな

また時間あったら書きますわ
ありがとうございました
0071名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW 27e1-ayy1)
垢版 |
2019/02/19(火) 22:06:48.89ID:T1jyBn3Z0
しえん
00731 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa1f-fSKW)
垢版 |
2019/02/20(水) 06:49:23.21ID:EHV8lgcBa
支援タスカル
中々時間空かなくて日にち飛び飛びですまんこ
今日の深夜例によって突如書き始める
0074名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW 27e1-ayy1)
垢版 |
2019/02/20(水) 11:39:11.88ID:HyyiQQJf0
>>73
おー!
楽しみにまっとるよ!
00751 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 02:35:48.36ID:GdkEywIma
来た
毎度毎度深夜だから書き残す形になるけど書いてく
00761 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 02:41:16.13ID:GdkEywIma
話は前回の続きからだな

俺はこの日を境に小説の続きを書くのをやめた
俺の文章への自信というものが完全に消え失せてしまったからだ
ボンちゃんがかき集めてまで俺に渡してくれたクシャクシャの原稿用紙は、引き出しの奥の奥にしまったまま夏休みの間取り出す事はなかった
それでも捨てる事が出来なかったのは、まだ微かに未練があったからかもしれない
まあだからといって新人賞に応募する勇気はもうなかったけども
00771 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 02:51:38.81ID:GdkEywIma
俺はボンちゃんとよく遊ぶようになった
金があまりないから近くの公園で駄弁ったり、いつも通り市民センターで喋ったり、ボンちゃんの自転車に2ケツして割と遠くに行って喋ったり……

まあとりあえず喋ってた
インドア派の俺の限界である

まるで俺は諦めた夢から目をそらすように、他の楽しいことに専念するようになった
ただこの時気掛かりだったのは、俺がよく遊ぶようになったと同時に、今まであれだけ誘ってくれた向井からの誘いがパタリとなくなってしまった事だ

俺はそれを気にする度にあの言葉を思い出していた

「お前、覚えとけよ。知らんけんな」


まさか向井の身に何か起こっているのかもしれない
夏休みも終盤に差し掛かった頃、俺は向井の家に向かう事にした
00781 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 04:52:16.10ID:z13ORsO/a
……( ゚∀ ゚)ハッ!
寝落ちしてたつつ続きを書く

向井の家に着いてチャイムを鳴らすとお母さんが出てきた
「すいません、向井君居ますか」
ボンちゃんが割と大きな声でそう聞くと、お母さんが返事をする前に奥の方の廊下から向井が出てきた
顔中絆創膏とアザまみれだったのを覚えてる
その時歩き方が変だったから多分顔以外にも何かしらあったんだろう

「帰れ」

単刀直入にそう言われた
俺の予感は的中していた
だからこそ、誰にやられたのか、いつどこでやられたのかは分からないが俺は
「帰らん」
と毅然として言うべきだと思ったし、そう言った
00791 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 04:57:54.30ID:z13ORsO/a
向井はため息をつくと何も言わずに奥に消えていった

「ごめんね、何か先週喧嘩して帰ってきてからよう分からんけど怒っとんよ。……おぉいアンタ!友達に帰れは無いやろ!……ごめんねぇ、悪いけど今日は多分あいつ出てこんけん、また近い内来ちゃらんかね?」

向井の代わりにお母さんは、こんなニュアンスの事を言って俺達を諭した
向井が喧嘩したのは先週だというのはハッキリ覚えてる
もっと早く来れば良かったと死ぬほど後悔したから
00801 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:06:22.48ID:z13ORsO/a
一旦退こうというボンちゃんの提案で、俺達はすぐ近くの公園で作戦会議をする事にした

まずは向井と直接話さないと何も始まらない
じゃあ向井をどう家から引きずり出すか、それが問題だ

ああでもないこうでもないとかなり悩んだ末、またもボンちゃんの提案により、俺達は手紙を書いて向井のお母さんに「本人へ直接渡してくれ」と頼むことにした

これなら向井のお母さんにも迷惑が掛からないし、こちらの気持ちを向井本人に使えることが出来る
早速ボンちゃんが家からノートとペンを持ってきて、俺達は手紙に思いをぶつけることにした
00811 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:17:38.50ID:z13ORsO/a
今現在、その手紙は俺が何やかんやあって持ってるので、ちょっとそのまま書く

「向井へ

出てこい。
俺がこのあいだ小説をビリビリに破られて、向井がヤンキーを殴ったけど、多分、それが原因だれかから暴力を振るわれたんやろ?
何で出てこんの?俺は1回直接会ってしっかりお礼と話を聞きたいし、ボンちゃんも心配しとる。
警察に言えば良いと思うし、ボンちゃんもそう思っとる。
とりあえず出て来ないと話にならないので出てきて下さい」

読み返すと謎に高圧的だし、この言い方だと俺がお礼を言われたいみたいになってるが、この手紙で俺の中学生の頃の語彙力を察してくれ

兎にも角にも、俺達はその手紙を向井のお母さんにに渡した
お母さんが嬉しそうな顔をしてたのを覚えてる
00821 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:24:38.56ID:GdkEywIma
その次の日から、俺とボンちゃんは向井の家が目視出来る公園で遊ぶようになった

遊んでる途中に家から向井が出てくればそれを現場で拘束し、問いただす
言わば張り込みである
来る日も来る日もアメニモマケズカゼニモマケズ俺達はその公園で遊んだ
向井の家をチラチラと見ながら

そしてついに、もうすぐ始業式が来るくらいのギリギリの日に、俺達はついにその現場を押さえた
00831 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:32:42.42ID:GdkEywIma
向井が俺達の気も知らずにポケットに手ぇ突っ込みながら外にブラブラと歩いていくのを目撃した

「ボンちゃんボンちゃん!あれ、向井やない?」
「あっ……あっホントや!行こ!」

向井の姿を確認するなり俺達は全速力で向井のもとに駆け出した
「おーい!向井くーん!!!」
ボンちゃんが走りながら大声で叫び掛けると、向井は一瞬だけこちらの顔を見てギョッとした後突然逃げ始めた

何故逃げる!

メタルスライムもビックリの逃げ足の速さで、向井の姿はどんどん遠くなっていく
流石サッカー部といったところだ
このままでは俺達の脚力では追いつけない
向井が角を曲がるのを見計らって、俺達はあわよくば先回りするつもりで別の方向へと走った
一度掴みかけたチャンスをこのまま易々と無駄にする事は出来ない
その一心で俺達は頭をフル回転させながら町中を動き回った
そしたら

「あっ」

いた
00841 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:40:19.69ID:GdkEywIma
逃げ切ったと思っていたのか、歩きに変わっていた向井の姿をかなり近くで正面から捉えた
向井は急いでUターンしようとしたが時既にお寿司、俺達はやっとの思いで向井を拘束した

「何で逃げるんって!何があったん!誰にやられたん!?教えてくれんと分からんわ!」
今まで投げ掛けたかった質問が怒涛の勢いで口から溢れ出た
ボンちゃんに抱きつかれる形で身動きもままならなくなった向井は、それでもその問いに答えようとはしなかった

「ついてくんなちゃ!危ないやろ!」

……?
危ない?
何が…………?
俺とボンちゃんは意味不明な回答にアホ面で見合わせた


しばらく押問答を続けていると、奥の空き地から馬鹿でかい怒号が飛んできた

「おい!一人で来るっち言ったやろうがちゃ!くらすぞきさんコラァ!!」
00851 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:42:40.39ID:GdkEywIma
OK,Google.

「おい!一人で来るっち言ったやろうがちゃ!くらすぞきさんコラァ!!」を日本語翻訳して♡



Googleさん
「おい!一人で来るって言ったでございましょ!ぶん殴ってやりますわよ貴様コラァ!!」
0086名も無き被検体774号+ (アウアウカー Sa55-p0Wu)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:48:06.84ID:24YkBkaLa
Googleちゃんw
00871 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:51:02.28ID:GdkEywIma
見るとそこには、高校生くらいのいかにもなヤンキーが鬼の形相で立っていた
俺達はますます混乱に陥った

………………

ここでちょっと解説する
後々分かった事ではあるがこの状況に陥るまでの経緯を今話しておこう
流れとしては
向井がヤンキーを殴る

ヤンキーが自分のお兄ちゃんにそれをチクる

お兄ちゃんが向井をボッコボコにする

プライドの高い向井は警察にも親にもそれを言わず(親は察したみたいだが)、俺達を巻き込まないようにと暫く距離を置く事を決意

腹の虫が治まらない向井はヤンキー兄に「タイマンはろうや☆」とコンタクトをとる。

サシで勝負のはずなのに俺達も一緒に着いてきてヤンキー兄激おこプンプン丸←イマココ!
00881 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 05:56:26.34ID:GdkEywIma
>>86
おぉっ!リアルタイムで見てくれてる人いるとは!



俺とボンちゃんはずっと混乱してたが、向井とヤンキー兄は既に戦闘モードに入っていた気がする
とりあえず俺が脳内コンピュータどだした結論は

「フタリ、キレテル。アブナイ。オレ、ムカイツレテ、ニゲル」

それだけだった

だから俺は引っ張って行こう!(?)と思って向井にしがみついた
ボンちゃんもつられて向井にしがみついた
だかその行動は向井の動きを封じ、ヤンキー兄の一方的な暴力に加担することになった

ヤンキー兄は躊躇なく向井の顔をぶん殴った
凄い勢いとガォンという音と共に、俺達は3人まとめて別方向に仰け反った
まるでコントである
00891 ◆S3NdI8XwYo (アウアウエー Sa52-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 06:02:36.70ID:GdkEywIma
向井が顎をガクガク言わせて絶句してたのを覚えてる

あぁ分かるぅ、それ痛いよね。わかるぅ〜
とJK並の感想を抱きつつ俺は向井に駆け寄ろうとした
だが向井はそんないたいけな俺を突き飛ばした
もうやる気満々らしい

向井はやたら大振りにヤンキー兄に殴り掛かったが、避けられて腹パンされたりしてた
本気の腹パン食らったことある人なら分かると思うけど、不良漫画みたいに何度殴られても殴り返すなんてのは素人、それもただの中学生には到底不可能だ

腹パンってマジで痛いんだぞ
たった一発で、それまで滾りまくっていた戦意がスっと消え失せる
そんくらい痛いんだマジで
そしてそんな腹パンを向井は食らったんだ

俺はキモイ奇声を上げながらブチ切れた
00901 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 06:12:27.08ID:z13ORsO/a
腹パンと顎パンはマジで痛い
それを知っていた俺だから、多分その場の誰よりもブチ切れてた

俺の為にヤンキーに拳を向けた向井の怒りより
そんなに関わりの無い友達を本気で心配してくれるボンちゃんの優しさより
ましてやただ殴る事だけが生き甲斐ですみたいなお遊び感覚のふざけたヤンキー兄より
俺が一番感情を昂らせていた自信がある


俺は無我夢中で泣き喚きながらヤンキー兄に掴みかかった
運良く俺はヤンキー兄の懐に潜り込めた
抱きつくような形で俺はヤンキー兄を押し倒した
何でガリガリの俺がこんなイカついヤンキーを押し倒せたのかは分からない
火事場の馬鹿力ってやつなのか、それともただ単にコケただけなのか、とにかく俺達はその場に倒れ込む形で崩れ落ちた

ヤンキー兄は余った両手で俺の背中を執拗に殴り続けた
背中は殴られると息が出来なくなる
だが体勢の関係でそこまで力は強くなかった


何より俺は痛みに耐性がある
00911 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 06:20:05.92ID:z13ORsO/a
俺はずっと泣きながらヤンキー兄の顔を掴んで言葉にならない声をあげていた
今にもごっつんこしそうな至近距離で、そいつの両眼を噛み付く勢いでのぞき込みながら

この時に向井とボンちゃんはどうしてたのか分からない
目の前の人間に対してしか意識がなかった

俺が最初に逃げようと思ったのは、俺じゃこいつには決して勝てないと思ったからだ
でも掴みかかった瞬間から考えは逆転した
こいつじゃ俺には勝てない、決して
ただ暴力をふるうだけの、獣とさして変わらないようなこいつじゃ、俺には何が起ころうとも絶対に勝てない

ずっと威嚇し続けた
この時俺は殴ろうと思えば殴れたのかもしれない
向井が俺と同じ状況なら絶対に殴っていた
でも俺は絶対に殴りたくなかった

俺の強さのか弱さなのか、殴るという発想はこの時全く持っていなかった
00921 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 06:27:27.58ID:z13ORsO/a
どれくらい時間が経ったか分からない
ヤンキー兄に馬乗りにっていた俺の膝元に何か温かい感覚が伝わってきた

見ると、そこには液体が流れていた
え?血?もしかして知らない内に俺は殴っていた?
それとも誰かがナイフで刺した?
だがそれにしてはあまり赤黒くない
いや、というより全然色がない
何だこれ
雨?いや、雨じゃない
雨は降っていない

俺はふとヤンキー兄の放心したような顔を見て、やっと気付いた


こ れ は お し っ こ だ
00931 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 06:37:27.72ID:z13ORsO/a
どうやらヤンキー兄が漏らしたものらしい
ヤンキー兄は怒りとも悲しみとも恥じらいともとれるような顔でこちらから目を逸らしていた

急に熱が冷めた

ずっと我慢してたのか、キチガイに絡まれビビってチビったのか、ヤンキー兄はナイアガラの滝のようなおしっこを辺り一面に広げていった

この瞬間から俺は怒りよりもまず先に「きったね」という感情でいっぱいだった

俺はよろよろと立ち上がって向井とボンちゃんに

「おしっこや」

と迫真の真顔で伝えた
二人はドン引きで「う、うん」と答えてたと思う
洗わなきゃ、拭かなきゃ
そう思った俺はとりあえずおしっこで濡れたズボンをどうにかしたいという旨を二人に話した
どちらも快く了承してくれて、その場を後にしようという事になった

俺が立ち上がってからその場を後にするまで、ヤンキー兄はずっと動かなかった
高校生にもなっておしっこをしてしまう恥ずかしさから悟りをひらいてしまったのかもしれない


俺達は近所の牛丼屋に入り、俺がトイレでズボンを拭きまくった
トイレから帰ると向井の奢りで牛丼を食った記憶がある
最初の内は三人とも映画を見終わったような気分で放心していたが、牛丼を食っているうちに段々現実に引き戻された感があって少しずつさっきの事件の話を振り返り始めた
00941 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 06:41:54.00ID:z13ORsO/a
この時からだろう
ボンちゃんと俺
俺と向井
みたいな一本線の関係じゃなく

ボンちゃんと、俺と、向井

そんな輪っかみたいな関係になったのは
「三人」として友達になった初めての日だったのだと思う



それから数日間、ヤンキー兄からの報復にビクビクしていた俺達だったが、何故かそれ以来まるで何もなかったかのように平穏が続いた
あちらの事情で何があったのかは分からないが、とりあえず俺は「おしっこをしたのがよっぽど恥ずかしかったから」だと思うようにしてる

この一連の事件をきっかけに俺がある「決意」をしたのはまたあとのお話……

俺達は残りの短い夏休みを3人で遊びながら過ごすのでした

でめたしでめたし
00951 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/21(木) 06:44:25.05ID:z13ORsO/a
とまぁこれが中二の夏休みの出来事
これまでの出来事は暴力が絡んでくる事が多かったが、これより後の出来事はちょっと方向性が変わってくる

まあ今日は疲れたのでまた例によって時間ある時に続きを……

次回!王に俺はなる!

といったところでさようなら
また近い内来ます
0097名も無き被検体774号+ (アウアウカー Sa55-p0Wu)
垢版 |
2019/02/21(木) 12:36:42.54ID:NFZqDot5a
おもしろい
続き待っとるよー
0098名も無き被検体774号+ (ワッチョイW 799b-yExE)
垢版 |
2019/02/22(金) 01:25:15.66ID:H/7tWajy0
おもしろい!しえん
0099名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW a9e1-p0Wu)
垢版 |
2019/02/22(金) 19:28:34.11ID:c4lFtEDa0
1さん今夜はきてくれるかなー
01011 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 02:42:48.70ID:Fz+HjoM2a
キタ
カク

まとめサイトの管理人さん居りましたらまだ終わってないのでよろしくお願いしますナンツッテ
根気勝負になります
01021 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 02:49:00.92ID:Fz+HjoM2a
さてさて、夏休みも無事終わり二学期に突入した頃、俺はある決意をした

というのも今回の騒動、元はと言えばヤンキーに原稿用紙を破られたのがそもそもの原因であり、もっと言えばヤンキーにそんなふうに絡まれてしまう俺の性格に原因があるという事になる

毎度毎度誰かがヒーローのように助けてくれるとは限らないし、助けてくれたとしても俺がこのままであり続ける限り何度でもこんな事件は起きる

原因を断ち切るには、俺がしっかりしないといけないのだ

そんなふうに考えた俺は、誰からもナメられないような人間になる事を決めたのだ


……とは言え性格なんてのはそう簡単に変えられるものではない
考えた末に俺が出した結論は、性格ではなく肩書きで周囲を圧倒し萎縮させてやろうと思った
要するに俺は


生徒会長になろうとした
0103名も無き被検体774号+ (ワッチョイWW 6612-LvDS)
垢版 |
2019/02/23(土) 02:56:34.72ID:1OJMQMtm0
わくわく
01041 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 02:59:55.01ID:Fz+HjoM2a
どこも同じなのかは知らないが、うちの中学は秋頃に選挙活動を初め、大体初冬に選挙があり三学期から生徒会就任って流れだった……気がする
あんまり細かな時期は覚えてない

2年生だった俺はタイミング的にも生徒会長を狙いやすい時期だとお思いだろうか
だが、現実は全く違う

そもそも生徒会なんてのは一年生の冬にまず何らかの役職(書記委員とか副会長とか)に立候補し、二年生でそれに就任
そして二年の冬、エスカレーター式にその役職の1ランク上(風紀委員とか会長)に立候補し、当選
この流れが普通である

生徒会長は前の代で副会長を務めた者が成り上がるのが普通であり、実際わざわざその流れに割って入ろうなどと思う者は居ない

俺はもちろん生徒会に入っていなかったので、入るとしたら唯一各学年で一人づつ就任可能な副会長あたりが妥当である
というか実質ここしか割り込みで入れる空き枠がない

だがしかし、それでは駄目なのだ
どうせなるならトップオブトップ、生徒会長じゃなきゃやだやだやだ

俺はある日のホームルームで生徒会長に立候補した
01051 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 03:11:07.78ID:Fz+HjoM2a
もちろん周りからは散々罵声を浴びた

「は?お前何いいよん?」
「調子乗んなやお前」

周りの生徒からの非難の雨など俺には十分予想出来ていた事だ
だが、意外な事に肯定したり面白がる声もあった
単に物珍しさでちょっと乗っかってやろうという気持ちもあったのかもしれないが、当時の俺は「イジメられっ子」というより「いじられっ子」と言った方が妥当なポジションだった
なので全員から絶対的に嫌われている訳じゃなく、ちょっと頭のおかしい変な子だと思っている層もチラホラいた

賛成派も多かったのは好都合だ
選挙は校内生徒の清き一票によって勝敗が決まる
全くのアウェーから開始ではなかったことに安堵した

しかしその罵声の嵐の中、引っかかる言葉もあった

「後藤に悪いと思わんのかちゃ」

後藤と言うのは昨年副会長を務め、所属するバスケ部でも県大会に出場するなどの好成績をおさめたスポーツマン優等生
勉強面は並よりちょっと上くらいだが、特に人格者という訳でもないがこれといって性格に難がある訳でもない為、無難に信頼を得ている人物だ

確かに割って入るのは悪いと思う
だが規則に「いきなり生徒会長になってはならない」などといったものは無い
少し心が痛んだが、俺にとってはわずかな犠牲だと自分に言い聞かせた
01061 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 03:22:12.11ID:Fz+HjoM2a
立候補の手続きを済ませるため俺は、助っ人を探した
というのもウチは、立候補するために選挙活動をサポートする相棒みたいなのが一人要るのだ
正式な名前があった気がするけど思い出せないので助っ人と書く

当初俺はボンちゃんか向井に頼むつもりだった
と言っても向井は恐らく断るだろう
奴は表に立って目立つというのを嫌うタイプだ
ましてや俺みたいないじられっ子のサポートをしてます!というのを全校生徒に公表するのは嫌うだろう
優しい奴だが世間体みたいなのは気にするのだ

だから俺はノータイムでOKしてくれそうなボンちゃんの元に行った
しかしその途中、予想もしない人物から声を掛けられる事になった

「スグル生徒会長になるんやろ?俺が助っ人しちゃろうか?」

声を掛けたのは中本という奴
ライバルの後藤と同じバスケ部で、ちょっと頭のおかしい奴だった
いや、もう後藤と同じ部活なのに俺にそんな提案してくる時点で頭がおかしいのは分かると思うが
こいつは面白い事に積極的に関わってくるタイプだ
おそらく興味本位での提案だったんだろう

俺は少し考えたが、これは願ってもないチャンスだと思いお願いする事にした
もし中本が助っ人になれば、バスケ部内が後藤派と俺派に別れるかもしれない
向こうのホームを侵食できれば勝利に大きく近付く
01071 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 03:29:27.18ID:Fz+HjoM2a
手続きをした翌日から、俺立候補の噂は同学年に瞬く間に広がって行った

俺といういじられキャラがまさかの生徒会長!?
廊下を歩く度に俺は様々な反応を投げられた
嘲笑う者、興味津々に話し掛けて来る者、敵意を向ける者、応援してくれる者……

俺は自分の知名度に驚いた
いや、流石に二年も学校にいたら同学年なら誰もが知ってはいるだろうが、いじられキャラって見方を変えれば愛されキャラでもあるんだなと思った
体感ではけっこう肯定的な反応が多かったような気がしないでもない

気を良くした俺は、早速その日の放課後から選挙活動に励む事にした

まず取り掛かるべきは『自分のポスター作り』だ
01081 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 03:36:07.13ID:Fz+HjoM2a
俺は中本と何故かついてきたボンちゃんの3人で、美術室に向かっていった

例年、この学校の生徒会立候補者は自分のポスターを美術部に依頼する
手作りでやる人も居るには居たらしいが、少しでもクオリティを高くして見栄えを良くする為には、そっちの方が無難だ
美術部は女子生徒のみで構成されていて、立候補者はその女子達に媚びへつらいながら何とかポスター作りをしてもらおうと懇願するのだ

ところで、俺はドキドキしていた
選挙活動を実際に始めたからではない
美術部の中には俺が当時気になっていた女の子「尾上」さんがいたからだ
尾上さんにポスター作りを依頼して、あわよくばそれがきっかけで仲良くなってそれで最終的に……ムフフ
と実現しないであろう妄想に浸りながら俺達は美術室に到着した
01091 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 03:43:33.57ID:Fz+HjoM2a
「ごめんくださーい……」

ゆっくりと扉を開けると、そこはまさに女子の秘密の花園、当時の俺には楽園とも言うべき光景が広がっていた

「あっスグルやーん!ポスター?」
クラスメイトの名前も覚えてない女子が、俺を見るなり好奇心100%といった顔で近付いてきた

「あぁ、うん」
そうだけど貴様に用はない、失せるがいい
俺はその子の顔を一瞥すると、部屋の中をキョロキョロと見渡した
尾上さん尾上さん尾上さん……

いた!

尾上さんはどうやら後輩に、「あれが噂の痛い子よプププ」みたいな感じでこちらを嘲笑しながら話していた
だが俺にはMの気質があるので、興奮しながら尾上さんにズカズカと近寄った
若干引きながらこちらを見上げる尾上さんに俺は言った

「ポスター、作ってくr」
「ごめん今他の人の作りよるけん他当たって」

若干食い気味に断られたのを今でも覚えている
相当ショックだった
何がショックだったってよく見たら尾上さんが作っていたのは

後藤のポスターだった
01101 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 03:46:57.55ID:Fz+HjoM2a
後藤許すまじ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


思い出したら何かすごい腹立ってきた
何でよりによって後藤なのか
俺はこの瞬間、生徒会長になる目的が
「ナメられないようになるため」から
「後藤を完膚なきまでに叩きのめして靴舐めさせながらヒィヒィ言わせて謝らせ尾上さんに振り返って貰う事」にすり替わった

今振り返ればとんでもない逆恨み
逆ギレもいいとこである
01111 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 03:50:48.38ID:Fz+HjoM2a
結局俺は、最初に好奇心で近寄ってきてくれた名前の分からない女子にポスターを頼む事にした
どんな構図が良いか、謳い文句は何にするか、色々注文している間も俺は上の空だったと思う
帰る途中、ボンちゃんになんか言われて慰められた気がする
中本は終始ヘラヘラ笑ってた

とりあえずポスター作りはこれで問題ない


次に取り掛かるべきは、『生徒への根回し』だ
01121 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 04:01:38.53ID:Fz+HjoM2a
俺はこの頃からコミュ障を発症しつつあったので、知らない人にいきなり投票をお願いするのは気が引けていた
ボンちゃんは人当たりがよく割と人間関係も広いため、この活動の大部分をボンちゃんにお願いした

しかし俺もただ単に恥ずかしさで自分から投票を募らなかった訳では無い
こういうのは自分で言うよりも、周囲の人間が宣伝する事によって「信頼のある人間なんだ」とみんなを錯覚させられるだろうと、俺なりに考えた結果でもある

ある日の昼休みに廊下を歩いていると、一年生の見知らぬ団体から声を掛けられた
「スグル君っすよね!?俺ら投票するんで頑張って下さい!」

君達は誰だねとキョドりながら問うたところ、サッカー部の部員らしい
どうやら向井はひっそりと陰でサッカー部内で宣伝してくれていたらしい
良い奴やんけほんまお前

自分の直接の後輩なら宣伝しやすかったんだろう
だがこれは相当な効力がある
なぜかというと、現生徒会で部活に入っている生徒の中に「サッカー部」に所属している人間は一人もいない
そして学生というのは往々にして
「野球部」「サッカー部」「バスケ部」に謎の信頼がある
その三大イケてる部活の一つを完全に掌握したと言っても過言ではない

誰の息のかかっていない部活を一つ勝ち取れた事を知った瞬間だった
01131 ◆S3NdI8XwYo (アウアウウー Sa21-aV7y)
垢版 |
2019/02/23(土) 04:05:23.66ID:Fz+HjoM2a
この時、俺は一つのアイデアが浮かんだ

そうだ
全部活の部長に投票を頼んで回った方が、虱潰しに行くよりよっぽど効率的ではなかろうか?

思い立ったが吉日、俺は一日ずつ色んな部活に顔を出してまわることにした
以下、おぼろげな記憶による選挙活動奮闘記である
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています