11月22日の報告

放課後、数学の先生に呼び出された
ユウも一緒である
「あのなぁ、お前らが推薦入試希望したらお前らを推薦しなきゃならなくなるだろ?」
提出した進路希望調査票の話である

「こういうのは成績ギリギリのやつに譲ってやらないと可哀相だろ?」
推薦入試制度の闇がさらっと暴露され呆気にとられてしまった
そんなの黙っておけばいいのに
こちらは、運よく推薦を受けられて進路が早く決まれば楽だろうと軽いノリで希望を出したのだが
まさか呼び出しまで食らうとは思ってもみなかった

「お前らは一般でも余裕で受かるんだから、一般で受けろな?」
理屈はわかるが、なかなか理不尽である
「あの、先生は誰を推薦するつもりなんですか?」
希望を取下げるにあたり、これだけは聞いておきたかった
陸上部部長を含む三名の名前が出てきた
その中に自分の嫌いな人はいなかったので少し安心した

「こうなることはわかってたけどねー」とユウが笑っていた
……自分も薄々感じてはいた
暗黙の了解に切り込んでしまっただけである

洗濯物から姉の彼氏のものを取り出す作業が始まった

今日の報告終わり