目玉みたいな明らかな幻覚はもうどうしようもなかったが
誰かが俺を見ている、看板の後ろに俺を睨んでる人がいる、みたいなやつは全部兄貴の知り合いってことにした

もちろん幻覚だって分かってはいるから自分を安心させるための自己暗示みたいなもんだったが
思いの外効いた

だからか、幻聴や幻視に操られることも、信じこむこともなかった