パプアニューギニア火山島 有史以来初の大噴火「勢い止まらず」

今月5日に噴火したパプアニューギニアのカドバー島では、現在も山頂から勢いよく噴煙が放出されており、風に乗って近隣の島々にも火山灰が飛散している。

ラバウル火山観測所(RVO)は、「噴火規模がさらに激しくなるおそれがある」として、すべての島民が緊急避難したことを明らかにした。

カドバー島は、パプアニューギニア本土から北東へ25キロほど離れた火山島だ。
17世紀に英国の冒険家ウィリアム・ダンピアが、その著書で「燃えている島」と記述しているものの、有史以来、噴火の記録はない。
突然の噴火は5日に始まり、噴煙は海抜2100メートルに到達。
爆発の勢いは次第に強まり、同観測所は7日、

「大規模なマグマ爆発に発展すると、急峻な地形によって土砂崩れや地滑りが発生し、津波を引き起こすおそれがある」として、500人余りの島民に緊急脱出を指示した。
この噴火によるケガ人はいないという。

パプアニューギニアで病人の搬送などを行なっている民間航空会社「サマリタン航空(SAMARITAN AVIATION)」は、噴火の翌日にプロペラ機でカドバー島周辺を周回して撮影した映像を公開。

標高365メートルの山頂火口からは、火山灰を含んだ黒っぽい噴煙と、水蒸気が多い白い噴煙が勢いよく噴出し、住民が住んでいる村のようすはまったくわからない。

米航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星がとらえた上空からの画像を見ると、
噴煙は西北西に向かう気流に乗って対岸の島々の上空に伸びており、パプアニューギニア本土のウェワク空港にも迫る勢いだ。

【日時】2018年01月09日 10:45
【提供】ハザードラボ