ラニーニャ現象 米国衛星が観測 「週末から厳しい冷え込み」

米海洋大気庁(NOAA)は、赤道付近の海面水温が平年より下がる「ラニーニャ現象」の発生をとらえたと発表した。

ラニーニャ現象は、南米ペルー沖から赤道付近にかけての太平洋の海面水温が平年より低くなる現象で、
エルニーニョと比べると、はっきりした特徴がわかりにくいが、2016年秋に6年ぶりに発生し、今春終息したばかり。

気象庁は先週、10月の海面水温は基準値より平均で0.6℃下回っているとして、この状態が冬の終わりまで続かず、
ラニーニャ現象が発生しない可能性は40%だが、発生する確率は60%だという見通しを発表。

一方、米海洋大気庁は13日、気象衛星の観測画像を公表し、「ラニーニャ現象は発生している」と発表した。
そのうえで、この冬の間、ラニーニャ現象が継続する確率は「65〜75%」だと予測している。

ラニーニャ現象が発生すると、太平洋の熱帯域で東から吹く貿易風が平年より強くなって、海面の水温がインドネシア近海では暖かくなり、南米沖では低くなる。

このため、インドネシア近海では積乱雲が盛んに発生し、日射量が少なくなる傾向があるため、日本付近では西高東低の冬型の気圧配置が高まり、冬の間は気温が低くなる傾向がある。

今週末(18日)から1週間は、全国的に12月並みに冷え込む見込みで、山間部ではこの時期としては多い雪が降って、積雪となるおそれがあるという。

気象庁は北海道を除く各地に、「異常天候早期警戒情報」を発表して、低温と大雪への警戒を呼びかけている。

【日時】2017年11月14日 11:37
【提供】ハザードラボ