「刑務所でしか作れない」爆売れ固形洗濯石けん『ブルースティック』汚れがよく落ちる理由を専門家が解説
「なかなかいい成分が入っている。純石けん分(脂肪酸ナトリウム)は石けんの成分、ケイ酸塩はアルカリ剤。アルカリ成分は汚れと繊維の間の付着力を弱め、泥汚れなども落ちやすくなる」(大矢名誉教授)
大矢氏によると、クリーニング用合成洗剤に入っているケイ酸塩と、2種類の界面活性剤によって、繊維に染みこんだ頑固な汚れを落ちやすくしているという。
「泥汚れや墨汁の汚れは落ちにくい。普通の洗剤液に浸して、シャバシャバしても、ほとんど落ちてくれない。ところが、これ(ブルースティック)は布に擦り付けて使う。その際に、石けんが中にグイグイと押し込まれて、奥の方で繊維に絡まっている汚れと成分が交わる。そしてそれを取り除く」(大矢名誉教授)
加えて、握りやすい形状であり、ほどよい柔らかさ・硬さで「サッサッって塗れる」ところもポイントだと大矢氏は話す。主体となる界面活性剤が「従来のものとは工夫がなされて、いいものになっている」うえに、摩擦を起こしやすくしているのが特徴であると太鼓判を押した。
ではなぜ、刑務所でしか作れないのか。
大矢氏は「実は作れるが、石けんの会社と、合成洗剤を主に作っているところが、どちらかというとライバル関係。石けんを作っていたところは『合成洗剤は悪い』とやっていたので、石けんと合成洗剤を混ぜることに、なかなか手を出しにくかった。ヨーロッパなどでは、当然のこととしてやっている」と業界の関係性を挙げながら、刑務所ならではと解説した。
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