【詳報】新聞ではとても書けない「京アニ」初公判で青葉被告が語ったこと《スタッフに恋愛感情を持ち、直接襲おうと…法廷で公開された動画》


https://news.yahoo.co.jp/articles/6990cab6089de3baaa75b6ac0a5927d058dbc802


青葉被告は京アニ作品に感動して小説を書き始めたという。これまで2度、窃盗や強盗で逮捕されているが、刑務所にいたときも小説執筆をあきらめなかった。ネット掲示板「2ちゃんねる」で、京アニの女性アニメーターAさんから「アドバイスをもらった」「ほめてもらった」など一方的に思い込んだ。だが事実は異なり、その書き込みはAさんとは別の人物によるものだったが、青葉被告は「好意、恋愛感情を抱くようになった」(検察側冒頭陳述)という。

 青葉被告は、長編と短編でそれぞれ「京都アニメーション大賞」に応募した。「渾身の力作」と自画自賛したものの、いずれも落選した。インターネットの小説サイトにも作品を投稿したが、まったく見向きもされなかった。

 前出のAさんはブログを開設していたが、そのAさんの文章を、青葉被告は自分の小説を盗用したと思い込む。さらに京アニの代表作のひとつで、「ツルネ」という高校の弓道部を題材にした青春アニメで「小説がパクられた」と怨念を募らせるようになり、犯行を決意したという。

 検察側は、「青葉被告の自尊心の高さ、疑り深い、うまくいかないと他人のせいにするというパーソナリティが妄想を生み出し、事件に駆り立てた」として、事件は青葉被告のキャラクター、性格によるものだと主張し、「完全責任の能力を有する」とした。

 動機は逆恨みだとして、前代未聞の事件を起こした具体的な犯行状況についてはどうか。

 事件の1ヵ月前の2019年6月、Aさんへの恨みから自宅のある埼玉県の大宮駅で無差別殺人をしようと、刃渡り20cm以上の包丁6本を買いそろえたが、凶行には至らなかった。

 それから1か月後、京アニでAさんを直接襲おうと考えて、7月15日に埼玉県の自宅を出て、ATMで現金5万7千円を引き出して京都に向かった。3日間にわたり京アニ本社や別のスタジオなどを何度も下見した末、第1スタジオにアニメーターが最も多く在籍していることを察知し、現場に選んだ。

 京都駅前のネットカフェに入った青葉被告は、京アニ近くのホームセンターを検索し、ガソリンの携行缶、ライター、バケツ2個、ハンマーなどを購入した。

 犯行当日はコンビニエンスストアでカップ麺を買い求め、腹ごしらえをしたうえ、京アニの第1スタジオに向かった。午前10時16分ころ、第1スタジオに到着した時の青葉被告の動画が残されており、法廷でも映し出された。