あるイギリス人女性が1カ月違いで妊娠したふたりの赤ちゃんを同じ日に出産したという耳を疑うようなニュースで、過受胎という非常にまれな現象にスポットがあたった。専門家が解説する。

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妊婦の名はソフィ・スモール。妊娠7週間目の最初のエコー検査で、医師たちは彼女の子宮内に胚がふたつあり、大きさにかなりの差があることを確認していた。
だが、ふたりの赤ちゃんの在胎週数が異なることに医師たちが気づいたのは2021年の出産の時だったとイギリスの日刊紙『ザ ・サン』が5月21日付の記事で報じている。
ふたりの子どもは28日違いで母親の胎内に宿ったという。2人目を妊娠したとき、ソフィはすでに妊娠中だった。最初に妊娠した赤ちゃんは36週目で誕生。後日行われた性交渉で受胎した2人目の赤ちゃんは32週目で生まれている。

こんな特異な現象にもちゃんと説明が用意されている。妊娠中に2回目の妊娠をすることは過受胎と呼ばれるのだ。
別の日に行われた性交渉の結果受胎したとはいえ、子どもは同じ日に誕生するため、一種の多胎妊娠に分類されている。どうしてこんなことが起きるのだろう? 通常、妊娠すると排卵は起こらないが、過受胎のケースでは、排卵が継続しているという。
「前の月経周期で胎児がすでに宿っているにもかかわわらず、卵子が卵巣から排出されたのです」と、2008年に過受胎に関する論文を発表している産婦人科医のオリヴィエ・パプは説明する。
「そして、その後に行われた性交渉で2回目の受胎が起こり、ふたつ目の胚が成長し始めたわけです」。したがって、赤ちゃんの父親がそれぞれ違うこともあり得る。

出産前に過受胎だと診断するには、ふたつの条件が必要だ。エコー検査で、2人目の赤ちゃんが後から母体に宿ったことが証明されること。次に、出産までの間胎児の発育にコンスタントに差があることだ。

過受胎はある種の動物ではありふれた現象だが、人間ではまれ。「現在のところ、科学的に確認されているのは世界中でわずか10例ほどです」と産婦人科医のオディーユ・バゴは言う。

いかそ

https://news.yahoo.co.jp/articles/312d4456949d5d3ad534d90a4ac91afd6e9aac59