過去最大のプロミネンス観測 太陽の100倍規模 京都大など

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観測されたフレアとプロミネンス噴出の想像図(国立天文台提供)

 オリオン座の方角にある恒星の表面で、巨大な爆発現象「スーパーフレア」が起き、史上最大のプロミネンス(紅炎)が噴出する様子を観測したと、京都大と国立天文台などの研究チームが発表した。噴き出したプロミネンスの質量は太陽で起きる物の100倍もあるという。論文は28日、米科学誌アストロフィジカル・ジャーナルに掲載された。

 観測に使用したのは京都大のせいめい望遠鏡(岡山県)と米航空宇宙局(NASA)の惑星探査衛星「TESS」。2020年12月19日、地球から400光年離れた「オリオン座V1355星」で、過去最大級のスーパーフレアが起きたのを確認。せいめい望遠鏡で得られたデータの解析から、プロミネンスが秒速1600キロの高速で恒星表面から噴き出し、その質量は1兆トンに達することが分かった。

 フレアは恒星表面で起きる爆発現象で、プロミネンスの噴出などを伴う。太陽でもしばしば起き、大規模なフレアの際は人工衛星の故障や地上の磁気嵐、送電網の異常などを引き起こす。周囲に惑星を持つ恒星の場合、惑星大気の組成に変化を及ぼす可能性もあるなど、地球外生命の存在条件にも影響する可能性があるという。

 論文の著者で、京都大大学院の大学院生井上峻さんは「生物の生存を決める惑星の環境への影響や、恒星の進化への影響を調べたい」と話している。 
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