沖縄県が下地島空港(宮古島市)に関し、民間航空以外の目的で使用しないことを国と県の間で確認した「屋良覚書」「西銘確認書」を反映させるため、県の空港管理に関する条例などの改正を視野に検討に入ったことが22日、分かった。覚書や確認書が確認された背景などの整理に着手している。県幹部によると、自衛隊や米軍に対して拘束力を持たせられるよう検討する。(政経部・大城大輔)

玉城デニー知事は同日の県議会で「条例等へ反映させることができるのか、研究を進めている」と述べた。比嘉瑞己氏(共産)への答弁。

下地島空港に関しては今年1月、在沖米海兵隊が「人道支援や災害救援のための習熟飛行」を目的として使用届を県に提出し、県が自粛を要請。海兵隊は使用を見送ったが、覚書や確認書の拘束力が課題として浮かび上がった。

識者からは「県が空港の設置、管理に関する条例の施行規則に屋良覚書などを反映させていないため、拘束力がない状況を招いている」との指摘が上がっていた。

台湾有事を念頭に、政府・与党内でも下地島空港の利用論が強まっている。

1971年の屋良覚書で下地島空港は「県が管理し、使用方法を決定する」ことや「運輸省(当時)としては、民間航空以外の目的に使用させる意思はなく、それ以外の目的に使用させることを県に命令する法令上の根拠を有しない」と確認している。

79年の西銘確認書は「人命救助、緊急避難等特にやむを得ない事情のある場合を除いて民間航空機に使用させる」としている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5c7e29290fd97e9d7d6b4fc91b5f27e364b02984