香港(CNN) 中国中部の武漢で15日、今月から施行された地元自治体の公的医療保険制度改革に不満を募らせた高齢者が、
抗議デモを展開した。

SNSに投稿された写真や動画には、大勢の高齢者が市中心部の公園に集まり、医療給付の削減に不満の声を上げる
様子が映っていた。

デモ参加者が革命歌「インターナショナル」を歌う場面もあった。

警察や政府はこの状況について公式にはコメントしていない。逮捕者が出ているかどうかは不明。大勢の警官隊が映った
映像もあり、警官隊が群衆を抑え込もうとしている様子だった。

中国ではデモや不満表明が厳格に規制されているが、生活や環境問題に対する不満が小規模な抗議運動につながることもある。

武漢でのデモはこの1週間で少なくとも2回目。先週SNSに出回った動画には、大勢の高齢者が同じ問題で抗議デモを
展開する様子が映っていた。

政府は先週のデモについて直接的なコメントを避けているが、武漢の保健当局は声明を発表して医療保険制度改革を確認。
「短期的には医療給付を削減する」としながらも、長期的には「病人や高齢者にとっての恩恵になる」と強調した。

1月の公式統計によると、中国は人口14億人のうち5分の1を高齢者が占め、60歳以上の人口は昨年、2億8000万人に増えた。
中国の2022年の人口は、60年以上ぶりに減少に転じ、経済の減速や高齢者介護に大きな影響を与えている。
https://www.cnn.co.jp/world/35200139.html