京都に行くと、駅ナカにベビーカステラの店をよく見かける気がします。大阪出身の友人もよく買うし、よく食べると話していました。私はお祭りなどでしかなじみがないのですが、関西の人はそんなにベビーカステラが好きなのですか? 

 「あの匂いにつられて、つい買ってしまう」と言うのは、堺市在住のパート勤務、淑子さん(54歳)。

ベビーカステラというと、えびす宮総本社の西宮神社のイメージがあります。全国区じゃない、ということがむしろ驚きです。近所のスーパー、イズミヤに10年ぐらい前からワゴンで、月イチぐらいで出ているので、買うことがあります。似たもので子どもの頃、神戸の湊川神社へ初詣に行ったら、野球カステラも売っていた気がします」

 野球カステラは、グローブやバットの形をしたベビーカステラに似た菓子だ。100年以上前に神戸市内で誕生したとされ、神戸市を中心に関西各地のせんべい店などが作ってきた。せんべい屋がカステラ系のお菓子を作るのは、関西のせんべいは小麦粉生地のものが中心で材料が共通しているからだろう。

■昔の日本人はひんぱんに何かを食べていた


 少し客観的な意見が欲しい、と2019年秋に転勤で東京から京都市内へ移り住んだ、会社員の間島英之さんに聞くと、「こっちはベビーカステラの専門店が本当に多いです」と話す。


 「そもそも関西人は、お菓子好きなのではないでしょうか。京都や大阪のデパ地下は、お菓子売り場が入り口近くの目立つところにある。高島屋の地下は、東京の倍ぐらいあるように感じます。回転焼きの御座候、おだんごとかおやつっぽいものも目立ちますよ」。

 やはり、関西人はおやつを愛好するのか。民俗学者たちは、昔の日本人はひんぱんに何かを食べていた、とよく言うが、そうした感覚が関西には残っているのかもしれない。そして、特に明治以降の洋風化の中で、卵や小麦粉を使うカステラ系の菓子が洋風おやつとして広がった。

 一方、関東では草加せんべいが代表するコメが主原料のパリパリでしょっぱいせんべいが定着している。パリッとした食感や外が固いなどメリハリが利いた食べ物は関東で好まれ、柔らかめでほの甘い菓子は関西で好まれる傾向がある。ベビーカステラは、いかにも関西人好みのおやつと言える

https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/8a329a460941ceeac1d2442f9eb21b430e4f818c&preview=auto
https://i.imgur.com/cEyjJvF.jpg