“SNS投稿で名誉傷つけ”岡口裁判官に賠償命じる判決 東京地裁

女子高校生が殺害された事件の遺族が、SNSへの投稿で名誉を傷つけられたとして、仙台高等裁判所の岡口基一裁判官に賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は一部の投稿について訴えを認め、40万円余りの支払いを命じました。

2015年に東京 江戸川区で当時17歳の女子高校生が殺害された事件の遺族は、岡口基一裁判官が事件や裁判をめぐりSNSやブログで発信した3件の投稿について、「娘や自分たちの名誉を傷つけられた」と主張して賠償を求めていました。

27日の判決で、東京地方裁判所の清野正彦裁判長は1件の投稿について「遺族などの名誉を傷つけるもので、事実に反し、人格を否定する侮辱的表現だ」と認めました。

そのうえで「相当に悪質な内容で、裁判官として、裁判所に関係する文脈の投稿については一般のSNS利用者とは一線を画する影響力を持っていた」と指摘して、岡口裁判官に40万円余りの賠償を命じました。

一方、そのほかの投稿については「遺族の心情を深く傷つけ、現職裁判官として不適切な行為だった」と批判しましたが、「裁判官も一般国民として表現の自由を保障されていることを考えると、投稿の内容は違法とまではいえない」と判断しました。

岡口裁判官は、SNSで積極的に情報発信する異色の裁判官として知られていますが、これらの投稿などをめぐって現在、裁判官を罷免するかどうか審理する弾劾裁判所に訴追されていて、所属する仙台高等裁判所の職務も停止されています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230127/k10013963061000.html