ロシアがモルドバにDDoS攻撃を仕掛けた背景

日本に対するサイバー攻撃は9月6日に始まりましたが、その1ヶ月前以上から、Killnetはモルドバという国に対するサイバー攻撃を仕掛けておりました。
モルドバという国は、ウクライナとの間にある、ロシアが実行支配している地域です。この地域の影響を受けて、モルドバの国の約数割程度が、親ロシアとなってしまっています。

特に注目していただきたいのは、8月15日の事象です。ロシアは突然、モルドバの農産物をロシアに輸入してはならないという措置を取りました。その理由は、モルドバがロシアから受けているエネルギーの供給に対し、その支払い期限の延長を打診したことでした。

ロシアは、モルドバがあまりにもひどい国であると伝えるキャンペーンとして、支払期限の約1週間前、Killnetが、モルドバの政界に対するDDoS攻撃を行いました。

このようにモルドバが厳しい攻撃を受ける中で、日本とモルドバは、8月12日に国際宇宙ステーションの「きぼう」から、モルドバの大学が作ったCubesat(超小型衛星)を放出するセレモニーを行いました。

8月18日には、日本はモルドバに対する1億円の拠出を行いました。そして9月6日、モルドバの高官と外務省の高官が報道関係者の前で、二国間協定書にサインを行いました。

このサインの風景は、モルドバで大きなニュースとなりました。そして、日本でも環境省、経産省、外務省のホームページで英語で伝えました。

それに呼応する形で、ロシアでも報道されました。この間に発生していたロシアからモルドバに対するサイバー攻撃と相まって、日本も巻き込まれた可能性があると見ています。

この二国間協定がされた日に、日本の政府界隈に対するDDoS攻撃が発生しました。

有事の時、物理攻撃はすぐに国際社会が反発して経済的に打撃を受けることが多いようです。ロシアを見ていただくと、ご理解いただけるかと思います。

したがって、相手の国に打撃を与えようとするのであれば、武力攻撃の前にサイバー攻撃により社会インフラを停止させようとするはずです。実際にウクライナはそれを経験しました。そして最近NATOに加盟した2つの北欧諸国は同じような重要インフラの破壊と思われるようなサイバー攻撃を、すでに受けております。


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