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[ニューデリー 5日 ロイター] - インドのジャイシャンカル外相は5日、ロシアに輸出可能な製品リストを同国政府に提供したと認めた。インド訪問中のドイツのベーアボック外相との共同会見の席上で明らかにした。

ロイターは先週、ウクライナ侵攻に対する西側制裁で重要資材などの不足が強まっているため、ロシア政府がインドに自動車や航空機や鉄道車両の部品など500品目以上の提供希望リストを送っていると伝えていた。

ジャイシャンカル氏は「優れた競争力があるインド製品でロシア市場に輸出できてしかるべきだとわれわれが考えるリストをロシア側に提供した」と発言。ロシアとの通商拡大の協議はかなり前から続いており、ロシアのウクライナ侵攻前に既に始まっていたと強調した。「われわれとしては需要と供給があり、両者が均衡する所を見つけたい。自分は世界の多くの部分は市場(原理)が決めていくと考える」と述べた。

ロシアは長年インドにとって軍事装備の最大供給国で、逆にインドの製薬業界にとってロシアは現在4番目に大きい市場。ただ、インドのモディ政権がロシアのウクライナ侵攻を巡って西側に同調して公けに批判することは避け、むしろロシアから石油購入を急拡大し石炭や肥料も大きく買い続けていることで、対ロシア貿易は大幅入超に変化。インド政府はロシアへの輸出を増やして両国間の貿易収支を均衡させる方法を模索している。