マンションや一戸建てなどの広告においては、雑誌やチラシなどの紙媒体はもちろん、ネット広告などにかかわらず、さまざまな規制が行われている。

 その代表と言えるのが、最寄り駅からの徒歩時間の表記で、基本的に道路距離80mにつき1分として算出して表記することになっている。

 たとえば、最寄り駅から500mであれば、500÷80は6.25だから、端数を切り上げて7分と表記することになる。

 しかし、そこにはさまざまな落とし穴がある。

 第一には、坂道や信号待ちなどは考慮しなくてもいいことだ。
最寄り駅から物件までの間に幹線道路があり、信号待ちの時間が長かったり、登り坂が延々と続くと、直線距離での計算では徒歩5分となっていても、実際には7分、8分かかることが少なくない。

 しかも、計測の起点は、駅の改札口ではなく、出口からでいいことになっている。地下鉄のなかには、ホームから改札口までの間に長いエスカレーターが続き、改札を出ても地上に出るまで、長い通路が続いていることがある。

 その典型が都営地下鉄大江戸線の各駅だろう。地下鉄のなかでも最も新しい路線なので、地下深くを通っていて、地上に出るまでに5分以上かかってしまうこともザラだ。
郊外地域はさほどでないが、地下鉄が何本も走っている都心部ではその傾向が強い。たとえば、麻布十番駅などはその典型といっていいのではないだろうか。

 また、起点に加えて終点もマンションの敷地に入る場所から計算していいことになっている。
大規模開発物件だと、敷地に入ってもエントランスまでが遠く、そこからエレベーターホール、共用廊下を経て、各戸の玄関まで数分以上かかることが少なくない。大規模な超高層マンションならなおさらだろう。

いかそ

https://news.yahoo.co.jp/articles/28c372f8b395d6749e9bbd0d93e31e7c33451aa8