総務省が20日発表した8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年同月比2.8%上昇と、約31年ぶりの高い伸び率になった。
食料品などの値上げが家計を圧迫する中、10月にはビール類をはじめ幅広い酒類が値上げされる。新型コロナ禍で定着した
「家飲み」を直撃するだけに、値上げ前に駆け込みでまとめ買いする人も。コロナの影響で客足が戻りきらない飲食店では値上げ
を見送る店もあり、対応が分かれている。(寺本康弘)

「今こそまとめ買いを!」。9月中旬、川崎市高津区の「コジマ×ビックカメラ梶ケ谷店」の酒販コーナーでは、10月からの酒類の
値上げを知らせる張り紙が、あちらこちらに掲示されていた。
 
同店を訪れていた主婦(66)は「夫が飲むので、値上げ前にまとめ買いしようと思うけれど、家に置く所がない」と思案中。
男性会社員(45)は箱積みされたビールを前に「値上げは仕方ないが、給料も上がってくれないと家計にはつらい」と話した。

10月に値上げが予定されるのは、キリンビールやアサヒビールなど大手4社のビール類や缶酎ハイなど。4社とも缶ビールの値上げは14年ぶり。
ビール類の店頭価格の上げ幅は、メーカーによって異なるが、高いものでは10%強に上る見通し。宝酒造や白鶴酒造などの
日本酒や本みりんも値上げされる。

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