コロナ陽性でけが人降ろす 事故現場に、尼崎市消防

兵庫県尼崎市消防局の救急隊が、交通事故で負傷した男性を搬送中、新型コロナウイルスの検査で陽性が判明したため、事故現場に戻って男性を降ろしていたことが12日、市消防局への取材で分かった。

市消防局によると、5日午後11時50分ごろ、市内の国道で神戸市の20代男性がバイクで走行中に軽乗用車と接触して転倒。一緒にいた友人が119番した。

現場に到着した尼崎市中消防署の救急隊員らが、男性の手にかすり傷などがあり、38度以上の熱があることも確認。新型コロナの検査で陰性であれば受け入れ可能という病院に到着後、車内で抗原検査したところ、陽性が判明し、病院側が受け入れを拒否した。救急隊員は男性の症状が安定していると判断し、本人の了承を得て事故現場に戻って男性を降ろした。

6日未明、男性が首や腰の痛みを訴え、事故現場に迎えに来た父親が119番。市消防局の救急車で別の病院に搬送され、足の骨折が判明した。中消防署は「100%の救急対応ではなかったが、コロナ禍で救急車の出動が増える中でやむなく提案した」としている。

https://www.sankei.com/article/20220812-FAG4L7LL2VOOLNT5IM2DUPWPNU/