ロシア国防省の報道官イーゴリ・コナシェンコフ中将は、ウクライナ軍がアメリカ製M142高機動ロケット砲システム(HIMARS)を使って攻撃する標的を、アメリカが承認していると主張した。

「ウクライナ政府が承認した、大勢の民間人の死につながったドンバスやそのほかの地域の住宅地や民間インフラ施設に対する全てのロケット攻撃の直接の責任は、バイデン政権にある」

コナシェンコフ氏は、ウクライナ政府関係者の通話を傍受し、両国のつながりが明らかになったとしている。BBCはこれを独自に検証できていない。

米国防総省の報道官は、ウクライナ側に「彼らが直面する脅威を理解し、ロシアの侵略から国を守るために役立つ、詳細かつ一刻を争う情報」を提供したと述べた。

HIMARSは70キロ先にある目標に複数の精密誘導ミサイルを発射することができる多連装ロケットシステム。その射程距離はウクライナがこれまで所有していた大砲をはるかにしのぐ。

また、ロシア側の同等の兵器よりも精度が高いと考えられている。

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は4月、ウクライナに数十億ドル相当の武器を供給するというアメリカのジョー・バイデン大統領の決定をめぐり、「NATO(北大西洋条約機構)は代理国を通して実質的にロシアと戦争をしており、その代理国を武装している。戦争は戦争を意味する」と警告した。

ウクライナでの紛争をめぐり、ロシアは数々の戦争犯罪や人道に対する犯罪行為を行っていると非難されている。先週にはウクライナ政府が、ロシアによる拷問や殺害の証拠を隠滅するため、親ロシア派の分離主義者が支配するウクライナ東部ドネツク州の収容所をロシア軍が砲撃したと非難した。
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