民間保育園の監査などを巡り、京都市の局長が保育園の法人理事長から高級腕時計を
受け取ったとされる汚職事件で、市子ども若者はぐくみ局長の久保敦容疑者(59)=受託収賄容疑で逮捕=が、
理事長から金の小判も受領していた疑いがあることが1日、捜査関係者への取材で分かった。

京都府警捜査2課などは収賄容疑で、久保容疑者を近く再逮捕する方針を固めた。

捜査関係者によると、贈賄容疑で逮捕した社会福祉法人「セヴァ福祉会」(京都市左京区)理事長の女(85)についても、
同容疑で再逮捕するという。2人の付き合いは10年以上とみられ、府警は長期間の癒着があった可能性もあるとみている。

捜査関係者の説明では、久保容疑者は、セヴァ福祉会が運営する保育園に対する市の監査などに関連し、
2020年秋ごろ、上京区内のホテルで理事長の女から数十万円相当の小判1点を受け取った疑いが持たれている。

セヴァ福祉会が運営する保育園は左京区に2園あるが、このうち理事長の女が園長を務める施設は
市の監査で16〜18年、3年連続して「保育士数が基準定数を満たしていない」などの不備を指摘されていた。

久保容疑者は自己都合での土曜休園を認めたり、監査で便宜を図ったりするよう理事長の女から頼まれ、
19年3月8日に45万円相当の高級腕時計1点を受け取ったとして、先月8日に受託収賄容疑で逮捕された。
理事長の女も同日、贈賄容疑で逮捕されている。

理事長の女に対する贈賄罪の公訴時効(3年)が近いことから、京都地検は勾留期限の1日、
最初の逮捕容疑に関する起訴の可否を判断するとみられる。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/741402