『おまえなんか来るな』ゲーム上で「ネットいじめ」急増 家庭や学校どう防ぐ

京都府と滋賀県の公立、私立高校生のうちインターネットで嫌がらせや中傷を受ける「ネットいじめ」を2020年に経験した割合は8・7%と、前回調査(15年)から3・5ポイント上昇したことが生徒約6万4千人が協力した大規模調査で分かった。オンラインゲームでの被害が最も多く、実施した大学研究者のグループは「新型コロナウイルスの影響で生徒の在宅時間が増えたことが背景にあるのではないか」とみている。

(中略)

 使用されたツール(複数回答)は、前回は項目になかった「オンラインゲーム」が40・7%と最多。複数の人が同時にインターネット上で遊ぶゲームでチャット(文字による同時会話)機能を通じて中傷を受けるなどしていた。次は「ツイッター」の22・8%だったが前回(51・8%)から大幅に低下し、「LINE」も前回の39・7%から20・8%に下がった。

 加害者を「ほぼ特定できた」のは45・8%と前回の67・5%から減った。一方で、「まったく特定できなかった」は31・7%と前回の7・9%から4倍超になり、匿名性が高まっていることをうかがわせた。

 調査を主導した佛教大の原清治教授は「ネットいじめの4割にもオンラインゲームが介在していたのは驚いた。コロナ禍の中、ゲームを通してコミュニケーションを取っていたと言える。ただゲームの世界は中で何が起きているか保護者も教員も分からない。家庭でのリアルな会話が大切になる」と話した。

(中略)

 保護者や教員からは見えにくいネットいじめを防ぐには、どうすればよいのか。調査を主導した佛教大の原清治教授(教育社会学)に聞いた。

 −オンラインゲームでのいじめの特徴は。

 「新型コロナウイルスの影響で、オンラインゲームで遊ぶ時間が増えたが、チャットなどで『下手くそ』『おまえなんか来るな』などと言われていた。ゲーム内で知り合いができても、関係が希薄なため中傷に発展しやすい。また、ゲーム内で『プレくれ(プレゼントをくれ)』などと課金アイテムを要求されることもあるが、これはゆすり、たかりだ。現実世界で急に子どもがいい時計を着けていれば保護者は気付くが、ゲームでは分からない」

 −なぜネットいじめが発生するのか。

「ネット時代こそ家での会話が大事」
 「加害者側にあまり悪意がない場合がある。例えば、部活動のグループLINEに嫌なことが書き込まれた場合、加害者はネタを提供してみんなで笑っただけというつもりでも、被害者は急に自分のことをさらされて衝撃が大きい。関西では『いじり』はコミュニケーションの道具の一つだが、それが弱い立場の生徒にいき、固定化されるといじめになる。それがネットで起きれば、逃げ場がない。それが怖い」

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