「値段下がってない」苦情にガソリンスタンド困惑 抑制策の効果は時差も

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原油価格の高騰を受けた、政府によるガソリン価格抑制策が27日、始まった。補助金が支給されるのは石油元売り業者が対象。給油所の店頭価格に反映されるかは不透明で、値下げされる場合も時間差が出そうだ。早くから政府支援策の決定が伝えられたことで、店頭では利用者から「値段が下がっていない」などの苦情が寄せられ、困惑が広がる。

高騰した価格を表示するガソリンスタンドの電光板 =27日午後、大阪市内(柿平博文撮影)
高騰した価格を表示するガソリンスタンドの電光板 =27日午後、大阪市内(柿平博文撮影)
24日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格が170円を超えたことで、政府による急騰抑制策発動が決定。ガソリン、灯油、軽油、重油を対象に27日以降、いずれも1リットル当たり3円40銭の補助金を元売り業者に支給する。


ただ、店頭価格は仕入れ値や在庫、人件費のほか、周辺他店の動向をにらみながら店ごとに決められる。輸送コストなど地域事情もあり、170円以上で販売を続けている場合もある。

大阪市の運営会社によると、店頭では顧客から値下がりしていないことに複数の問い合わせがあるという。ガソリンの仕入れ値自体も上がっているといい、「価格に反映するとしても来週以降だろう」と話している。



給油所などで組織する全国石油商業組合連合会は「制度はあくまで卸価格が上がらないようにするもの。各社が判断する店頭価格を値引きするものではない」と注意を呼びかける。業界では「苦情を受けるのは現場の店頭だ」という政府対応の複雑さを疑問視する意見もある。