「勝手にやってろ」金正恩のミサイル発射に北朝鮮国民が反発

北朝鮮の国防科学院は11日、極超音速ミサイルの試射を行った。北朝鮮が極超音速ミサイルの試射を行ったのは、昨年9月と今月5日に続き3回目だ。同通信は今回が「最終試射」であるとしており、今後、実戦配備に向け生産段階に進む可能性がある。

一方、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、北朝鮮は5日に行った極超音速ミサイル試射の「成功」を、政治学習を通じて国民に強調しているという。しかし国民の反応はと言えば、かなり冷め切ったもののようだ。

(中略)

平安南道(ピョンアンナムド)のある幹部も同様に、7日に行われた学習会の様子を説明。その上で「本人の意思と関係なく学習会に動員された党員や労働者たちの相当数は、学習内容には無関心だった。勝手にやってろと(いう雰囲気だった)」と現場の空気を伝えた。

当然と言えば当然の反応である。金正恩総書記が核兵器と大陸間弾道ミサイルの開発に拍車をかけた結果、史上初の米朝首脳会談が開かれたところまではよかった。しかしそこから、金正恩氏が何ひとつ利益を持ち帰れなかったことを北朝鮮国民はよく知っている。

金正恩氏はこのところ、経済再建に力を入れる姿勢を見せているが、成功はおぼつかない。形の伴う唯一のパフォーマンスであるミサイル発射によっても国民を振り向かせられないとなれば、いずれ、金正恩氏の指導力に深刻な影響が出てくるかもしれない。

https://news.biglobe.ne.jp/international/0112/dnj_220112_9162565611.html