都教育委員会が中学三年を対象に来年十一月に実施し、都立高入試で活用する英語スピーキングテストについて、英語教育の関係者らが二十七日、都庁で記者会見を開き
「約八万人分の公平な採点は不可能」
などと導入中止を訴えた。
今月中旬からインターネットで署名活動を行い、既に約七千五百人分を集めた。今後、都教委に提出する。
都教委は英語四技能のうち「話すこと」の指導充実を図るなどとして、二〇一九年からプレテストを実施。生徒はタブレット端末を使い、答えの音声を録音。入試では結果を二十点満点で加算する。試験監督や採点などは協定を結んだベネッセコーポレーションが行う。
会見で、新英語教育研究会の池田真澄会長は
「大勢の採点者の間で食い違いが起きたら、擦り合わせができるのか大いに疑問」
と指摘。
神奈川大の久保野雅史教授(英語教育学)は
「政策決定の過程に試験ビジネスに関わる人たちが入っており、不透明だ」
と訴えた。
このほか、学校現場の仕事量の増大や、テスト対策に追われて英語の楽しさを感じてもらえなくなることを危ぶむ声もあった。(土門哲雄)
「中3約8万人分の公平な採点は不可能」と訴える専門家ら=都庁で
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英語スピーキングテスト中止を 都立高入試で関係者訴え「公平な採点は不可能」
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2021年12月29日 07時22分 東京新聞