「テスラ保険」がテキサスで始動、総取り狙うマスク氏の深謀
2021.11.25 日経クロステック
「今後、自動車事業のバリューの30〜40%が保険事業になるだろう」――。
今からおよそ1年前、2020年7〜9月期の決算発表の場で保険事業の重要性をこう語っていた米Tesla CEOのイーロン・マスク氏。
テスラは、そんな同氏の考えを反映した新たな自動車保険を21年10月からテキサス州で始めた。
同社の電気自動車とそのドライバーを対象にしたもので、運転行動を基にして月ごとの保険料を算定するのが特徴だ。
テスラがEVの運転支援向けに導入した機能を活用しており、同社らしい保険サービスだといえる。車両販売にとどまらず、保険といったサービスまで総取りを狙いにいく。
月ごとの保険料の算定は、ドライバーの運転行動を数値化した「安全運転スコア(セーフティースコア)」を基にする。
スコアが高いほど安全に運転するドライバーだとみなして保険料を安くし、スコアが低ければ保険料を高くする。
既にカリフォルニア州でテスラは保険を提供していたものの、月ごとに保険料を変更するのは今回が初めてである。
これまで自動車保険といえば、年齢や運転歴、車種、事故歴などを基にした等級で「ほぼ決まっていた」。
そこで実際の運転行動を反映して保険料を算定しようと生まれたのが「テレマティクス保険」だ。
一部の保険会社は、車内に設置する専用の装置を貸し出したり、スマートフォンアプリを提供したりして運転?動を把握する取り組みを始めている。
ただし、「従来の等級で決めた保険料が基本で、割引に利?するなど、まだ“おまけ”の範ちゅうから抜け出せていない」のが現状だ。
テスラの新型保険は、年齢や性別、事故歴といったドライバーの属性情報は利用せずに、安全運転スコアだけで保険料を算定する。
車両の詳細な走行データにアクセスできる自動車メーカーならではの自動車保険といえる。
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