富士フイルムホールディングスの抗インフルエンザ薬「アビガン」について、
カナダの協力会社が年内にも新型コロナウイルス治療薬として
米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する方向で進めていることが27日分かった。
米国では軽症者向けの飲み薬として米メルクも「モルヌピラビル」を申請中。
ともに実用化できれば軽症者向けの治療法が広がる。

同日、「第8回日経・FT感染症会議」(主催・日本経済新聞社、共催・英フィナンシャル・タイムズと東京都)で、
カナダの製薬企業、アピリ・セラピューティクスのアルマンド・バルボニ最高経営責任者(CEO)が明らかにした。
富士フイルムはアピリ社を通して米国などで臨床試験(治験)を進めており、11月中にも結果が判明する見通しだ。
有効性を確認でき次第、FDAに緊急使用許可を申請する。

富士フイルムはアビガンについてコロナ薬としての転用を目指している。
日本では2020年10月に厚生労働省に製造販売の承認を申請したが、
12月に「有効性を明確に判断することは困難」として承認が見送られた。
同社は21年4月から治験を再実施して承認取得を目指している。
アピリ社の治験で有効な結果が得られれば、追加データとして厚労省に提出し、国内で承認を目指す方針だ。





富士フイルム「アビガン」米で緊急使用許可申請へ 年内
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC26AS70W1A021C2000000/