新型コロナウイルスの感染拡大で献血者が減っている。大阪では7月、暑さや雨で献血バスなどでの協力が得づらかったことも追い打ちになり400ミリリットル献血が計画量に対し約2千人分下回るなど大きく落ち込んだ。8月も計画量に約600人分届かなかった。人口が多い大阪での不足は、他地域への影響も大きいことから、関係者は協力を呼びかける。

 「通常はこの棚がいっぱいなんですが、特にO型は医療機関からの需要が高く、在庫が厳しくなっています」。8月末、大阪市城東区の大阪府赤十字血液センターで示された保冷庫は半分ほどが埋まっておらず、がらんとしていた。普段は献血からつくられる赤血球製剤がカゴに入れられて並ぶが、特に8月に入ってからは隙間が目立つという。

 手術や治療に必要な赤血球製剤は、採血後21日間使える。泉谷さんによると、この夏は理想的な出庫サイクルより早く医療機関に出すことが多かった。

 感染第5波での緊急事態宣言のもと、企業や大学での集団献血はキャンセルが相次いだ。コロナ禍でイベントも少なく、派遣協力も望みにくい状況だ。その分、予定が空いた献血バスを駅前などに派遣したが、長雨などで人出が減ったことが追い打ちを掛けた。

 近畿ブロック血液センターによると、大阪府内の会場から集まる献血は通常、近畿2府4県で確保する血液の約45%に達する。7〜8月は、大阪以外の府県で計画量の97・2〜99・6%とおおむね計画通り確保できたのに対し、大阪は94・1%と特に減少幅が大きかった。日本赤十字社血液事業本部によると、全国でも、特に都市部でコロナ禍の影響が大きいという。
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