自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)で禁錮5年の判決を言い渡された飯塚幸三被告(90)が、「判決を受け入れ、罪をつぐないたい」と話し、控訴しない意向であることが分かった。検察側も控訴しない見込みのため、16日の控訴期限を過ぎれば、実刑が確定する。

 旧通産省の工業技術院長だった飯塚氏は、2019年4月19日、東池袋の大通りを約150メートルにわたって暴走し、死亡した松永真菜さん(31)と長女・莉子ちゃん(3)など、8人の通行人を引き倒した。事故について取材した当時の記事を再公開する。(初出:週刊文春2019年5月2・7日号、年齢、肩書等は掲載時のまま)。


「物凄い先生ですよ。計量学の権威なんです。何とも言えない毛並みの良さもあって。1カ月前に計量史学会の会議が神楽坂の日本計量会館でありました。その時も飯塚先生だけ車で来ていて、会館に横付けしていた。ただ、歩く時は杖をついていて、会議後、先生に『ちょっと肩押さえてくれ。押さえてくれないとまずいんだ』と言われ、肩を支えて車まで行ったんです。前に『先生、よくこんな細い路地のところを運転できますね』と聞いた時には、『段差のある所は転ぶから嫌で。車を運転した方が楽なんです』と言っていたんだけどね……」(日本計量史学会副会長の黒須茂氏)

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 旧通産省の飯塚幸三元工業技術院長(87)が自家用車のプリウスで東池袋の大通りを約150メートルにわたって暴走したのは、4月19日正午過ぎ。8人の通行人を引き倒し、自転車で横断歩道を渡ろうとしていた松永真菜さん(31)と長女・莉子ちゃん(3)の死亡が確認された。

「警視庁が押収したドライブレコーダーに同乗していた妻から『危ないよ、どうしたの』と言われ、『あぁ、どうしたんだろう』と答えている飯塚氏の声が残っていました。事故直後、飯塚氏は息子に錯乱状態で電話し、『アクセルが戻らなくなり、人をいっぱい轢いちゃった』と話していたそうです」(社会部記者)



《控訴しない方針》池袋暴走「人をいっぱい轢いちゃった」飯塚幸三被告の履歴書
https://bunshun.jp/articles/-/48642?page=1&;_gl=1*mszbya*_ga*YW1wLW1fZGx4WEZPVzVfRUN3VksxdUZUWFJlRnZTVHJuQWpXcXp5WTcwT1ZZUUFyYVIzdmpoZ0JPYlktelNxZC1VNDE.