「熱光発電」に熱視線 高出力で小型化可能 京大チーム理論限界突破


熱の力を光に変えて電力を生み出す「熱光発電」への期待が、熱を帯びている。
太陽光や廃熱を有効利用でき、太陽光発電の課題である発電効率を大幅に向上できる可能性があるからだ。
7月には京都大の研究チームが、加熱した光源から取り出せる光エネルギーの理論的限界を突破する装置を、
世界で初めて開発したと米国化学会の学術誌に発表。

まだ実用段階ではないが、「科学的に大きなブレイクスルー。脱炭素社会の実現に向けた一歩だ」としている。

熱光発電は、高温の物体から生じる光(熱ふく射)と太陽電池を組み合わせ、
加熱した光源が出す光を太陽電池で受けて電力に変換する方法。
特定の波長の光を使うことで高い出力が期待される一方、光源内で光が何重に反射するため、
光エネルギーを十分に取り出せない「黒体限界」と呼ばれる壁があり、発電力にも限界が存在すると考えられていた。


京大工学研究科の野田進教授(光量子電子工学)、井上卓也助教らの研究チームは、
光源と太陽電池の間を光の波長よりも短い140ナノメートル(ナノは10億分の1)まで近づけ、
ほぼ一体化することで、高密度な光を太陽電池側に直接取り込む仕組みを考案。

光源側に極小の梁(はり)を設け、熱膨張が起きてもすき間が保たれるよう工夫し、
インジウムとガリウム、ヒ素を素材とする太陽電池と組み合わせた。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/4b9860ec5bff4d98e19f0d7117436d18e3e64b48