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何気ないSNS投稿が犯罪被害のきっかけに! 元捜査一課刑事が明かす手口 スマホで子どもが騙される(1)

元捜査一課刑事が明かす手口 スマホで子どもが騙される 1話

何気なくSNSにアップした一枚の写真から、子どもがストーカー被害に…。SNSをはじめとするネットの世界には、大人でさえ気づきにくい危険が潜んでいます。

我が子が被害者にならないために、いま親ができる対策とは―?元捜査一課刑事・佐々木 成三著の『元捜査一課刑事が明かす手口 スマホで子どもが騙される』(青春出版社)を6回連載でお送りします。今回は第1回です。

※本作品は佐々木 成三著の書籍『元捜査一課刑事が明かす手口 スマホで子どもが騙される』から一部抜粋・編集した無料試し読み連載です

プロローグ
■スマホを「持たせない」から「安全に持たせる」へ
――10歳からのネットリテラシー
■SNSやゲームがらみの子どもの被害者数が急増中!
今、かつてないほど家でスマホやゲームをして遊ぶ子どもたちが増えています。

私がある中学校で行ったアンケートでは、「オンラインゲームをやったことがある」中学1年生から3年生までの子どもたちは約8割もいました。

そのうち、「全然知らない人とゲームをやったことがある」と答えたのは約7割!

また、「知らない異性と直接連絡先を交換したことがある」と答えたのは1割弱でした。

また小学4年生から6年生の女子にアンケートをとったところ、「SNSで知り合った人と会ってみたい、会ったことがある」と回答した子どもはなんと56%もいたのです(情報セキュリティのデジタルアーツによるアンケート調査より)。おそらくこの子どもたちの親は、この事実をまったく知らないのではないでしょうか。

警察庁の「2019年(令和元年)の犯罪情勢」によると、SNSが原因で事件に巻き込まれた18歳未満の被害児童数は過去5年間で26.8%増え、過去最多の2095人となりました。

SNSがらみの犯罪は2013年以降増え続けていて、SNSなどを通じて知らない人と知り合うことをきっかけとして犯罪被害に巻き込まれる例も少なくありません。

また警察庁が2019年に全国の15歳以上の男女1万人を対象に実施したアンケートでは、「過去1年間にサイバー犯罪の被害に遭う恐れのある経験をした」と答えたのは28.9%、「過去1年間にサイバー犯罪の被害に遭った」と答えた人は13.7%もいたのです。


「子どもたちはなぜ、わざわざ犯罪者と接点を持つの?」

こんなふうに思う親御さんも多いかもしれません。でもその理由はただ1つ、「犯罪者だとは思っていないから」。これにつきます。

SNSを介して被害に遭った子どもに、「どうして相手と会ったのか」と理由を聞くと、ほぼ3つの回答が返ってきます。

1つは「金品目的」、2つ目は「優しかった、相談に乗ってくれた」、3つ目が「交遊目的」です。

子どもたちは、知らない人と会うことがリスクだという認識がないのです。