「私たちがいま生きている現実の世界は、もしかすると幻想かもしれない」。
こんな突拍子もないことを主張する物理学の学説があります。
「ホログラフィック理論」というものです。

「モノ」はいろんな情報を含んでいます。
色や形や大きさ、構成している分子や原子の配列など。

イスラエルの物理学者ベケンシュタインです。
彼はブラックホールに落ちた「モノの情報」は消えるのではなく、
別の場所に保存されるのだと主張しました。
その"別の場所"というのは、ブラックホールの外側を取りまく球面状の「事象の地平面※2」です。
つまり、ブラックホールをシャボン玉に見立てれば、
内側に入った「モノの情報」は、外側の虹色が渦巻く球面上に保存されるというのです。

後にスティーブン・ホーキングの研究によって、
数学的に正しいことが立証されたのです。

ベケンシュタインの説をさらに推し進めたのが、
ノーベル物理学賞受賞者のゲラルド・トフーフトや
スタンフォード大学教授のレオナルド・サスキンドです。
「この現実世界にあるモノ・コトのすべては、
どこか遠くにある二次元平面に書き込まれたデータの投影にすぎない」
という結論を導き出したのです。
しかも、さらに驚くのは、彼らがこの世をアナログではなく
デジタルでできていると見なしていること。
コンピュータが0/1の二進法で情報を記録するように、
世界のモノ・コトのすべては0/1のデータで、
空間領域の外側にある球面上にコーディングされているというのです。
この理論は、三次元映像を二次元のフィルムに記録する
「ホログラム」に似ていることから、「ホログラフィック理論」と呼ばれています。

「ひも理論」による裏付け

同じようにこの世の"本質"を突きとめようとしている学問領域があります。
「ひも理論」と呼ばれるものです。
この「ひも理論」の研究者たちが到達した結論は、
奇しくも「ホログラフィック理論」と同じものでした。
別々の山を登っていたと思っていた研究者が、
頂上でばったりと出くわし、両者が同じ山を登っていたことに気づいたのです。
「ひも理論」の強力な裏付けを得て、
「ホログラフィック理論」は、この研究分野のメインストリームに躍り出ました。
いまや最先端の物理を研究している多くの科学者が、
この理論を支持しているのです。

画像
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