「誤解だ、冗談だ」といって、
素直に謝らない人たち。
彼らは、なぜそのような言動に至るのだろうか。

「素直に謝れないのは、保身に走ったり自尊心を守ったり、
ということが考えられます。
謝罪は、過ちの責任を受け入れるということ。
ですが誤解や冗談とすると、すべての責任を取る必要はなくなります。
責任を取ることは、不利益をこうむることだと考えているのではないでしょうか」

こう話すのは、心理戦略コンサルタントの山本マサヤ氏だ。
山本氏は菅首相や吉村知事のケースを挙げ、
「誤解という言葉は便利だ」と話す。

「誤解というと、“受け手と食い違った”とも聞こえます。
『そうはいったけど、とらえ方次第では?』と投げかけることで、
責任をぼやかすことができるのです。
彼らは権力を持っていますから、保身のためにそうしたのでしょう。
現在はコロナ禍ということもあり、
自身の発言の信頼性を揺るがすのはマズいとも考えたのではないでしょうか」


山本氏は自尊心にまつわる、ある実験について話してくれた。

「謝ると自尊心が傷つくけれど、
謝らないことで自尊心が満たされるという実験があります。
謝ることで自分の価値が下がったように感じてしまう。
いっぽうで『世に屈しないぞ!』と謝らないのならば、
『自分は立場が強い、または価値が高い』と感じることができるのです」

謝らないことで、地位や自尊心が保てる。
これでは、謝らないほうが“自分のため”では?
そう投げかけると、山本氏はこう応える。

「言い訳をせずに謝るほうが、好感度が高まるという実験があります。
たとえ骨折をしていても『骨が折れてるから手伝えない』というよりは、
ひとまず『ごめん』と謝ってから『折れてるから手伝えないんだ』
と返すほうがいい印象を与えられるというものです。
また、素直に謝らない人は“謝ったら負け”と考えているのではないでしょうか。
しかし、どこに勝ち負けを置くかを考え直すのも大事なことです。
決して、批判に屈しないことだけが勝ちとは限りません」

山本氏は素直に謝らない人たちについて、周囲が見守るのも大切だと話す。

「『謝れ!』と強制されると、
逆に謝らなくなってしまいます。
勉強しろと言われてしないのと同じですね。

一つの選択肢を押し付けるのではなく、
対応や返答の選択肢を与えることも大事ではないでしょうか。
たとえば『わたしはこう思うんだけど、どう思う?』
『どうしてそんな言動をしたの?』と考えを促すのも大切と言えるでしょう」

女性自身
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