65歳以上の人びとは「すでに遺体」であり、
政府は新型コロナウイルス感染症対応を
「まだ生きている」人に集中すべきだと述べた。

わたしたちは「高齢者」と一括にしがちですが、
不思議なことに自らが高齢者になることは想定されていません。
これは老化への反動であるアンチエイジングブームの
深層にある「時間感覚」の欠如です。

わたしたちはしばしば重大な決定をする際に
「時間の外」に自分を置いてしまいます。
衰えたり、病んだり、死んだりしない社会的な存在として物事を判断するのです。
自分と他人が「明日死ぬかもしれない」
生物的な存在であることをケロリと忘れてしまい、
周囲の「身体性を考慮しなくなる」厄介な思考です。

もう一度言いますが、これは健康で「生産年齢人口」という
繭(まゆ)に包まれているがゆえの無責任な発想なのです。
なぜなら、ほとんどすべての現役世代が確実に介護の必要な高齢者、
つまり「災害弱者」に仲間入りをするからです。

https://withnews.jp/article/f0200520000qq000000000000000W0bq10701qq000021114A?_gl=1*mpdcfn*_ga*ZXBmZEZkb1F3c2pLbm5pZTRnRVpiUzlJN2ZfTXAzZFY4cVNvMzRkdjB0VXUwVzlucmhQekRDZU0xVUNkMXRmZw..