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ソロ王城

パインナップルの畠、椰子の林、甘蔗畠、みのってゐる田、
植ゑつけたばかりの田、稲穂をつみとってゐる田など、沿道の景色は、さすがに南洋らしいと思ひました。

自動車は、ねむの木やタマリンドの街路樹のしげった舗装道路を涼しい風に吹かれながら走りました。

我がパレンバン上陸部隊は、わづか3、4日でこの道を突破し、敵を急追激したのかと思ふと、
心なき道ばたの椰子の林にも、當時敵軍のあわてふためいて逃げて行ったさまを、聞いて見たいやうな思ひがしました。